2004年02月13日(金)

 真夜中、自分の絶叫で目を覚ます。「あんたらなんてみんな踏み潰してやる、嬲り殺してやる」。確かにそれは自分が言ったのだろうが、私は信じられずしばし呆然とする。一体どうしてこんな声が出たんだろう。小さな枕元の灯りは天井までは照らさず、そこにはうっすらとした闇が横たわっている。でもそれさえ現実のものとは思えぬほど驚いている自分がいた。そしてはっと気づいて横を見る。娘の顔は半分毛布に埋もれたまま。でも、何かいやな予感がして、毛布をそっと引いてみる。
 そこには、やはり、彼女の見開いた眼があった。怯え以外の何者でもない色に真ん丸く見開かれた眼は、私に見つかることを恐れるようにそこに在った。あぁなんてことをしてしまったんだろう。私は、恐怖で凍りついた彼女を咄嗟に抱きしめる。ごめんね、ごめんね、ママ夢見てたの、あぁこのことじゃないのよ、あぁこのこと言ったんじゃないのよ、ごめんね、ごめんね。しばらくして彼女は声を上げて泣き出す。どれほど恐かっただろう、自己嫌悪なんて言葉じゃ表現しきれない思いがどくどくと私の内奥に渦巻く。朝までずっと、彼女の小さな体を抱いて眠る。

ここから先は

1,684字
クリシュナムルティの日記やメイ・サートンの日記から深く深く影響を受けました。紆余曲折ありすぎの日々を乗り越えてくるのに、クリシュナムルティや長田弘、メイ・サートンらの言葉は私の支えでした。この日記はひたすらに世界と「私」とを見つめる眼を通して描かれています。

世界と自分とを、見つめ続けた「私」の日々綴り。陽光注ぎ溢れる日もあれば暗い部屋の隅膝を抱える日もあり。そんな日々を淡々と見つめ綴る。

よかったらサポートお願いいたします。いただいたサポートは、写真家および言葉紡ぎ屋としての活動費あるいは私の一息つくための珈琲代として使わせていただきます・・・!