敗戦への焦燥と勝利への執念。不屈の精神はまだ絶えてはいない | ルヴァン杯3回戦

2024年5月23日 20:09

J3相手に大苦戦もPK戦の末、勝利

5月22日（水）、YBCルヴァンカップ1stラウンド3回戦が開催された。コンサドーレはアウェーでAC長野パルセイロと対戦した。前の試合と同様、J3リーグに所属するチームとの対戦となったが、J1京都を撃破した難敵に苦戦することになる。

リーグ戦から中2日で迎えたこの一戦には、出場機会に飢える若手が多く起用された。開幕から怪我人が相次いでいることもあり、この日の帯同メンバーも最小限に留めた。限られたメンバー編成の中、1stラウンド突破を目指す。

立ち上がりから相手の圧力をもろに受ける展開が続く。裏への抜け出しとポケット侵入を徹底する相手に対し、守備で後手を踏み何度もピンチを招いた。前半18分、ボックスへの侵入から最後はミドルシュートを沈められ、失点。以降も反撃の糸口を見い出せず、そのまま前半が終了した。

コンサドーレは後半、メンバー交代をしながら反撃に出る。ボールを保持し相手の体力を奪い、オープンな展開に持ち込むことで打開を図った。下位カテゴリーの相手との対戦では一発を喰らう可能性があるため、オープンな展開は好ましくないが背に腹は代えられない。

縦に早い攻撃で決定機を創出する一方、広く空いたスペースを突かれ失点するリスクも多分にあった。しかし、粘り強い守備とGK中野小次郎の好セーブでなんとか耐え切る。

相手の粘り強い守備に阻まれ、得点を奪えないまま時計は進む。後半アディショナルタイム6分、ボックス外からMF田中克幸が放ったシュート性のボールにDF家泉怜依が反応。コースが変わったボールがそのままゴールに吸い込まれた。

前のプレーではポストを叩くシーンがあっただけに、焦りが募る状況だった。何とかしたいという選手たちの姿は、ここ最近のコンサドーレでひときわ強かった。

土壇場で追いつき90分が終了。延長前半、及び後半も両者譲らず、PK戦に突入した。周知の通りPKは運の要素が大きく、緊張はピークに達した。ホームチーム側のゴールで、コンサドーレは先攻に決定。

FW大森真吾を皮切りに120分間戦ったメンバーで挑む。2本目のMF田中克幸のシュートは相手GKに触れられるもゴールイン。3本目のMF田中宏武のパネンカは見事だった。4本目MF長谷川竜也はさすがのPKを披露し、相手の4本目はポストを叩いた。決めれば勝利の場面、5本目のDF中村桐耶が冷静に沈めた。

コンサドーレは苦しみながらもプレーオフラウンド進出を決めた。依然として課題も多いが、出場機会を欲する選手たちが自ら次のチャンスをもぎ取ったことをポジティブに捉えたい。

他会場の結果により、神戸（J1）をPK戦の末破ったカターレ富山（J3）との対戦が決定した。6月5日（水）はホーム、9日（日）はアウェーで開催される。リーグ戦と天皇杯の間に開催されるため、移動の多い5連戦が控えている。

次戦はJ1リーグ第16節、ホームで鹿島アントラーズと対戦する。勝利への執着を見せ、泥臭く勝ちをもぎ取る姿に期待したい。

引用・参考資料
「長野vs札幌の試合結果・データ（ＪリーグYBCルヴァンカップ：2024年5月22日）」　J.LEAGUE.jp
https://www.jleague.jp/match/leaguecup/2024/052210/live　（最終閲覧日：2024年5月23日）

「プレーオフラウンドの組み合わせ決定！【２０２４ＪリーグYBCルヴァンカップ】」　J.LEAGUE.jp
https://www.jleague.jp/news/article/27912/　（最終閲覧日：2024年5月23日）

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