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見つめる日々

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世界と自分とを、見つめ続けた「私」の日々綴り。陽光注ぎ溢れる日もあれば暗い部屋の隅膝を抱える日もあり。そんな日々を淡々と見つめ綴る。
クリシュナムルティの日記やメイ・サートンの日記から深く深く影響を受けました。紆余曲折ありすぎの日々…
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2020年7月の記事一覧

2005年03月19日(土)

 目を覚ますと、すぐそばに娘の顔。起こさないようにそっと寝床を抜け出す。カーテンを持ち上…

2005年03月18日(金)

 まるでもう四月か五月かと思えるような日差しと風。私は埋立地の端っこ、真新しいベンチに座…

2005年03月17日(木)

 午前四時過ぎ。なかなか訪れてくれない眠気に痺れを切らして、せめて横にくらいはなっておこ…

2005年03月16日(水)

 仕事に呼ばれ出掛けてきたものの、胸の辺りがもやもやしてたまらない。椅子に座っているのが…

2005年03月15日(火)

 すっきりと晴れ上がった空。鴎が渡ってゆく。歩きながら何度も立ち止まり、私は空を見上げる…

2005年03月14日(月)

 空は透き通るような勿忘草色。見上げるほど自分まで透明になってゆくような気がする。雲はゆ…

2005年03月13日(日)

 目を覚まして時計を見たとき、呆然とした。こんなに眠ってしまったのはどのくらいぶりだろう。それでもまだ、体は眠りを欲している、私は、布団にさらに沈み込もうとする体を無理矢理引き剥がして起きあがる。済ませなければならないことがたくさんある。一口パンを齧り、薬を飲む。またパニックでも起こして済ませるべき用事を忘れてしまわないように、一応紙に書いて、冷蔵庫に貼りつけておく。  溜まっていた洗濯物を干しながら、私は足元のプランターを何度も覗き込む。アネモネの葉の群れの中から、二つの蕾

2005年03月12日(土)

 母の庭でかいだ沈丁花の香りが頭の中をぐるぐる回る。沈丁花の香りに押されて梅の花は儚さば…

2005年03月11日(金)

 音もなく雨が降り出す。少しずつ薄れてゆく闇。夜は終わりを告げ、新しい朝が始まる。けれど…

2005年03月10日(木)

 込み合う電車、扉に体をぴったりくっつけて電車が自分の降りる駅に着くのをひたすら待つ。扉…

2005年03月09日(水)

 日が傾くにつれ空を覆う雲が多くなってゆく。この分だと夕日を見ることは叶わないかもしれな…

2005年03月08日(火)

 保育園の入り口、娘とたくさんのキスをして別れる。私は自転車に乗って川沿いを走る。この川…

2005年03月07日(月)

 瞬く間に月曜日がやってくる。一体この一週間、私は何をしていたのだろう。ぼんやりした頭を…

2005年03月06日(日)

 まるでそれは予め決められていたことのように、雪が降る、雪が、降る。一途に空から舞い降りて来る雪の中、大叔母は眠っている。余計なものは全て排除したような白い景色の中、私たちは大叔母の元に集う。  真新しいクリーム色の家の周りを、枝葉をすっかり落とした裸の樹々が取り囲んでいる。新しいこの家で、大叔母と大叔父とH兄夫婦はこれから暮らすはずだった。でも、この家が建ち、大叔母はこの家に荷物を運び込んだものの、たった数日しかいることはできなかった。自分の部屋に入ったのはただの一度、あと