北の国から|「黒板五郎」は毒親なのか?再放送されない理由
前回感じた「北の国から」に関し、あらためてふりかえる記事を書きました。
こちらはシナリオを創るうえでの感想ですが、今回は「内容」について
少しだけ意見をさせていただければと思います。
私も実はしっかりこのドラマを観たわけではありません。
最初の6話以降はざっくりと。そして番外編だった「初恋」などを観て、シナリオを読んでの感想となります。
北の国からに出てくる登場人物でいまでも圧倒的な人気を誇るのは、なんといっても純のお父さん「黒板五郎」でしょう。
どことなく泥臭く、世間上手でもなく、口上手でもない父親像が評判になりました。
ですが。最近になっても「北の国から」は再放送されません。
それはなぜ?という憶測が飛び。
SNSなどでは以下のような懸念点があるから。とまでいわれています。
などなど💦
気になることは気になりますが。
すっかり綺麗ごとの世界観が
ドラマ再放送の基準になっているのですね。
たしかにドラマでは母親は浮気をし五郎は純をひっぱたき、女をつくり蛍も不倫をし子どもをつくる。。。。
とまあ、いまでいう「毒親 最前線」の道を進みます。
もしあなたが五郎の「子どもだったら」と考えると、
ちょっと?と感じざるをえないでしょう。
それではなぜ、その最悪なドラマがこれほどまでに人気があるのでしょう。
そこにはウソ偽りがない「いまを生きる」人々の揺れる心理が赤裸々に描かれているからだと考えます。
故郷を捨てた、子どもがいるのに不倫してしまう。絶対ゼロではないはずです。だれでも一度は迷うのではないでしょうか。
たしかに昭和の臭いがプンプンする設定ではありますが、今でもそんなこと絶対ないとは言い切れない。なにか混沌とした部分を、このドラマは表現しているような気がします。
いい方がアレですが。人間きれいごとで生きているだけでしょうか。それだけでは楽しいとも思えませんしね。(別に不倫を推奨しているわけではありませんが)
ちなみに私はいま「タバコ」が大好きで、いまでも毎日せっせと吸っています。そのタバコのおかげで気分が切り替わり、次の仕事に向かう事もできます。
それなのに、タバコを吸うシーンがが映画やドラマにあまり取り上げられないのって、推奨される模範生みたいな人間だけを寄せ集めているような、一種の辛気臭ささえ感じるのです。
役者さんも人生いろいろあった人たちを選んでいる。
長い間生きてきて、うまく人生を渡れる人など何人いるのでしょう。
みな夢をもって希望を持って生きていこうと考え、途中で何度か挫折を繰り返し。
自分の限界の着地点と折り合いをつけながら生きていく。そうやって長い人生を進んでいく。だけど、そのような指標はだれも教えてくれないし、わからない。
その道をこのドラマは、一人一人の不器用な人生を赤裸々に伝えてくれているのです。
ですから「こんなひどい親なんて」と全国の子どもを持つ世帯が憤るのも織り込み済みのはずで綺麗ごとではない。親のだらしない部分もしっかり描いています。
余談ですが倉本聰氏はキャスティングにも凝ることで定評があるそうです。
私も最近ネットで知ったのが、愛されキャラの草太は「絶対に岩城滉一さんを」というリクエストがあったと記事で読みました。
岩城滉一さんは当時麻薬所持などの容疑で現場を干されていたそうですが
それでも「北の国からの草太は絶対に彼」と言ってはばからなかった。
人生で本当につまずいている役者さんにも手をさしのべていたのが、このドラマであり、ロングランになった事もうなずけます。
他の余談ですが私の友人が以前「北の国から」で宮沢りえを使うと聞き
ドラマが始まる前から怒っていたことがありました。
「なぜ彼女を?わかんない、やめてー」とドラマのファンである彼女は繰り返していましたが。
いざ蓋をあけると
「宮沢りえを使ったわけがわかったよ。
あの役は彼女しかできないよ」と涙をためていたのです。
当時宮沢りえは人気絶頂だったにも関わらず生活で色々あり、
モノを食べることができず、すっかり弱っていたそうで。
このように、現実でもなにか不安定なものをキャッチし
このドラマに呼ばれることで人生が変わっていく。
よくも悪くも役者さんのターニングポイントとなっているのも、
このドラマの魅力になっています。
ですので、キャラクターの黒板五郎に対しても
「ひどい親」
「にくめない父親像」
「話し方が個性的」
などなど人の気持ちが揺れるのは、
これはひとえにドラマに感情移入をした結果にあるといえるでしょう。
いずれにせよ「ひどいドラマ」だとしたら次は見ないわけです。
さて、あなたはどんな気持ちで北の国からを見るのでしょうか。
「毒親を隠す」いまの時代はもっと陰湿になってくる?
ここからは毒親に関する個人的な意見です。
子どもを産んで育てるというのは、だれにとっても「初めての体験になる」と思います。正直育ててみてようやくわかることも多いのかと。
そして、育児はほぼ自分の親を基本にしますので
毒親に育てば毒親になるっていうのは当然ながらの負のループです。
ですが、最近ではSNSの普及もあり「それ、おかしいよ」という意見を事前にキャッチする時代にもなっています。
功を奏せば「毒親脱出」ということになるのでしょうか。残念ながら、そうは上手くいかないと思います。
マニュアルはあっても上手く操作できないのが毒親、そして毒親育ちです。クロールのマニュアルが手元にあるのに泳げないのと一緒。
やはり、各々が培ってきた育児の道をひっくりかえすのは、人生をかけた大イベントになる。そこまでの覚悟ができる親や子どもも少ないでしょう。
だって、今までの常識を覆すってものすごい苦しいのですから。
そしてSNSで「ダメ出し」をされないよう、
手を変え品を変え毒親も変化するような気がします。
よそに「ダメな親」と見られないように。
ひょっとしたら五郎さんのように
ひっぱたくぐらいの方がかえって健全に育つのかも?
そんな風に感じた毒親問題における「北の国」鑑賞でした。
\タイトル未設定ですが北の国からはFPDでも配信中です♪/
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