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再び最下位転落。どん底でもわずかな光を見失うな | J1リーグ第17節

再起誓うも敵地で派手に散る

6月3日(日)、アウェーで明治安田J1リーグ第17節が開催された。コンサドーレは前節終了時12位の東京ヴェルディと対戦。5日前にミシャ監督続投とJ1残留を第一目標とするクラブ声明が発表され、高い熱量で試合に臨む。


コンサドーレは先週のトレーニング中に中盤の要MF宮澤裕樹が負傷。右ヒラメ筋肉離れによる負傷と公式発表された。一方、FW鈴木 武蔵が4試合ぶりに復帰し、1トップに配置。最も大きな変化があったのはフォーメーションだ。DF岡村 大八とDF家泉 怜依を中央とする可変式4バックを採用。MF荒野 拓馬が1ボランチを務める。

J1リーグ第17節 フォーメーション

半端なDFラインの裏を徹底的に突かれる前半

この試合は可変ながら4バックで試合に臨んだコンサドーレ。今季は試合終盤に家泉を投入し、4バックで守り切る形が度々見られた。しかし、明確にスタートから採用したのはこの試合が初めてかもしれない。

相手2トップに2CBを当て込む狙いは開始早々から脆く崩れる。前半10分、1発のパスで裏を取られ、GK菅野 孝憲が相手FWを倒し、PKを献上。先制点を奪われた。

前半20分、コンサドーレは同点に追いつく。敵陣内の攻防からこぼれ球を回収し、ペナルティボックス手前から最後はMF荒野 拓馬がミドルシュート。これが相手DFに当たってゴールに吸い込まれた。出だしこそ躓いたものの、この時点で巻き返す機運は十分に高かった。

しかし前半32分と43分、それぞれボールロストからのショートカウンターと裏への抜け出しから失点。攻勢ムードから一転、苦しい展開となった。

DF総替えの決死の攻めも実らず敗戦

反撃必須となった後半はDFを2枚交代し、形勢逆転を狙う。後半1分、CKからMF近藤 友喜がヘディングシュートを決め、1点差。下がりながらの難しいシュートをうまく沈め、今季2点目を記録した。

しかし、後半14分と33分、DFラインの裏を取られ失点。結局、この試合は裏への抜け出しから4得点を許した。コンサドーレはその後、DF馬場 晴也を下げ、スタメンDFをすべて交代する。後半AT4分には右サイドからMF駒井 善成がドリブル突破し、グラウンダーのクロスを供給。ゴール前に走り込んだ途中出場のMF原 康介が一矢報いた。

試合は5-3で敗戦。再起を誓った直後の試合とは到底思えない内容で玉砕した。お世辞にも3点取れたことは収穫だ、などとは言えない試合だった。

急造4バックに望みなし。ブレずに光を追い求めよ

この試合の最大の敗因は“DFラインの統率”と“裏へのケア”だろう。現体制でほとんど採用しなかった4バックで守り切れるほどJ1の攻撃陣は甘くない。3バックだろうが、4バックだろうが基本的なラインコントロールと裏ケアができなければ、失点する。この試合は“4人のDFを並べただけ”だった。

良くも悪くも攻撃サッカーを志向してきたチームにあって、4バックで試合を殺す(落ち着かせる)引き出しはない。愚直に挑み、ゴールをこじ開けることでしか現状は打破できないと考える。

現状がうまくいかない時、試行錯誤したくなるのは理解できる。ただし、ミシャ監督で続投することを決めたのであれば、その強みが最も発揮できるシステムで挑むほかない。それこそが“復活への光明”と考え、覚悟したのではなかったのか。

加えて、1ボランチ気味となった荒野の配置にも疑問が残る。相手のパスの供給元を押さえなければ、自由に攻撃を許してしまう。DFの枚数に関係なくしっかりと2ボランチを敷く必要がある。

チームはどん底。だが、自らを迷い疑う暇はない

これでリーグ戦3連敗。他会場の結果により、再び最下位に転落した。主力の怪我に加えて、FWの無得点、守備崩壊と踏んだり蹴ったりだ。それでもこれまで積み重ねてきたスタイルを疑い、迷っている時間はない。刺し違えてでも相手を倒す覚悟を胸に、残り試合に挑んでほしい。

次戦は6月5日(水)、ルヴァン杯プレーオフラウンド1stレグが開催され、ホームでカターレ富山を迎え撃つ。

感謝感謝です。

引用・参考資料
「北海道コンサドーレ札幌にかかわる全ての皆さまへ」(2024年5月29日) 北海道コンサドーレ札幌公式HP
https://www.consadole-sapporo.jp/news/2024/05/10331/ (最終閲覧日:2024年6月5日)

「宮澤 裕樹選手 負傷のお知らせ」(2024年6月2日) 北海道コンサドーレ札幌公式HP
https://www.consadole-sapporo.jp/news/2024/06/10349/ (最終閲覧日:2024年6月5日)

「東京Vvs札幌の試合結果・データ(明治安田J1リーグ:2024年6月2日)」 J.LEAGUE.jp
https://www.jleague.jp/match/j1/2024/060201/live/#live (最終閲覧日:2024年6月5日)

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