開廷
長らくコロナ対策で半分しか座れなかった傍聴席は、全20席座れるようになり、ほぼ満席だった。14回公判まで来ていた捜査員とみられるスーツ姿の男性達はいなかった。
鎌倉正和裁判官は野澤晃一裁判官を引き継いで今年4月の第10回公判から担当する。同じく4月から担当となったイトウ検察官は、この事件では4人目となる検察官。弁護側は一般的な窃盗事件には珍しく弁護団の結成を許可された押田弁護人と寺岡弁護人。
被告・堀口氏はこれまでどおりピンストライプの細身のダブルスーツ、獄中で迎えた誕生日に「兄貴」からプレゼントされ「裁判の際、スーツの下に必ず着ている。決してふざけてなどいない」#24 というスパイダーマン柄のTシャツを覗かせていた。
論告
検察官が書面を読み上げた。
守ビル侵入窃盗事件について
守ビル事件は、雨イジングスパイダーマン裁判【1】でも述べたように、裁判で真偽が問われている3件のうち、被告が最初に逮捕された事件である。検察によれば被告は2019年4月15日未明、新宿駅東南口付近のさんらくビルから、隣接する守ビル・ワールドビルを複雑な経路で屋上伝いに移動し、守ビル・ワールドビルの窓ガラスを割って連続侵入し、守ビル事務所で窃盗をはたらいた。被害額7万円未満。現場にあったとされる「血痕様のもの」から被告のDNAが抽出されたと検察は主張する。
ワールドビル侵入事件について
ワールドビルは守ビルに隣接するビルの一つでゲームセンターが入っている。事件発生順でいえば上記の守ビル事件の直前となる。検察の主張によれば犯人はこのビルの更衣室に屋上伝いに侵入したが窃盗に至らず、従業員に見つかり路上に出ていき、直後に守ビル事件を起こした。ワールドビルの窓が割られていることは後から発覚し、従業員が見た男性が怪しいということで通報・事件化され、守ビル事件と同一犯の仕業とされた。
池袋エステ店事件について
新宿での連続事件から半年後、2019年10月15日未明に起きた侵入・窃盗事件。被害額7万円未満。検察によれば、守ビル事件と同じく、現場にあったとされる「血痕様のもの」から被告のDNAが抽出されたとされる。被告の逮捕はこのエステ店事件から半月後である。
求刑
書類を見ながら聞いていた弁護人が発言する。
(雨イジングスパイダーマン事件裁判【4】 第15回公判 弁論 につづく)
被告の情報:Instagram「獄中便り」(ハッシュタグ #雨スパグラム)
担当/事件番号:刑事係7部/令和元年(わ)3108号等