脆さと感情と。
“僕らはそのぐらい脆く不確かで”。
King Gnuの“the hole”という歌に出てくるこの言葉がずっと、頭の片隅に残っている。
たぶんこれが真実だとしたら、少し救われるような気がするから。
◇
ずっと自分の弱さが嫌いだった。
なんでこんなに打たれ弱いんだろう
なんでささいなことですぐに落ち込んでしまうんだろう
なんで他のひとみたいにもっと強くなれないんだろう
そんなことをずっと考えたりして、もっと強くならないといけないのに、って自分を責めたりもした。
でも最近気がついたのは、なにを言われても、なにを向けられてもびくともしない、そんな強い人間なんていないってこと。
もちろん努力すればいわゆるタフで強い人間になれるかもしれないけど、でも人間が持ってる根本的な弱さはきっと消せない。
だって根本的に人間は脆くて不確かなものなのかもしれないから。それがイコール人間の定義なんだとしたら、不必要に自分のことを責めることも少しは減るかもしれない。少なくともこの言葉がわたしに、ああ自分だけが変に弱いんじゃないんだなって思わせてくれたから。
そもそも人は弱くて、ときには誰かの手にすがらなければ生きていけない生き物。
すがっていたなにかを失えば一瞬で自分が砕け散ってしまうような気がするし、もう生きていけないような錯覚に陥ることだってあるかもしれない。
でもそんなふうに思ってしまうのは人として生きていく以上持って当然の苦しみで(そもそも生存本能にも関わることだしね)。
だからこれから先も色んな負の感情と戦っていくことになるだろうけど、そんなもんだよねって気楽に構えられる人間になりたい。
とりあえずおばあちゃんになるころには多少なりとも気持ちは図太くなってるはずだからそれを楽しみにしていよう。笑
◇
最後に、このthe holeという歌についても少しだけ書いておきたい。
PVを初めて見た感想を一言で表すと、すごく切なかった。これに尽きる。
うまく言葉にすることができないけど、主人公の男性がひとりの女性と男性との間でもがいてる姿は見ていて本当に胸が苦しくなった。少なくともわたしは連続でこのPVは見られない。人間の脆さがすごく顕著に表されていて、その脆さが主人公の男性自身や周りのひとを傷つけていく様は本当に胸にくるものがあったから。
たぶん主人公の男性が抱くふたりへの愛は種類が違うもので、男性にとってはまったく別物の愛なんだと思う。それでも恋愛感情は世間的には一種類しか存在しないから、恋人がいるのに他のひとと付き合うことはいわゆる浮気と呼ばれ、悪いものだって言われている。(お互い同意のあるポリアモリーの方とかは別として)
だから男性も、愛の種類が違うにしろ同時にふたりと関係を持っていることへの罪悪感を抱えている。けど感情なんてそんな簡単に消せるはずもなくて。その葛藤がすごく苦しいだろうなと思った。
なんだろうな。わたしは浮気を肯定してる訳ではないけど、気持ちって自分の意志とはお構いなく生じるものだから、感じてしまったものはもう仕方がないとそうは思う。だって気持ち、特に恋愛感情って一番扱いきれないものなんだから。そこから先の選択は責任を100%持たなきゃいけないけど。
だから基本的には感情に良い悪いとかはなくて、だから弱いとか強いとかそんなふうにくくれないし、愛って一筋縄ではいかないよな、って。この歌を聴いてそう思った。
感情論だからほんとに難しい問題だけど…
あ、あとやっぱり、脆さのあるひとってなんとなく色気みたいなのがあるなあって思った、なんとなく。儚い雰囲気が出てるからかな。たぶん。
◇
なんだかごっちゃになってしまいましたが、わたしは脆さをうまく武器にしながらこれからも生きていきたいなと思います。(下手っぴなまとめ方でごめんなさい)
終わり。
最後までお読みいただきありがとうございます✽ふと思い出したときにまた立ち寄っていただけるとうれしいです。