Apple Musicで聴けるジャズ : Generations - Gary Burton

https://www.amazon.co.jp/Generations-Gary-Burton/dp/B0001LYH0M

Julian Lage(gt)、灼熱の季節(とき)―――。

灼熱の季節っていうフレーズはピクル戦で覚醒して腕一本献上した愚地克己のパクリ(と思わせておいて実は「セスタス」のヌミディアの拳狼のパクリってことにしようかと一瞬考えたけどスベるの嫌だからやめた)なんだけど、あいつですら当時20歳のところこっちは17歳。なんだお前それいい加減にしろよ。1. First Impressionの時点ですでに堂々たる佇まいを見せており、「こいつは何か凄ぇことが始まるぞ」という期待と予感を煽るには十分。

リーダーのGary Burton(vib)はこういう若手の発掘に熱心で、彼が見出した多数のプレイヤーはそれぞれ良かったり良くなかったり売れたり売れなかったりしている。代表的なのはこの作品にも参加している小曽根真(pf)とか。

そもそもヴァイブラフォン(ビブラフォン)というのは楽器としてはマイナーで、理由もちょっと考えればわかるんだけど、ヴァイブができる奴は100%ピアノもできるし、ヴァイブ運搬するのがかなり大変なのに対してピアノはどこにでもある。要するにプレイヤーとしてやっていくためのコストが超高いので、必然的に生き残れる奴が少なく、その分残っている奴は超凄い。Garyもマレット両手に2本ずつ、4本使ってものすげえパフォーマンスとかしてるのをYoutubeなどで無限に観ることができます。

ついでに言うと彼はゲイを公言していて、おれはそれに関するジョークの10や20は軽く思いつくが、奴を尊敬しているのでそれを口にすることはない(素面の時は)。

Note2枚目にして早くも露呈したApple Musicの弱点

2. Earlyについてはまああなたの感じたことが全てで、要するにダサい(ターン・アラウンドのピアノは少しいい)のでどうでもいいんだが、3. GorgeousがApple Music上で聴けない。おそらく権利関係によるもので、ジャズ界では定番化している曲(スタンダードナンバー)でなくても、人の曲をカヴァーするということはごく当たり前に行われているが、これについてはアルバム発表の許可はあっても配信の許可はなかったものと思われる。他に8. The Titile Will Follow10. Heroes Sin Nombreが同じ状況だが、これらについては別段どうということもない平凡な出来なのでどうでもよく、Gorgeousだけが超名演なのですごく痛い。名演であるばかりか名曲なので誰かの盤で聴けるといいのだが。なおおれはアルバム持ってて余裕で聴けるので試してすらいない。

お前ら少しは遠慮しろ

4. Wheatlandを聴いておれはひっくり返った。小曽根真が自身のトリオ作品「Dear Oscar」(98年)で演奏したのと同じアレンジだったからだ。やばいと思ってクレジットを、見るまでもなくジャケに書いてあったのだが、James Genus(ba) , Clarence Penn(dr)ってこれ小曽根真 the trioのフルメンバーやんけ。そういや7. Test Of TimeもDear Oscarでやっとったやんけ。省エネか!とよくわからないツッコミを入れてみてもWheatlandはともかくTest Of Timeに関しては明らかにこっちのほうがいいのでフィフティ、手打ちになった。なお両方とも作曲はOscar Petersonという巨人(物理)です。

こうなるとEarlyがああなってしまったのもこいつらのせいでは?という疑惑は9. Ladies In Mercedesで確信に変わる。Clarence Penn大暴れ。マジでこいつはたまにぶち切れて意味の分からない暴走を決めることがあり、そのせいでむしろペンちゃんなどと呼ばれて親しまれたりもしているのだが、長年やってるトリオでならいざ知らず自分らのリーダーの恩師のアルバムでなんちゅう恐ろしいことを…ウウウだめじゃワシャ熱が上がってきた。


Gary Burtonはさらに翌年、「Next Generation」というアルバムを発表。

https://www.amazon.co.jp/Next-Generation-Gary-Burton/dp/B0007XBMGQ

ジャケを拡大してじっくり見てもらうとわかるんだけど、GaryとJulianを据え置きに、Pf , Ba , Drがそっくり別の人に入れ替わっている。


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