横断歩道

僕の仕事は配達員。

某有名な〇〇急便でもなければ〇〇〇便でもないけれど僕はこの仕事が好きだ。

僕がこの仕事を選んだ理由はちょっとだけ優しい気持ちになれる事と、嬉しい顔のお手伝いができる気がするからだ。

できるというと烏滸がましいのだが荷物を待ってる人がいるということは、送る人がいるということでそのお手伝いをしている気がする。

それは実際には自分で頼んで届くのを待っていることも多いのだろうが、僕は誰かが送ってくれているのだろうと考えることが多い。

その方が運んでいて楽しいのだ♪

誰かの送り物(贈り物)を僕が誰かに届ける!

僕は誰かも知らないし誰かにも知らない。
もちろん誰かは僕のことを知らないし、誰かにも僕のことは知らない。

面白くないか?笑

僕は配達する時忙しい時もあるけれど、運転しながらいろんなところに行けるのが楽しい。それに知らない景色を見られるのが何よりの贅沢だと思っている♪

地図上には次から次へと目的地が表示される。配達員をを長くしていると地図がいらなくなってくる。あたまが地図になるからだ。

一度行ったところはなんとなく景色を覚えているし忘れていても目に映る景色で思い出す。

同じ家に行くこともあるしお隣さんに行く時もある。

ナビもバージョンアップ。

あたまの地図もバージョンアップ。

毎日そんなふうに思いながら配達しているのだが、横断歩道も楽しみのひとつ。

横断歩道で道を渡ろうと待っている人がいると停まる。

いろんな人が待っている。

高校生
自転車の人
親子連れ
おじいちゃん
あばあちゃん
スーツを着た人
おじいちゃんとおばあちゃん
小学生
妊婦さん
ご夫婦
散歩の人
犬を連れた人
ウォーキングの人
ジョギングの人
買い物帰りのお母さん
車椅子を押してる人
男の人
女の人
さまざまである。

この間やはり横断歩道で待っている人がいた。
僕は走っている車を停める。
そこにはおばあちゃんと保育園の園服を着た男の子が待っていた。

右側から左側に渡る。
おばあちゃんは男の子の左手を握り横断歩道を渡る。
男の子は右手を上げて渡る。

渡り終わると男の子はおばあちゃんと歩きながら僕に向かってバイバイをしてくれた。

2人の優しい笑顔が嬉しかった♪

そんな感じで僕の仕事は配達員!







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