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欠損記念日のおもひで

今日は、我々夫婦のある記念日。


7年前の今日、婚姻届をだして、その一年後の同じ日に結婚式を挙げました。

婚姻届を出した日と結婚式を挙げた日が同じなのは、単なる偶然。全く狙ってません。

そもそも、この4月24日という日付も、特に思い入れはありませんでした。



失業保険をもらう関係で、早く籍を入れた方がいいということがわかって、書類をかき集め慌てて籍を入れたら、この日になったまでのこと。


結婚式も、同じくあまり思い入れはなく。笑


わたしは元々、面倒だから式なんかあげたくないと思っていたのですが、お姑さんがせっかくだからと言うので、友人も呼ばず、親戚だけの小さな式を行いました。

それでも、やるとやらないじゃ全然ちがうもので。

白無垢を着て、神社で祝詞をあげ、神様の前で誓いをたてると、気分もピリッとします。

先々のことはわからないけれど、私はこの人と一緒に生きていくんだと思うと、やはり感慨深いものがありました。


小雨の降る中ではありましたが、滞りなく神社での式は終わり、今度は近くのホテルで披露宴。

披露宴といっても、かしこまったものではなく、みんなでご飯を食べてまったりするのがメイン。料理も美味しく、和やかな時間が過ぎました。


「やっぱり結婚式、やってよかったな…」



しみじみしながら、帰路に着こうと荷物をまとめて車に乗り込もうとした矢先、


バンッッと鈍い音。そして、



「にぃちゃん、何してくれてん!」



およそ式場の駐車場には似つかわしくない怒号が響きわたり、その場の空気が凍りつきました。
結婚式挙げたてほやほやの私の気持ちは、まさに瞬間冷凍。


なんと、今日のもう一人の主役である夫が、車のドアをあけた勢いがよすぎて、隣の車にぶつけてしまったのです。

車の持ち主は、ゴリゴリのコワモテのおじさま。もちろん相手がどんな方でもぶつけてはダメですが、よりによって、なんでこんなコワそうな人の車に!


「車に傷がついたやろ!何してくれたんや!」


「すみません!」


とにかく平謝りする夫。


荷物を運ぶのに一緒についてきてくれた式場のスタッフさんも、目を伏せて見ないふり。
助けてよ〜!泣 と言いたいとこですが、そりゃ関わりたくないですよね。怖いもん。  

もう、とにかくおさまってくれ!修理費用でも何でも払いますから! 

わたしは車の向こう側で祈るように夫を見守っていました。




この状況では、あまり説得力がないのですが、夫はこういう、うっかりミスはあまりしない人なのです。

お店で水をこぼすとか、グラスを割るとか、何かやらかすのは基本的に私。

人の役割を奪わないでおくれよ!
(そんな役割いらない)


結婚式という、人生でまたとない特別な日に、あろうことかコワイ人の車に傷をつけるなんて。

うちの夫、持ってるわ〜 (違うって)


平謝りする夫の情けない姿に落胆して、離婚したりでもしたら、成田離婚より早い、式場離婚だな。


…などと、くだらないことなら、いくらでも思いつくくらい動揺していた私。

その後、そこまで傷が深くなかったのか、ぶつぶつ言いながらも、おじさまは引き下がってくれて、夫は事なきを得ました。


はぁぁ〜〜〜



その車が去ると、我々夫婦は、膝から崩れ落ち。マジで肝を冷やしました。


これで、一生忘れない欠損(結婚)記念日になったよ!!!




それ以来、夫婦でドライブによく行きますが、混み合う駐車場に車を停めたときはいつも、  

「隣に車があるから気をつけてね」

と、夫が言うようになりました。


それを聞いて、私は思うのです。 



「お前もな…」




しかし、夫と結婚して、一度でも自分の人生が損なわれた、と思ったことはありません。と、付け加えておこう。笑



おあとがよろしいようで!m(_ _)m











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