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ベネッセハウスビーチ棟探訪

5年振り3度目の直島です。
旅の目的は、自分自身をいたわること。
引越し疲れを癒すため、夫とのんびり2人旅を計画しました。

ベネッセハウス

直島は瀬戸内海に点在する島の1つです。
コロナ前は欧米からも多くの外国人観光客が訪れていました。

美術館に泊まるをコンセプトに掲げたベネッセハウスには、ミュージアム棟、オーバル棟、ビーチ棟、パーク棟とそれぞれ異なるコンセプトを持つ4つの建物があります。

いずれも建築家安藤忠雄の作品です。

4つの建物に共通するのは、エントランスから部屋に向かう途中にある様々な仕掛けです。
長いスロープ、階段、モノレールなど景色と光そしてアートを様々な形で切り取り、心地よく心を揺らしてくれます。

今回予約したのは、海の中に佇むイメージのビーチ棟です。

海に一番近い場所
ビーチ
Beach
波打ち際からわずか数歩、ベネッセハウスの中で最も海辺に近い場所に建つ、すべての客室がスィートタイプの宿泊専用棟です。

ベネッセハウスより
海風が心地よいテラス
カーテン代わりの建具(引き戸)
アートに囲まれた空間
海を臨むベッド
たっぷり収納のクローゼット
各階4部屋ずつ8部屋のビーチ棟

ビーチ棟にはフロントがありません。
隣にあるパーク棟でチェックインを済ませた後、部屋まで案内されます。
途中、パーク棟にある杉本博司ギャラリー「時の回廊」を通り抜けて行きます。
杉本作品を鑑賞しながら、部屋に向かう贅沢な仕掛けです。

作品と光のオブジェ
スリットから漏れる光と緑
ガラスの茶室

今回は、ホテルライフの堪能(快適な部屋でのんびり過ごす)が一番の目的です。
加えて地中美術館、杉本博司ギャラリー「時の回廊」、安藤忠雄と草間弥生のコラボ作品ヴァレーギャラリーの3カ所に出かけることを計画しました。

地中美術館

地中美術館エントランス
緑と共存する建物の佇まい

今回で3度目の訪問です。
この美術館が、私にとって一番の存在だと再確認することができました。
五感すべてを静かに刺激する体験型ミュージアムです。

「自然と人間との関係性を考える場所」として今から18年前に完成した地中美術館。

恒久展示されているのは、クロード・モネ、ウォルター・デ・マリア、ジェームズ・タレル3人の作品のみ。

クロード・モネの作品「睡蓮」は、床に敷き詰められたモザイクタイルの放つ柔らかい反射光と自然光のみで鑑賞することができます。
音も気配もない静謐な空間で、触れるモザイクタイル床の僅かに温かみを含んだ冷んやり感。
視覚、聴覚、触覚をゆっくりと稼働させながら絵を愉しむことができます。
クロード・モネの展示室では靴からスリッパに履き替える必要があります。
可能であれば、素足でモザイクタイル床に触れることをお勧めします。

ウォルター・デ・マリアの作品「タイム/タイムレス/ノー・タイム」
こちらは視覚と聴覚、第六感に訴えるものがあります。
全身で作品を受け止めることができます。

ジェームズ・タレル
「オープン・スカイ」は見るたびに新しい感動があります。
くっきりと切り取られた空の色が時間の流れとともに移り変わる様は、見飽きることがありません。
フレームの中に収められた空を安藤建築の冷んやりとしたコンクリートのベンチに座り、壁にもたれかかりながら眺める至福の時。
この作品に会いたくて、直島に来たことを強く意識しました。

ヴァレーギャラリー

地中美術館と宿泊施設であるベネッセハウスの途中にあるのがヴァレーギャラリーです。
杉本博司ギャラリー時の回廊の茶室とヴァレーギャラリーは今回始めて訪れました。

自然に溶け込むアート
安藤忠雄と草間弥生のコラボ作品

ベネッセハウスミュージアム棟

杉本博司作品「海景」
「一扇」で懐石料理を楽しむ

夕食はベネッセハウスミュージアム棟にある「一扇」で懐石料理のコースをいただきました。

ふっくらと厚みのある鱧

鱧やシャコなど瀬戸内海で採れた食材をストーリー性のある盛り付けと器で愉しむことができました。

目の前のアートは杉本博司の代表作「海景」シリーズ。
海と空の境目を背景である瀬戸内海の海と揃えて展示したことがこだわりだと聞きました。

夕陽に染まる空だけがモノクロームの世界に色を付けていきます。

波の音を聞きながらワインを愉しむ

この日の滞在客は私たち1組でした。
漆黒の海に心細さを感じ、カーテン代わりの引き戸をきっちり閉めて休みました。
テレビのない部屋に響くのは打ち寄せる波音のみ。
心地よいリズムに包まれ、いつのまにか眠りについていました。

翌朝、チェックアウトの時間までをテラスで過ごし、ホテルライフを心ゆくまで堪能しました。







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