見出し画像

同じ時間を共有するということ

2020年4月29日。今日は祝日。これまでの祝日といえばイベント出演などで慌ただしく動きまわっていた日々が嘘のように、緊急事態宣言が出てからは自宅でしか仕事をしていない。

今朝はオンラインレッスンの配信日だった。配信アプリを使って、これまでのイベントと同等かそれ以上の人数とヨガの時間を共有する。既に4週に渡って開催してきたけれど、個人的にはわりと気に入っている。

私がオンラインレッスンを始めるに至った理由はすごくシンプルだ。こんな状況だけれど、どんな人にも心身共に健康でいてほしい。そのために私の持っているものを役立てるとしたら、やっぱりヨガだと思うから。

今、この状況で多くの人がストレスを抱えている。こういう時に、私はこれまで会ってきた生徒さんたちやあらゆる友人たちの顔が浮かぶ。さらに、この状況でも出勤せざるを得ない人々や、心身共に疲れている見知らぬ誰かのことも想像せずにはいられない。人との接触を避けるよう呼びかけられる今、一人暮らしだったり、ワンオペ育児や介護をしていたり、家庭に居場所がない人はどうしているのだろうか。人ができることには限界があり、これは私の手が及ばないことだと頭ではわかりながらも、やはり考えてしまう。

だから、ヨガレッスンを配信する。YouTubeチャンネルがあるにも関わらず、あえてリアルタイムに顔が見えるミーティングアプリでレッスンを開催している。

私をよく知る人も、初めての人もそこに垣根はなく、時間になって集まってみると多くの人の気配を感じられる。一緒にヨガをすると、体だけではなく気持ちもすっきりして、なんだか少しだけ元気がでた気がする。チャットを見る限りでは同じ時間を共有した人たちも、どうやら同じ気持ちらしいとわかる。少しほっとして、日常に戻るとその日はいつもより少しだけ明るい気持ちで過ごせて、ぐっすりと眠れる。そこまでをイメージして、ささやかだけど、私にできることとしては上々ではないかと思って始めた。

オンラインレッスンを始めてそろそろ1ヶ月が経とうとしている。私のもとには、多くの感想が寄せられるようになった。色々な状況で辛かった人たちが癒されて少しづつ元気になっていく過程をそっと語ってくれる。人間の生きる力の強さを思う。私は、なににも代えられないものをもらっていることに毎日どきどきしている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?