2003年12月15日(月)

 虫だ、虫がいる、今夜も。
 私は布団の中横たわり、彼らをじっと見つめている。
 視界の左方がざわめくので、目の玉を動かしてみる。すると、壁と天井とが作る角境から、虫がどんどん産まれてくるところが見える。あぁ、虫が、虫が増えてゆく。
 やがて天井を埋め尽くすほどに増えた虫たち。それぞれ好き勝手に蠢いている。そうしている間にも虫は、増殖し続けている。
 おかしなもので、私はこの状態に少しずつ慣れてゆく。最初の頃の驚愕は、もう殆ど掻き消され、今私の中に在るのは、諦観にも似た、まさに淡々とした何者かだ。

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クリシュナムルティの日記やメイ・サートンの日記から深く深く影響を受けました。紆余曲折ありすぎの日々を乗り越えてくるのに、クリシュナムルティや長田弘、メイ・サートンらの言葉は私の支えでした。この日記はひたすらに世界と「私」とを見つめる眼を通して描かれています。

世界と自分とを、見つめ続けた「私」の日々綴り。陽光注ぎ溢れる日もあれば暗い部屋の隅膝を抱える日もあり。そんな日々を淡々と見つめ綴る。

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