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自分を見つめるおうち時間の過ごし方

目覚めると、夏の名残の剥がれかけたペディキュアが目に入る。なんだか気持ちが萎えてしまって、起き上がる気にもなれない秋の初めの休日の朝。

仕事や家事やに追われているとなにかしている気になるけど、立ち止まることのできない毎日は私達を思ったよりも疲れさせている。

ぼんやりとしてやる気が出ないそんな日は、家にこもって自分の心を撫でてやる。私のご自愛の日の過ごし方を紹介する。

1.朝一番に自分のための一杯を




電気ケトルで水を温めて、今日の気分のマグカップを選ぶ。水色、白、大きいの、小さいの、自分の心に従ってカップを手に持ったら、お湯が沸くまでの間に「今日は何を飲もう」と考える。生理前には心を落ち着けてくれるカモミールの入ったハーブティー、リモートワークで目の疲れがあるときはブルーベリーのお茶、しゃきっとしたいなと思ったときはコーヒー、温まりたいときはチャイを作ってみたり、体をいたわりたいときは白湯でも。今の自分が飲みたいものをゆっくり淹れる。

最近はハーブティーの心地よさが好きで、パッケージもかわいいオーガニックハーブティーの「CLIPPER(クリッパー)」のお茶や、良い香りに心がほぐれる生活の木の「おいしいハーブティー」のシリーズをリピートしている。コーヒーも、インスタントで手軽に楽しむ時もあれば、フィルターでドリップをすることもあったり。時々によって変わる自分の感覚を追いかけて決める。

今の自分の心と身体が何を欲しているのか、見つめて、自分のための一杯を入れてみる。ちょっと贅沢で優しい時間だ。


2.書いて、頭の中を整理整頓

考え事をすればするほど、煮詰まって、脳がキャパオーバーを起こす。心配事、やらなきゃいけないこと、上司に言われて胸に引っかかった言葉、来週の予定、などの雑多な思考たちは、コップからあふれるように流れていってしまい、しまいには全部がどうでも良い!と投げやりな感情になってしまう。そんな時は紙とペンを用意して、一度全部忘れるために紙に思っていることを書き尽くす。やらなきゃいけないこと、嫌だったこと、悲しかったこと、仕事のこと、恋人のこと、何でもかんでも書いてみる。殴り書きされて、脳から紙に居場所を移した思考たちを眺めてみると、思ったよりもシンプルに見える。そう感じることができると、なんだかほっとする。冷静に眺めることで解決策が浮かぶこともある、整理整頓の大事なプロセスだ。

頭がすっきりして勢いがついてきたら、さらに自分の心を引っ張り出してみる。そこでおすすめなのは、三好愛さんのイラストが可愛い「MY LIFE ノート」(朝日新聞出版)だ。


このノートには、自分について考え、掘り下げるための質問などが書いてあり、答えをノートに書き込んでいく。内容は、自分の名前や趣味などのプロフィールから、住んでみたい場所、人に言えない秘密の話、100万円貯まったらなにをする?など未来の貯金の話など、盛りだくさんとなっており、ゆっくり自分と向き合いながら書く必要がある。この作業は、グラグラしっぱなしの自分のことを見つめて、整理することができ、おうち時間にぴったりだ。

可愛いイラストで気持ちが柔らかく、こねやすくなる。そのままの気持ちで素直に書いていくと良いノートが完成していくだろうと思う。

私が何を感じて日々を過ごしているか改めて書き出すことで、心が整理整頓される。

3.人の頭の中の世界を覗く






社会人になって、自分が自己啓発本やビジネス本を読む機会が増えていることに気づいた。それらは面白くて為になり、上の方に向かって自分を広げていく感じがする。一方で、文学やエッセイなどには、深く深く潜っていくように自分の感覚を広げてくれるイメージがある。色々な世界、時代、考え、感情を教えてくれる本は、自分を充電したいおうちでのご自愛タイムにはぴったりだ。

映画の原作や、自分が興味のある分野の本を読むのはハードルが低くて楽しめる。活字を読む元気がない時は、写真集やイラスト集を眺めることでも、元気が出る。


一方、図書館にも本屋さんにも行けない、そんな時におすすめなのは「青空文庫」というオンラインのサービスだ。これは、著作権が消滅した作品や、著者が許諾した作品のテキストを公開する電子図書館で、過去の名作が専用のビューアーアプリや、Kindleなどの電子書籍アプリでなんと無料で読める。芥川龍之介や夏目漱石などの日本文学はもちろん、海外文学も読むことができる充実のラインナップだ。
手に持っているスマホで、図書館に行かなくても名作をサクッと読めてしまう。手持ち無沙汰に眺めてしまうスマホを少しだけフリックして、違う世界に行ってみる。幅広い世界に触れると見える世界の解像度が変わる。それは私の未来さえも少しずつ変えていってくれると思う。

4.友達に手紙を書く

リアルタイムでメッセージを送ることができるメッセージツールではなく、あえてタイムラグがある手紙を選んで書いてみる。
会話のようなスピードのメッセージツールや、オンラインでの会話などとは違い、相手のことをゆっくり考えながら自分のペースで綴ることができる。自分の近況を伝えたり、相手の今を想像したりと友達への言葉を紡いでいく時間ではあるが、実は自分と向き合うこともできていると思う。

手紙には小さなお菓子や、個包装のティーバッグ、ポストカードや懐かしい写真など、ささやかなサプライズを仕込むこともできる。

他にも、お気に入りの香水の香りを染み込ませたり、シールでデコレーションしたり、相手のイメージに合う切手を選んだり、相手のことを考えて工夫していると、何故か自分も元気になってくる。


おわりに

ご自愛タイムを過ごして、気持ちがスッキリしてきたら、自然と部屋に乱雑に落ちているものを片付けたり、剥げかけたペディキュアを秋色に塗り直したりしている私がいる。

「ご自愛ください」と、誰かに向けた言葉を、ビジネスメールでは何度か打ったことがある。でも、それを自分に言ってあげることはできていただろうか?

自分を一番大切にしてあげられるのは、やっぱり自分自身だろう。甘やかしたり、励ましたりしながら、歩んでいく私を大事にして過ごしたい。

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