じゃがいもの何気ない話
冬は、じゃがいも。
無骨な見た目に反した、ほくほくの食感、優しい甘さ。主役にも脇役にもなれる、オールラウンダー。地味だけど、きらりと光る技が冴えます。
ほくほくのじゃがいもが入ったシチューを食べるために、冬の寒い日があるのだと、私は思います。
そんなじゃがいもについて、どうしても忘れらないエピソードがあります。
それは、中学生の頃の、
家庭科の先生がしてくれた話です。
内容は大体こんな感じ。
めちゃくちゃ要約すればこんな話だったのですが、
当時私のは、特別、家庭科が好きというわけでもなければ、その先生が好きだったわけでもないのです。
その証拠(?)に、今その先生の顔や名前を思い出そうとしても、全く思い出せない。
はっきり言ってしまえば、恩師でもなんでもない人です。
それなのに20年以上経っても、先生が話した、その話だけが忘れられないんです。
じゃがいもで不治の病の癌が治るの!?という衝撃がすごかったですし、
(当時はまだまだ、癌=治らない病気というイメージが強かった)
生のじゃがいもを食べるというインパクトが強すぎたのだと思います。
(ま、不味そう)
でも、その先生に今会ったとしたら、多分
「私そんな話したっけ?」
とか言われそうですよね〜
20年以上前の話ですし、おぼろげな部分もありますから、生のじゃがいもで癌が治る、その真偽はさておいて…
誰かが言った何気ない一言がずっと心に残ったり、軽い気持ちで褒めたら、それを相手がずっと覚えててくれたり、ということがあります。
料理も同じで、何気なく作った料理や、気負わないふだんの料理、なんてことない料理が、すごく美味しかったり、相手の胃袋をつかんだり、するのですよね。
なぜ私がこんなことを書いてるのかといえば、
家族にフライドポテトをリクエストされたから。
有元葉子さんの「レシピを見ないで、作れるようになりましょう」という本に、フライドポテトの素晴らしいレシピが載っていて、私は毎回その作り方で、フライドポテトを作ります。
じゃがいもを揚げただけのなんてことない料理が、また食べたいと思われる味なんだよな。
そんなことをしみじみ思いつつ、
あの家庭科の先生、なんて名前だったっけ?
思い出そうとしても、うーん、やっぱり全く思い出せないのでした。
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