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可能性という名のまやかし

「若いっていいね〜」
若い頃、年上の人に言われたことがある。今は逆に大学生を見て、同じことを思う自分がいる。理由はタイトルにもある「可能性」、これだ。しかし当時から思っていたが、それ程良いものだろうかと近頃考える。以下、理由を述べていく。

物事を始めるのは、何でも若い方が良い。吸収力も高いし選べる範囲も広がる。他にも時間がある、背負うものが少ない、等良いことだらけではないかと思う。何が問題か、それは

実現不可能な部分が入っている

ということだ。人にはそれぞれ、「適性」というものがある。これを考えずに一括りに「可能性」と言っているなら、それは違うと考える。将来就きたい職業があって勉強したけど、実は実際やってみたら全く合わなかった。結婚に向かないのに結婚してしまった。子育てに向かないのに子供を産んでしまった。などなど。だから実際「可能性」は無限に広がるような響きの言葉だが、実は実現可能な部分は結構限られているのである。個人差はあるが、オールラウンダーの様な人は少数だろう。正しく言うなら、「同じ人間が、歳を重ねた時よりは若い時の方が選択肢が多い」だと思う。他に良い点としてはやり直しがしやすいことだ。

自分に合わないことをする・続けるのは本人にとっても周りにとっても不幸だ。極論で言うと「お金が貰えなくても、この仕事や生き方がしたい」と思えるものを続けられる人は、ある意味一番幸せに感じる。

でもそもそも、そんな「自由や権利」がない人達は世界を見渡せば沢山いる。他人と比べて幸せを感じるのも善し悪しがあるが、人は失った時初めてその有難みを感じるという。与えられていて当たり前ではないことを時には思い出したい。


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