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おそるおそるの子育て支援センター

最近、子どもがつかまり立ちとつたい歩きを習得し、明らかに行動範囲が広くなったので、子育て支援センターに顔を出してみることにした。

先日はプール開きのお知らせをわざわざ電話してくださったので、水着を着せたいのもあり行ってみた。すると、ひさしの中にちょうど良い水温のプチプールを設置し、中にはおもちゃまで浮かべてくれている。周りには簾がかけられ、カラフルな金魚の人形が吊るされて涼しげだ。長すぎると疲れるからと20〜30分の時間管理までしてくれ、プールから上がったら片付けもせずにクーラーのきいた部屋で軽く遊んで帰ることができた。わりといつもアテンド側にいることが多く、イベントをしても準備や片付けが当たり前の生活をしていたので、なんてらくちんなんだと感動した。さらに、午前中のプールで疲れたのか、帰ったら子どもはぐっすりとお昼寝してくれ、ゆっくりコーヒーなど飲みながらたまっていた自分の仕事をやることができた。子どもにも、ON/OFFの切り替えが大切なのかもしれない。そう思うと、いつも子どもに我慢ばかりさせていた気がしてきて、反省する。よし、もうちょっと子育て支援センターを利用してメリハリ生活だ。そんな具合で、また顔を出してみることにした。

今日は七夕のイベントがあり5組ほどの赤ちゃんと親が集まっていた。お父さんが二人も参加していて、素晴らしいなと思う。先生らしき人が手遊びを教えてくれる。最近音に興味が出て来たので、こういうのはありがたい。次に、自己紹介。皆、子どもの名前と月齢のみ紹介していく。これはすごく違和感を感じた。ここは子どものための場所だから、私は「○○ちゃんのママ」としてしか存在しないのだろうか。敢えて自分の名前も言えばよかったと、後になって思った。

七夕の紙芝居を見た後は、スタッフの方が用意してくれた工作を作る。全部パーツを準備してくれてあり、色を選んでちょっと貼る、顔を書く程度で七夕飾りが出来上がる。毎回思うけど、こういう準備にすごく手が込んでいる。一体誰が作るのだろう。その後は、自由時間で子ども達がおもちゃで遊ぶのを見守る。うちの子はわりと成長が早く、同じような月齢のお母さんがいる前でつかまり立ちなどひょいとすると、若干気まづい空気になる。面倒なので、あまり会話はせずにぼんやり眺める方針に決めた。自分の子どもがよその子と並んでいる姿や、絡んでいる姿を見るのは楽しい。0歳児ながら、小さな小さな社会だ。声高にテンション高く歌いながら子どもと遊んでいるお母さんがうちの子とも上手に遊んでくれている。私はそれをやや遠くから口元に微笑を浮かべながら見守っていた。遊びってなんだろうな。こういう場は、まだちょっと苦手だ。なんだか気を遣ってとても疲れた。帰り際、先生に「今日は来てくれて本当にありがとうございました」と言われる。支援センターに来ることって本当にありがとう、て言われるようなことなのか?参加者が少ないからだろうか。なんだか、いまいち空気感が掴めない。

さあ、これで午後はたっぷり午睡……と思ったが、プールほど疲れなかったのか、今日は1時間も経たずに起きて泣き出した。ああそうか、と思いながら、ぎゅっと抱きあげると、私のTシャツの鎖骨のあたりに涙の跡が三つ、濃く滲みを作る。濡れた睫毛と潤んだ瞳をじっと見つめる。今日はおんなじ大きさの子と一緒に遊んで、緊張したけど楽しかったね。あなたと私、両方がハッピーなバランスを、もうちょっと試行錯誤してみることにするからね。

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