見出し画像

ピリカ目線~車内で唄えば

自分がいまの仕事に就くまで、世の中のセールスマンはみんな、鋼のメンタルを持っていると思っていた。

やけにハイテンションな高い声で電話する。
派手な車で路上駐車する。
ムスク系の香水ぷんぷん。

みたいな、「繊細じゃない人」がやる職業だと思っていたのだが、中に入ってみたら全然違った。

営業に欠かせない「アポ取り」も、みんな自席で耳掻きでもしながら電話しているような想像をしていたのだが(失礼すぎ)、
実際は「電話が怖い」「断られるのが辛くてしんどい」「緊張して声が掠れる」などの声も多かった。
「電話する前にプロレスの動画を見る」
「キングダムを読む」
「辛いカレーを食べてから電話する」(攻撃性が増すらしい)など、
老いも若きも、いろんな方法でヒヨる心を鼓舞しながら電話しているのに驚いた。

私も、自慢じゃないがかなり小心である。

はじめての方に会いに行く時なんか、緊張してお腹の調子も悪くなる。
前夜からGoogleマップとにらめっこ。道筋を確認しないと落ち着かない。
待ち合わせがカフェの場合は「席が空いてなかったらどうしよう」と、約束の1時間前には到着し席を確保する。

民家に行く場合は、ルートのほか時間調整スポット、トイレスポットを確認。実際行き着いたとしても表札が出ていなかったり、マップの写真と家の外観が違ったり。
心臓がどきどきはち切れそうになって、ようやく家のチャイムを押すときには、もう冷や汗だらだらなのだ。

田舎道は舗装されてない道路もよくある。
マップの通りに進んだがまるでけもの道、ということも。

ほんと、知らない土地の運転は心臓に悪い。

そんな私の緊張緩和法は、車内で大声で歌うことである。

口ずさむ、くらいでは足らない。
もう舞台で朗々と歌い上げるくらいの声量でないと、緊張はほぐれないのである。 
曲は決まって、King Gnuの「飛行艇」。
誰にも迷惑はかけないし、お金もかからない。

だが、誰かに見られていたらめちゃくちゃ恥ずかしいのがデメリットである。
あと、警察に止められた時ね。

明日も土地勘のないところに行かねばならない。う~ん、お腹がぐるぐるしてきたぞ。

よかったらみなさんの緊張緩和策を教えてほしい。ほんとに。







ピリカグランプリの賞金に充てさせていただきます。 お気持ち、ありがとうございます!