実録 ドラキュラ菜園に立つ 10

インフィニティーサラダバー


葉物を植えつけるにあたり、選ぶ基準としては

●春早くにトウ立ちしにくいもの

●虫がつきにくいもの

●食べやすいもの

などを考慮したのだが、これらの条件に適した、皆様に自信を持ってお勧めできる葉物をご紹介しよう。サンチュである。4月から8月まで栽培していたが、まったく虫がつかない上、ほったらかしでもわしわし生えてくる。株ごと収穫しなくてもちょいちょい周りの外葉を収穫すれば、長く楽しめる。しかも柔らかくてクセがないので食べ飽きない。さらにサンチュはレタスの仲間として知られるが、栄養的には普通のレタスと違って、緑黄色野菜なのでビタミンや葉酸などもレタスより豊富らしい。

なんて優秀なのサンチュ!

さて、経緯を見てみよう。畑の一角、ここはサラダゾーンにすべく、4月上旬にサンチュ、ルッコラ、パセリ、二十日大根などをランダムに植えつけてみたのであった。ルッコラは今からではすぐトウ立ちしてしまうかな、と懸念はあったのだが。

↑最初はこのようなか弱い苗たちだったのだが。

↑ちょっと育ってきたかな?

↑ちょっと野菜っぽくなってきたぞ。

↑疑いなく野菜の風格を帯びてきた。

しばらくすると、もりもり育つサラダたち。ルッコラもサンチュの間だと案外調子が良さそうである。何もせずとも虫つかず、サンチュには、いもむしも、アブラムシも、あのにっくきハダニも、全然こないのである。ナゼ?私の基本方針は放任スパルタ、ゆえに逆に蜘蛛やらトカゲやら虫を食べてくれるお客さんも多いとはいえ、不思議である。というか私のようなズボラー素人のために神が与えたもうたギフトなのではないか。まあ、二十日大根の葉は少し食われているようだが、大した事はない。

↑毎日取り放題!

サンチュもロケットも、葉をかき取りながら育てるのでかなり長く楽しめる。また二十日大根は連作障害がないとの事、引っこ抜いたらまた種を蒔く。永遠にサラダバーなのである。この美しい景色、そりゃラプンツェルの母ちゃんもうらやむってもんよ。このぴかぴかの野菜達を見ていると、なんとも心が晴れ晴れとしてくるというか、もともと私はものすごくウジウジした人間なのだが、そういえば最近畑で野菜を眺めるようになってから、ウジウジ悩む事が減ったように思う。(別にウジウジ悩む原因は減っていないが)。英語で野菜はvegetableであるが、その語源はラテン語のvegetareで、生かす、活気があるというような意味らしい。なるほど、野菜には人を活気づける何かがあるなあと、言葉の意味を身をもって知ったのであった。鮮やかで美しい野菜の色彩やその元気そうな様子を観察する楽しさ、陽光を浴びる事、気持ち良い雰囲気の中で静かに過ごす事、畑に集まる面白い虫やトカゲを観察できる事、などの複合による作用は、本当に心をウキウキにしてくれる。野菜は食べるだけが楽しみではないのですね。

↑採っても採っても全然減らない。全然美味しい。

こうなると毎日がサラダ記念日なのである。ちなみにサラダばかり食べていて飽きないの?と思う向きもあろうが、私は家ではベジタリアンというかヴィーガン※をやっていて、野菜大好きなのであり、毎回ドレッシングを変えたりキヌアや豆など合わせるものを変えたりすれば、何の問題もなく毎日サラダどんとこいなのである。また、サラダうどんやベジタコライス、レタスチャーハンなど炭水化物とのマリアージュも可能性が広がっている。そしてやわらかなサンチュに少しほろ苦いルッコラ、そしてシャキシャキの二十日大根の組み合わせはちょうどよいハーモニーで、8月に入りトウが立っておしまいになるまでの長きの間ときめきの採れたてサラダ生活が続いたのでした。と締めくくりたいところだが、なんとサンチュは秋播きもできるのである。さて、また秋に向けて種を蒔かねば。るんるん。

⭐︎サンチュ 素人栽培難易度・・・低、夜型人間フレンドリー度・・・高

⭐︎二十日大根 素人栽培難易度・・・低、夜型人間フレンドリー度・・・高

⭐︎ロケット 素人栽培難易度・・・低、夜型人間フレンドリー度・・・高



※ちなみにベジタリアン、ヴィーガンって葉っぱしか食べないの?と疑問をよく持たれますが、実際には餃子とかラーメンとかも肉を使わないレシピで食べたりするだけですし、豆と炭水化物ももりもりとっていますね。カーボンダイエットとは真逆の方向かもしれない。まあその割には、痩せも太りも特段健康にも不健康にもリッチにも貧乏にもならず、普通にホメオスタシスなので劇的に面白い変化などはないです。最近は大豆ミートなどが発達していて、面白いですよ。


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