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嘘でもいいのよ

嘘でもいいから、信じたい言葉というのが女性にはあるのではないだろうか。

先日、私の取引先の会社の社員のかたで、「◯◯さん(私の本名)ってフェロモンがむんむんですね」と言ってくれた方がいたらしい。

同僚がそれを聞いてきて、面白そうに(失礼だな、オイ)報告してくれた。

一回なりとも、私とzoomなどでお話していただいた方は、わかっていただけるだろうが、決して私はそういうキャラではない。

美容体重ははるかにオーバーしているし、頑張っても、「明るく元気な人」「感じのいい人」「親しみやすい人」くらいが関の山。

職場での私の愛称は「◯◯営業所のお母さん」であり、

自分でもそのあたりが落ち着くラインである。

まあ、人の好みは十人十色、捨てる神あれば拾う神ありという。

私なんかでも生物的に微量なフェロモンは出てるかもしれないが、年頃の時期であっても今まで「むんむん」という形容詞はついたことはない。

おそらく、私の重量級で肉感的な(笑)感じを、なんとなく表現に困ったうえ、どうにか誉めてくれようといろんな包装紙にくるんでいただいた苦肉の策が、

「フェロモンむんむん」だったのだろうと予想する。

あ、なんか気を遣わせちゃったな、と最初は思ったのだが、だかしかし。

嘘でもいいのだ、と思い直した。

むんむんの気になって、ちゃんと肌の手入れをしよう。買ったまま、畳の上にひっくり返って転がっている美容ローラーをコロコロしよう。

むんむんの気になって、洋服のラインを気にしよう。カイロを腰にはるのはやめよう。

真実だろうがお世辞だろうが、そんなものはどちらでもいい。自分がスイッチをいれる材料にさせていただければいいのである。

そうすれば、いつかは本物のむんむんになれる日も近いかもしれない。

私は今日久々にちゃんとメイクをした。我ながら単純である。

ようはやる気の問題だ。

私は発信元の社員さんがいる方角へ手をあわせながら、ローラーを今日もコロコロするのであった。









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