孔雀の羽根

あなたはずっとひとり。
来る日も来る日もひとりきり。
話し相手はいるの?

今日は私が話し相手。


(回想)


孔雀の羽根は大きくてとても綺麗だ。
本物の孔雀はまだ見たことがない。
何故か家に一本だけある孔雀の羽根。
この羽根はどこからやってきたのだろう?

羽根の上の方は目玉のようになっていて私はそれを眺めているがとても好きだった。何度も何度も触っては角度を変えて色を見る。触り心地は柔らかくツルッとした肌触りがとても心地よい。
光沢のある緑と青はその時私の中にはない色だった。


実際にはいろんな色の羽根が生えている。


茶色と黒のトラ柄のような羽根。
緑と黄色が混ざったような羽根。
黄緑や橙の羽根。
真っ青な羽根。
茶色い羽根。
紺色の羽根。
青い羽根。
黒い羽根。
白い羽根。

当たり前だが自然の色の方が作り出された色より綺麗で見ていて落ち着く。毒々しい色でさえも自然の色は鮮やかで綺麗なのだ。


そばにいる子供たちが孔雀を見てカラフルと話している。確かにカラフルで綺麗な色だ。

子供達が可愛らしい声で

やっほー!

と孔雀に声をかける。

しかし孔雀は動かない。

今日は話し相手が来てくれて良かった。
こんな寒い日はきっといつも誰も来ないのだろう。
珍しい。

と思っていたら

また行ってしまったね。

そしてまた2人きり。

今日も暗くなるまでいるからね♪


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