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改善されない課題再び。悲しいかな、これが実力 | J1リーグ第12節

ホームで今季2度目の逆転負け

5月6日(月)、前節から中2日で迎えた明治安田J1リーグ第12節。コンサドーレはホームで6位(前節終了時)のFC東京と対戦した。


試合間隔が短いGW連戦となった今節だが、コンサドーレは前節と同じ先発メンバーを採用。今季のベストメンバーに近い陣容で臨む。先週、怪我で離脱したDF岡村 大八は3試合ぶりにメンバー入り。スポーツ報知より今節での復帰の可能性が報じられたFW大森 真吾はベンチ外だった。

J1リーグ第12節 フォーメーション

ラッキーな形で先制もすぐに追いつかれる

コンサドーレは前半5分、MF荒野 拓馬がピッチ中央から右サイドへ展開。パスを受けたDF馬場 晴也がクロスを上げると、そのボールがゴールニア上に吸い込まれた。ボックス内へのクロスが幸運な形でゴールを呼び込んだ。馬場は今シーズン2ゴール目。

しかし前半27分、ピッチ中央で与えたFKから数本のパスで左サイドの裏を取られたのち、逆サイドへのクロスを決められ失点。裏へのケアは言うまでもないが、その前の縦につけるパス、ワンタッチで裏へ出した選手へのマークなど、各ポジションで対応が甘かった。ファールで相手の攻撃を止めたならば、その間に迅速に守備陣形を整えなくてはならない。

コンサドーレが抱える単純明快な3つの課題

同点で迎えた後半20分、自陣からのビルドアップのミスを回収され、その流れで失点。不用意としか言いようがない失点だった。試合は1-2で終了。第6節の名古屋戦以来、2度目の逆転負けを喫した。

今季に限らずコンサドーレにはいくつかの課題がある。1つ目は不用意なボールロスト。この試合の2失点目に代表されるミスである。ビルドアップを重視するスタイルを採用する以上、年間を通してビルドアップのミスからの失点は致し方ない。しかしながら、相手選手の配置や局面を意識せずに不用意な縦パスをつけたり、ほぼ同数の状態で自陣ゴール前でのパス回しを選択する場面が散見される。

2つ目は後手を踏むクロス対応。第10節の湘南戦、2失点目に代表される失点である。守備時に人数を揃えるものの、クロス対応の際にボールウォッチャーになり、2列目から飛び込んできた選手、もしくはクロス後のアクションに対応できないケースだ。最初のクロスに対応できれば問題はないが、こぼれ球や空中戦に強い選手には対処しきれない。

3つ目は中途半端なクリア。相手の攻勢を受ける状況ではプレーを切ったり、陣地を回復するためにボールを大きく蹴り出す必要がある。たとえ自陣ゴール近くのスローインを与えても、守備陣形をセットした状態でリスタートできるメリットがある。しかしながら、前線に意図のないクリアをすることでプレーが続き波状攻撃を受ける、もしくはクリアが引っ掛かりピンチを招く。

これらの課題をこれまで“チームの意思統一”と表現してきたが、実際のところ、個人レベルの問題である。誰かに言われて初めて意識するような話ではない。

何度も聞いた「改善」の言葉に具体性は伴っているか

試合後のインタビューでは毎試合のように「修正」「反省」「改善」といった発言を口にする選手たち。では、具体的に何を改善するのだろうか。「先制した後にもう1点取りに行く姿勢」や「メリハリのある攻撃」ではいつまで経っても現状は改善されない。

  • GKからのビルドアップ時に相手が同数で守りに来た際は、FWがサイドに流れてロングボールに競り合い、シャドーとWBの2枚でセカンドボールを回収する。

  • 試合終盤残り15分のゴール前でのクリアは、タッチラインに蹴り出すことを第一に考える。

  • サイドからのクロス対応はボールに食らいつくのではなく、マークしている、もしくは近くにいる選手につく。

細かい状況を想定したチームとしての約束事を明確にしなくてはならない。また、意識や姿勢といった抽象的な努力目標ではなく、具体的な行動指標を示す必要がある。

改善されない課題は実力の現れ

同様にインタビュー等でよく聞くのは「どの相手にも互角に戦える」「主導権を握ることができる」といったコメント。確かに、コンサドーレは自分たちでボールを握り、ゲームをコントロールするサッカーを志向してきた。

しかし、決して“ボールを握る=主導権を握る”ことではない。フットボールでは自分たちがボールを保持することで逆に不利になったり、ポゼッションに固執することが仇となる場合がある。結局のところ、ボールを保持するか否かはさほど関係なく、その効果は“局面次第”なのである。

ボールを保持し、試合を大方支配しているつもりであっても、相手からすれば得である状況はいくらでもある。「試合を支配したが、ミスやワンプレーで敗れた」と繰り返し発言することは、試合を読む力のなさを露呈しているに過ぎない。本当の意味で試合を支配する力は今のコンサドーレにはない。

それでも前へ、もっと前へ。勝利を渇望せよ

他会場の結果により、コンサドーレは再び最下位に転落。まもなくシーズンの3分の1が終了する。長年抱える課題をすぐに改善することはできないが、根気よく向き合っていきたい。すべては勝利のために。

次節は5月11日(土)にアウェーで川崎フロンターレと対戦する。

感謝感謝です。

引用・参考資料
J1札幌 FW大森真吾が4戦ぶり出場に意欲「ネガティブになっても仕方ない」…6日ホームFC東京戦 (2024年5月5日) スポーツ報知
https://hochi.news/articles/20240505-OHT1T51022.html?page=1 (最終閲覧日:2024年5月7日)

札幌vsFC東京の試合結果・データ(明治安田J1リーグ:2024年5月6日) J.LEAGUE.jp
https://www.jleague.jp/match/j1/2024/050604/live/#live (最終閲覧日:2024年5月7日)

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