春の土用~土に囚われる丙辰の4月~
皆さま こんばんは。
玲月彩良(れいげつ・さら)です。
始まりの4月も、今日と明日で終わりです。
スギ花粉も、落ち着いてきていますね。ずいぶん楽になりました。
そして外の景色は、見ごろの花のパステル色の景色から、新緑が眩しい景色に移りつつあります。
今年の4月の干支は「丙辰(ひのえたつ)」でした。4月の十二支である辰は五行では土。水を含む湿土であり、「戊」を蔵干に持つ陽土です。
今年の4月は丙の太陽が春を暖かく照らし、養分たっぷりの土を生じさせています。
火生土とさらに土が強まる月の干支ですので、普段よりもさらに、土の特徴が強く出ているように思います。
土の性質として、豊かな包容力と物事を調和させる力がありますが、火で強まり過ぎると固くなってしまいます。
固くなった燥土は、流動性や融通を欠けさせます。
固い土は、身動きを取れなくします。そして物事の進行を遅くしたり、停滞させます。
また土は他の五行にも柔軟に変化する力を持ちます。
そのため、土が多く生じすぎると、反対に、物事がコロコロと変わりやすく、結論が出ないような状況になりやすいです。
今年の4月は、土が忌神であったり、相剋の関係にある方からの、身動きができなくなったり、やる気が出ないなどのご相談が多かった印象です。
動けない時は、無理に動こうとするよりは、動けなくなった理由を排除すること、休息を十分にとって、動ける心身にすることが大切だと思います。
また、4月の17日から春の土用の時期に入っています。
土用の時期は年に4回あります。
それぞれ「春土用」「夏土用」「秋土用」「冬土用」と呼ばれています。
東洋暦では、毎月の干支の支は決まっています。
土の五行に属する支は、辰、未、戌、丑の四つです。
その四つの支に当たる時期が土用の時期になっています。
4月の辰は春土用、7月の未は夏土用、10月の戌は秋土用、1月の丑は冬土用に当たります。
土用は、ちょうど季節の変わり目にあたる立春、立夏、立秋、立冬の前18日間に割り当てられています。
土の神様は「土公神」さまです。
土用の時期は土公神の支配下に入ることから、土に関することや新しく始めることは控えた方が良いとされてきました。
控えた方が良い行動は、とてもたくさんあります。
年に4回、それぞれ18日あるとして、18×4=72日。
一年に二ヶ月近くも動けない時期があることは、忙しい現代社会では現実的ではないようにも思います。
ただ、季節の変わり目に当たるこの時期は、色々と気候や自然の変化も多い時期。また、土の特徴を良くも悪くも、ダイレクトに受けやすい時期でもあります。
予定しない変化や、停滞する状況への備えや、体調不良を防ぐためにも、土用の時期はイケイケゴーゴーではなく、アイドリング中だと考えましょう。
稼働は少しづつ、常に慎重な自分を心がけたほうが、自分に優しく、ゴールへの早道のように思います。
土用の時期は、急な変化からの不調を防いで、円滑に変化を乗り切るための古来からの先代の知恵、私たちの大切な準備期間といえるでしょう。
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