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スカイレストランロンド、北海道唯一の回転レストランの思い出

「札幌駅のね、そうそうレストラン、回転レストラン」

ロイヤルセンチュリーホテルの最上階、スカイレストランロンドをご存知ですか。
なんと360°一回転、1周約3時間で札幌の夜景を一望できる・・・、なんともバブリーなレストランです。


「ラブホの回転ベット(小声)」
そうつぶやいたのは50代先輩ですが、それは聞こえなかったのか。


ボソボソと話し続けるのは、入院中の患者さんです
(注:私は病院で働いています)。

札幌の回転レストラン、あの場所は特別だった

その人は、70代のご婦人。
ほんのちょっとだけ認知症なので、今と昔の時空を超えている瞬間があります。

それでもその日は、頭はスッキリ晴れやか。
思い出話をしてくれました。

「今ではね、あなたたちはびっくりしないでしょうけど、
当時は大ニュースだったのよ。
北海道で初めての回転レストラン」

そう、札幌駅直結のセンチュリーロイヤルホテルの「スカイレストランロンド」のことです。

「もう、結婚していたのだけれどね。
主人がね、どうしても行きたいというの。
フランス料理なんて、食べ方もわからないから、私すごく緊張して」

ほうほう、そうなんですね。

「それを見て主人がね、プロポーズしてくれたの!」

時系列に辻褄が合わないのは、まあご愛敬。
深夜の病棟、ナースルームに連れてこられた患者さんの思い出話は、目くじら立てて聞いてはいけません。

「フォークの背中にライスを載せてね。
手を洗う水がボールに入って出てきて、これは飲み物かしらって思った」


人妻、美徳のよろめき。その場所もスカイレストランロンド

何だか素敵なラブストーリー。
病棟スタッフ一同がほっこりしたところで、物語は急展開します。

「でもね私、そのあと2度目に回転レストランに行ったときはね、
主人と一緒じゃなかったのよ」

ほ、ほう?どういうことでしょ。

「あなた、美徳のよろめきってわかる?
主人じゃない男の人にね、ふらふら~ってね。
私もそんな時があったのよ」

え、それはつまりアレですか?
「金曜日の妻たち」的な話ですか。

「彼はね、たくましくて自信満々でね。
年上だったけど精力的って感じでね。
初めて外で食事をしたとき、やっぱり回転レストランだったの」

あらら、それは何とも。
続きが気になりますが・・・。

そこはまあ、認知症の患者さんあるある。
突然話はすっ飛んで、現在に戻ります。

「ねえ、あなた。
私はもう退院する予定なのよ。
すぐに服に着替えなきゃ。バックはどこ?」

おっと、今は午前2時です・・・。

プロポーズの思い出に、背徳の瞬間も。
ある女性(つまりこちらの患者さん)の人生の光と影の舞台だったスカイレストランロンド。

本体の廃業と共に、2024年にはその幕を閉じます。
もし行くならお早めに。
(ただし、支払いは諭吉レベルです)

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