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みやさんとの夏の日

去年の夏、佐賀まで出かけた。絵描きのサバイバーであるみやこさんを撮影した。
みやさんは、小林茂監督の親しいお友達だ。小林茂監督が昔週刊金曜日に連載されていた私による記事を見つけてみやさんにそれを伝えてくれた。その縁で、彼女は当時私が為していた相談電話に繰り返し電話してきてくれていた。
でも会うのは。この時が初めてで。
会った瞬間、ああ、この人の人生はどれだけ重くしんどかったろう、という思いがこみ上げて思い切りハグしてしまった。
病気や薬のせいで体のあちこちがぼろぼろで。顔の半分も麻痺していて、だからストローじゃなくちゃ水さえ飲めなくて。そんな彼女のマニキュアを塗った手指はとても美しく女性らしい線を描いていて。
毎日毎日死にたい死にたいと繰り返し言っていて、でもなぜだろう私は、彼女の背後から死にたいという言葉と正反対の、生きたいという気配を感じずにはいられなかったのだ。
そうそう、小林監督とみやさんが喋ってる時息子がすぐそばに座り込んで、まるでわかったような顔をしていたことが思い出される。

みやさん、元気でいますか。今どうしてますか。雨大丈夫ですか。風大丈夫ですか。
私は元気でいます。
また、いつか会いましょう。

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