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ヒルデガルトの症状ミニ辞典~頭痛編~

いつも読んでいただき
ありがとうございます。
管理人のさおりんです。


中世の時代に修道女で
医学や作曲、薬草など幅広い知識を
信仰と共に教えていたヒルデガルト
という方が症状別によって
説明しているのでご紹介します。


今回は、頭痛についてです。


【頭痛】
この痛みは、現れ方も継続時間も
様々です。
原因もまた、過労、首の筋肉の緊張、
視覚障害、ホルモンバランスの崩れ、
頭部だけとは限らない疾患などあります。


激しい痛みが長く続く場合や、
頻繁に起こる時は、必ず医師の診察を
受けて、原因を明らかにしましょう。


頭痛薬は緊急用に作られているので、
常用は避けてください。


ヒルデガルトは、頭痛の多くは、
黒胆汁に影響を与える発熱性の疾患に
よるものだと考えられていました。


頭痛の片側が激しく痛む偏頭痛も、
黒胆汁と体内にあるあらゆる悪い体液
に起因するものとしています。


治療法として勧めているのは
・セイヨウナシ入りハチミツ
・セージとオレガノの湿布
・ヨーロッパモミの軟膏
・乳香
です。
  
  
《セイヨウナシ入りハチミツ》

セイヨウナシ 
Pirus communis/Birnbaum
リンゴと並んでドイツで
最も好まれている果物です。


現在栽培されているセイヨウナシは
先史時代から食されていた自生種
Pyrus pyrasterがもとになっています。


ナシはホメロスの「オデュッセイア」
にも登場しますし、ローマの博物学者
である大プリニウス(23~79年)は
すでに36種類を数えていました。


セイヨウナシには利尿作用があり、
わずかですが下剤のはたらきと
鎮静作用があります。


さらに、軽い発熱と高血圧を下げる
はたらきもあります。


ヒルデガルトにとっては、
セイヨウナシとハチミツと数種のハーブ
で作ったナシ入りハチミツが、
偏頭痛の重要な薬でした。


セイヨウナシ入りハチミツ
・セイヨウナシ 5個
・ハチミツ 250g
・ベアヴルツ(Meum athamanticum)せり科
粉末 30g
・コウリョウキョウ粉末 25g
・ストーンクロップ(Sedum acre)
粉末 15g


セイヨウナシは洗って4等分し、
芯や種は取り除き、水に入れて
柔らかくなるまで煮ます。


お湯を捨て、
裏ごししてピューレにします。
ハチミツを湯煎します。
ピューレをかき混ぜながら
ハーブの粉末を加えて混ぜ合わせます。


このセイヨウナシ入りハチミツを朝、
胃が空の状態で大さじ1杯、昼食後に2杯、
夜寝る前に3杯摂ります。


セイヨウナシは健康的で美味しい食事
にもなります。

《セージとオレガノ湿布》

オレガノ 
Origanum vulgare/Dost
マージョラム種はしそ科で、
東地中海地域を原産とする6種があります。
毛に被われた草本または亜低木で、
花は球状の穂状花序です。
最もよく知られているのは白い花が咲く、
ワイルドマージョラムのオレガノでしょう。


とくに葉の腺には精油成分が含まれていて
スパイスとして(とくにソーセージに)風味
付けに使われますが、
ギリシャやローマ時代からすでに、
肉料理のスパイスとして
利用されていました。


ドイツで栽培されるようになったのは、
中世の末期になってからで当時の薬草学
では多方面で仕える万能薬
とされていました。


民間療法では現在も使われています。
多くのハーブティーにブレンドされて、
胃や腸の疝痛に、去痰や発汗作用がある
ことから風邪のときにも飲まれています。


オレガノの煎じ液を入れたお風呂は
明瞭に元気づけそのうえ
神経を強くします。


オレガノは最も効果的な鎮痛剤のひとつ
でもあります。
古代エジプトでは、
オシリス神に捧げられ、とくに宗教儀式
のための冠を作る時に使われていました。


強い芳香を放つことから、
南ドイツでは魔女の薬草とみなされ
オレガノが家にあれば、魔女や悪い夜
の妖精の仲間が退散すると言って、
お化けが怖い人はオレガノをベッドに
持ち込みました。


すでにギリシャやローマ時代から
悪魔祓いとして薫香に使われていました。


香りはタイムに近く、風味豊かなので、
キッチンハーブとしてもなくてはならない
重要なスパイスです。


スープやソースのほか、ロースト肉や
サラダも美味しくしてくれます。
中世の修道院で栽培されるようになって
以来、伝統的なソーセージのスパイス
として使われています。


