食いしん坊の戯言
外食の回数は減ったけれど、自分で料理をするようになって、美味しいものはなんなのかよく考える。
お店で食べる料理はよっぽどのことがない限り不味いことはない。でも、また食べたいかどうかは、また別の話だ。
この間行った店は、家庭的な雰囲気の町の洋食屋で、美味しそうなものが出てきそうな予感はした。
私は「海の幸のドリア」を頼んだ。
待つこと15分、美味しそうなドリアが運ばれた。量もたっぷりで、メニューには書いてない、スープもついてきた。
さっそくアツアツを頬張る。なめらかなホワイトソースは味も濃すぎず、具材のからみもよい。
具材は黄パプリカに赤パプリカに、ブロッコリー、、アスパラ??
よくみると、野菜ばかりが目立っている。
これは海の幸のドリアではなかったっけ?
どんどん食べ進めると、もうしわけ程度に小さなアサリやイカやエビが入っている。野菜に比べて存在感が薄い…
味が不味いわけではないけど、これを「海の幸のドリア」と呼ぶのは、なんだかもやもやした。
「海の幸」につられて注文したのに、明らかに魚介より野菜が多いなんて。
これは、海の幸のドリアじゃない。「野菜のドリア」だろう!メニューに「野菜のドリア」って書いてあったら、素直に美味しいってに思ったのになぁ。
そんな気持ちが湧いてきた。
スーパーに行けば様々な食材が手に入り、便利な調理家電が進化を遂げた今、家で作れないものはなくなりつつある。
それでも、わざわざお店で食事をするのは人それぞれ理由があるだろうが、わたしは、ワクワク感を求めているところが大きい。
メニューを見て、選んで、実際に料理が出てくるまでの期待と、出てきた料理を食べたときの感動。
それなのに、期待だけさせておいて、実際の料理でガッカリさせるなんて、こんなに悲しいことはない。
そして、こういうガッカリエピソードは世の中に沢山溢れているんだろうけど、食べ物のおいしさ、種類の豊富さにかけては日本は世界でもトップレベルなんだから、ごまかしはせずに、素直に美味しいものを提供していってほしいなぁと思う。
素直に、野菜のドリア、だったら、あの店を好きになっていたのにな。
外でご飯を食べるのが好きな、食い意地の張った人間の戯言でした。
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