「学力」の経済学を読んで

 みなさん普段、読書はされていますか?
私は月に最低でも6冊、多い月は20冊ほど本を読んでいます。

 読んでいる本は、自己啓発の本やタイムマネジメントの本、新書などなど。
小説というよりは、ビジネス書と言われる本が多いです。

 そう言うと、ずっと前から本が好きで読んでいた人だと感じる方もいるかと思いますが、そんなことはありません。昨年度の11月頃、たまたま本屋で立ち読みしたライフシフトがきっかけです。自分の知らないことがたくさんあると気付き、これからは自己投資が大切だ!と単純に思い、読書を始めました。おすすめされた本や気になる本を片っ端から読み始めると、知らないことって怖いと気付きました。教員って知らないことが多いのかも。と思い、色々な分野の本を読むようにしています。

 今日は最近読んだ中室牧子さんの「学力」の経済学について書かせていただきます。

 中室牧子さんは、1998年慶應義塾大学を卒業。その後、米ニューヨーク市のコロンビア大学で博士号を取得。2013年から慶應義塾大学総合政策学部准教授に就任。2019年から同学部教授。2021年からデジタル庁のデジタルエデュケーション統括。専門は教育を経済学的な手法で分析する「教育経済学」。教育経済学者である。

 私はこの本を読んで、教育を経済学としてデータを用いて分析するということが今までの日本であまり行われていないことに違和感を覚えました。経験だけで自論ばかりを語る専門家。なんの根拠もない討論がよく行われていることに気づかせてもらえた。

 そして、子どもの教育のご褒美には「テストの点数」などのアウトプットではなく「本を読む」「宿題をする」なとのインプットに与えるべきと書かれていて、なるほどと思った。勉強できない子どもは、そもそもどう勉強したらテストの点数があがるのかが分かっていない。だからこそ、インプットにご褒美を与えて、インプットを増やしていく。そうすると自然とテストの点数が上がると思った。

 テストの点数をご褒美にしてしまうと、点数が取れなかったときの自己肯定感が下がり、どうせ自分は…となってしまう。できなかったとしてもその勉強した過程を褒める。勉強に限らず大切なことだと思った。

 また、学校は学力に加えて、非認知能力を培う場でもある。と書かれていた。非認知能力とは、自己認識、意欲、忍耐力、自制心、メタ認知ストラテジー、社会的適性、創造性、性格的な特性。先生や同級生から多くのことを学ぶ場として、学校の役割があるのだと思った。

 教員として、学校は何のためにあるの?という問いへの答えがシンプルに答えられるようになった気がする。勉強だけなら塾でいい。でもそこでは教えられない価値が学校にはある。これからも非認知能力を育成することを大切にしていきたいと強く思った。

 とにかくこの本を読んで、データをもとに語られている教育が新しくも感じつつ、データで分析していくことが必要だとも思った。経験や自論で語る教育ではなく、根拠を基に語る教育。

 近い将来、日本もそうなっていくことを願う。そしてぜひ多くの教員、そして保護者の方にも読んでもらいたい一冊。

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