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かっちんおじさんの日常・1話~僕のプロフィール~

 僕は今年の6月の22日に誕生日を迎えるおじさんだ。
 57歳になる。
 誰がどう見てもおじさんだけど、気持ちだけはずっと少年の心を持ち続けている。少年のままおじさんになた僕は、皆から「かっちん」と呼ばれている。
 名前が相良勝男(さがらかつお)で愛称が「かっちん」
 僕は今はカフェバーを営んでる店主で、若い頃はミュージシャンを目指していたこともあったが、僕が40歳の時に親父が他界。そしてお店を継ぐこととなった。
 30歳の頃まではミュージシャンになる夢を捨てきれずに、ずっとチャンスを狙ってライブハウスで歌っていたが、30歳の誕生日を境に、その夢をきっぱり諦めて、親父の店を継ぐため横浜にあるカフェでコーヒーの入れ方なども学10年間は修業した後、親父が他界したのをきっかけに、お店を継いだ。

 お店の名前は僕の代になってから変え、愛称の「かっちん」から取って「かっちんカフェ」にした。昼間は主にコーヒーを飲みに来る客が多いが、夜はお酒も提供してるので、仕事を終えたサラリーマンやOLそして僕と同世代の子供が独立して手がかからなくなった男性や女性も来ては、若かりし頃の青春を思い出し第二の人生を謳歌している客も多い。

お店の奥にある一角に弾き語りで歌うことができるステージもあり、僕は時々そこで数曲歌うこともある。

ミニライブ的なものを週末などに開催したりして参加者なども集い、セッションすることもある。
お店の常連客の中に、美術大学に通ってる絵が上手い人もいて、イベントのフライヤーなどもデザインしてくれるので助かる。

「来月の6/22の土曜日に高部駿(たかべしゅん)と僕の二人の誕生日パーティーをお店でするんだけど、そこで一緒にセッションをやることになってて、駿が僕とセッションしたいって言うから、そのイベントのフライヤーを是非、廉(れん)にお願いしたいんだけど良いかな?」

「俺なんかで良ければ作りますよ! かっちんおじさんと、駿兄ちゃんの誕生日祝いのフライヤーだから気合入れて作らないとな」

「助かるよ! 僕はデザインとか絵とかの才能なんか全然ないからさ」 

 美大の4年生の片山廉(かたやまれん)は斜め向かいの僕の高校時代の同級生の息子で、駿は廉の従兄で趣味でアコギも弾いて歌うことも好きで、二十歳のころからうちの店に来ては、時々歌わせて欲しいと言ってくるので、時々ミニライブなども開くようになった。

 記念すべき駿の30歳の誕生日とあって、記念に僕とセッションしたいと言ってくれた。
 駿の誕生日は25日と僕の誕生日と近いこともあって一緒に誕生日祝いを兼ねたミニライブをすることにした。
 選曲も二人で考えに考えて決め、お店が休みの火曜日に2人でハモリの練習などしている。

 そう言えば駿の彼女も来るのだが、彼女にサプライズでプロポーズも考えているようだ。
 その日のための一曲もあるようで気合も十分感じられる。

 そういや、僕も若かりし頃に好きな彼女に向けて歌なんか歌ったっけな!

 僕の場合は上手くいかず、未だに独り身で今日まできてしまったけど。
 
 あれからずいぶん年を取ってしまったな。白髪も増えてきたし、五十肩で時々腕が上がらない時もある。
 
 でも……

 気持ちだけは、まだまだ若いつもりでファッションには拘ってるつもりだ。
 その辺の同世代のオヤジとは違う!
  
 そんな僕のカフェに集まる人々と僕の何気ない日常の話をしようと思います。



 続きはまた近いうちに書きたいと思います。

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