セージとオレガノの湿布
この湿布はとくに、胃の不調からくる
頭痛に効果的です。
・セージ、オレガノ、フェンネルを
それぞれひとつかみ分
・ホアハウンド 3つかみ分


ハーブを圧搾して、その搾り汁に湿布用
の布を浸し、額にのせます。
生のハーブが手に入らない時はドライで
濃いお茶を入れ、冷ましてから同じよう
に使用します。


《ヨーロッパモミの軟膏》

ヨーロッパモミ 
Abies alba/Tanne シルバーファー
よくトウヒと混同されますが、
中央および南ヨーロッパの山地が
原産です。高さは50メートル以上、
樹齢は500年にもなります。


新石器時代にはすでに実用材として
利用されその後も建築材、桶、木彫り、
木工品に使われ、幹からは船のマスト
も作られました。
現在多いのはクリスマスツリーです。


昔から樹皮、樹枝、針葉、種が、
気道の病気、膀胱カタル、肝臓の疾患、
おりものなど、さまざまな病気の治療
に使われていました。


ヒルデガルトはヨーロッパモミを使った
調剤をとくに頭痛、胃の病、脾臓の病に
勧めています。


ヨーロッパモミの軟膏
・ヨーロッパモミの樹皮、針葉、
可能なら木部も少量 合わせて50g
・セージの葉 25g
・水 1/4L
・バター 75g


樹皮、針葉、木部は細かく刻み、
セージの葉も細かくします。
すべてとろ火で煮て、重いペースト状
にします。
かき混ぜながらバターを加えます。


出来上がった軟膏を布で濾して容器に
入れ、バターが腐らないように冷蔵庫
で保存します。


頭痛の時は1日に数回、
最初は心臓のあたり、それから額を
この軟膏を塗ってやさしくマッサージ
をします。


《ヒルデガルトの乳香パウダー》

乳香
Boswellia carterii/Weihrauchbaum
フランキンセンス/オリバナム
乳香は空気に触れて乾いたグミ樹脂で、
数種類のボスウェリア属からとれます。
ボスウェリア属はおもに東アフリカ、
アラビア半島、インドの乾燥した地域に
生育するカンラン科の低木で棘を持つ
灌木です。


乾燥した樹脂は
黄か赤または茶色みがかった粒で
常温ではほとんど匂いがしませんが、
炭にのせて加熱すると芳香を放ちます。


乳香からとられた精油は
香水やアロマテラピーなどでもよく
使われています。


乳香はすでに何千年も前から、
東洋の神々に捧げられ、
また、エジプト人は薬として、あるいは
高位者の死体の防腐処理に使用して
いました。


ミナー王国やシバ王国など、
南アラビアの民を豊かにした貴重な樹脂
は、アラビア半島のメッカ、メディナを
通り、エジプト、フェニキア、小アジア、
メソポタミア、地中海地方へと乳香の道
をたどって入ってきました。


新約聖書では乳香は没薬や金と並ぶ、
東方の3博士の貴重な贈り物です。
キリスト教の教会では4世紀の終わり頃
から、司祭の前で敬意を示すため、
教会の空気の浄化のために乳香が
使われています。


ヒルデガルトは乳香について
目を晴れやかにし、脳を浄化すると
記しているほか頭痛にも勧めています。


乳香パウダー
・乳香の粉末 大さじ1
・スペルト小麦の粉末 大さじ2
・卵白 1個分


乳香とスペルト小麦の粉末を卵白と
よく混ぜて、小さなクッキー形にします。
天日もしくはオーブンで軽く熱して乾燥
させます。頭が痛いときは匂いだけでも
かなり効き目があるから、このクッキー
の匂いを嗅ぐといいです。


ひどい頭痛のときは、左右のこめかみに
クッキーをおいてスカーフなどの布で
固定します。


ヒルデガルトは鼻水にも、脳を浄化る
ので乳香がよいと勧めています。
一番手軽にできるのは、乳香の線香を
焚くことです。


軽い頭痛には前腕の冷水浴も効きます。
自律訓練法には、額を冷やすための
トレーニングがあり、軽い頭痛の場合
はしばしば効果があります。


リラックスして座るか、または横になり
深く静かに呼吸して次のことばを瞑想
しながら唱えます。
「私の頭は快適でクールだ」


次回は、咳に効果がある対症療法
をご紹介していきます。


ここまで読んでいただき
ありがとうございました。
管理人のさおりんでした。

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この記事は
LGBTQのジェンダー種族や
ADHD・HSPなどの繊細敏感種族
いわゆる繊細感覚派の方々向けに
セルフメンテナンスする生き方の
ために「ヒルデガルトのハーブ療法」
から一部引用して紹介したものです。
ぜひ手に取って
読んでみてくださいね。

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