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人のからだは複雑系 参~みんな汗散る服交換⁉️アセチルコリンに抗コリン!

交感神経は戦う神経なので、副交感神経はリラックスさせるので・・そういう世間の風潮があるように見えますが、それは大きな誤解です。

むしろ、交感神経が働くときに働かず、副交感神経興奮状態が長く続くことでバランスを崩すことが多いように思います。

これは現代人の特徴かもしれません。

歩く、走る、体を動かす、これらは交感神経のお仕事です。

これ、悪いことですか?

そりゃあ過ぎると疲れすぎて体力消耗しますよ。

でもみなさん、そんなに動いていますか?

健康〇〇センター、〇〇病院の健康増進プログラム、ジム、わざわざそこへ行っては体を鍛える。

普段の生活では動くの足りないって事ですよね?


こういう体を使わない生活様式は(重力を持って以来)人類史上初めてのことなんです。

手足を使わないと退化する。目しかいらない、脳しかいらない、キーボードを叩く指があればいい、のであれば人間の姿は目玉親父になるのかな?(笑)巨大な目玉の後ろは脳と直結❗️

まだそうなっていないですよね?😅

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さて、自律神経は交感神経と副交感神経から成り、両者は拮抗して働く、と言いました。

ではその一方が偏った状態が続くとどうなるか、実際の症状や病気の名称を列挙しますと・・。


(井穴刺絡研究会資料による)

交感神経興奮状態

血管収縮、 高血圧 、冷え症、 脳梗塞、心筋梗塞、肌荒れ、風邪、胃炎=食欲減退、肺炎、虫垂炎、扁桃炎、不眠、口渇、腎臓結石、胆嚢結石、難聴、耳鳴り、便秘、ステロイド系の皮膚炎、息切れ、白内障、肩こり腰痛

心身のストレス、加齢、眼精疲労などが交感神経を異常興奮させる。


副交感神経興奮状態

アレルギー症状、アセチルコリン分泌過多にようる痛み、低血圧、冷え症、くしゃみ、鼻水、アトピー、花粉症、喘息、潰瘍、リウマチ、しもやけ、頭痛、下痢、生理痛、疲労感、乗り物酔い、じんましん、結膜炎、耳の詰まり、バネ指、めまい、結膜炎、帯状疱疹、氣力の減退、

心身のストレス、運動不足、不規則な食事、起床時間、などの病気とはいえないちょっとした不快な症状が続くと副交感神経異常興奮となる。


冷え症、ストレス、かぶってますね。このほかに頭痛もいろんな頭痛があって急性のガンガン頭の痛いのだと交感神経性でしょうし、気圧の変化による偏頭痛は副交感性。冷え症の方は血管が収縮している(交感神経性)こともあれば消化器系の働きが弱い(副交感性)だったりします。ストレスはその時のその人の体調や体質によるところが大きい。なので、ストレスは交感神経のみを刺激するというのは経験上正しくないと思っています。


実際には一人の人の中にどちらの症状も混在しているのが普通。


たとえばガタイが良いのに低体温とか、花粉症持ちなのに血圧高い。喘息なのに狭心症。決して珍しくありません。


先日いらした方は皮膚が腫れ上がっていました。皮膚症状だと通常は副交感神経症状を抑える、のですが、この方は5日前に突然強烈な皮膚症状が出たそうです。思い当たることもなく皮膚科に行っても困惑されるばかりで、痛み止め、痒み止めを処方され、痒くないので(こんなに酷い症状なのに痒みを感じないらしい)痒み止めは使わず、痛くないけど仕方ないので痛み止めを飲み、というのが続いていました。迷わず副交感神経抑制だと判断したのですが、なかなか思うような結果が出ず、もしやと思い、反対のことをやってみたところ、腫れがその場で引き始めました。それとともにすごい痒みが出て大変な思いをされたのですが、皮膚症状でも急性のひどい症状は交感神経が異常興奮した結果だという症例を得ました。


これほど極端でなくても、ベースが副交感性の体質の方が交感神経性の急性の症状を併せ持つ、という例は枚挙にいとまがありません。何故かなぁ🤔ずーっと疑問に思っていました😑


みんな汗散る服交換(みんなあせちるふくこうかん)

=「(自律神経は)ほとんどアセチルコリン、副交感神経系」=超訳


これは副交感神経由来の神経伝達物質、アセチルコリンの覚え方(語呂)なんですけど、記事を書くに当たって、なるほどみんなアセチルコリンだよなあと実感しているのです。

副交感由来のアセチルコリンは神経伝達物質であり化学伝達物質でもあります。難しいことはさておきますが、これが人体のあちこちで作用しているということが重要です。


下の図でAchとはアセチルコリンのことで、コリン作動性もアセチルコリンが作用します。

めんどくさがらずに見てもらうと、交感神経系でもAchはあるし、コリン作動しています。運動神経に至ってはなんと全部アセチルコリン!(ノルアドレナリンじゃないのかよ!)


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もうひとつ、高校生物から、次の神経伝達物質を答えよ。

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A アセチルコリン B ノルアドレナリン C アセチルコリン D アセチルコリン

わかりやすい?3対1でアセチルコリンでしょ。



細胞でつくられたアセチルコリンが体のあちこちに異常に放出されれば副交感神経異常興奮を引き起こすのです。

だから、薬には抗コリン剤(抗アセチルコリン剤)が多い‼️

副交感神経が異常興奮すると、

お腹が痛くなります。(胃腸の活動の異常亢進)  咳が出ます。(気管支が狭まる)その他、アレルギー、痒み。

抗コリン剤が使われます。(喘息には交感神経刺激剤も使われます。)


たいへん面倒な記事になってきました💦


つまり

痛みを抑える、症状を緩和するのに、副交感神経からでるアセチルコリンを抑制することが必要。使われるのは主に抗コリン剤。

交感神経か副交感神経か、どちらの作用が大きいかを判断する必要とともに、アセチルコリンの人体への作用の多さから、西洋医学の薬の世界ではアセチルコリンに対して抗コリン剤があるのです。

抗コリン剤の多さから察するに西洋医学の世界では副交感優位に対して苦悩しているようです。

体中に作用するアセチルコリンの全部を悪とすると抗コリン剤はこれらを全否定するのですから。

全否定されたらどこかで反乱起きるでしょ。人の体は複雑系なのですから!



副交感神経=リラックスという欺瞞

疲れ果てているのはなぜなのか?

ひとときの安堵を人間はむさぼる・・



副交感神経=リラックス これもひとつのプロパガンダだと思います。



読んでいただきありがとうございました。


次回は痛みの種類について。



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