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結局、僕は耳からうどんを出したいだけだったのかもしれない

今日も元気に散財してますか?

人は人生のうちに、いったい幾つのイヤホンを買うのだろうか?
あなたは、今までの人生で幾つのイヤホンを買ったであろうか?

いきなりだが、僕はここ数ヶ月のうちに耳に装着する類の何かを数十個は買っている。もっと正直に言えば、毎年コンスタントに幾つものイヤホン、ヘッドホン、さらにはスピーカーなどを買っている気がする。

なぜそこまでイヤホンを買い続けるのか?

答えは簡単だ。「理想のイヤホンに出会えていなかった」からである。僕にとっての理想的なイヤホンの条件はこんな感じだ。

・ワイヤレス(今の時代は必須でしょう)
・じゃまにならない(装着時も使ってない時も)
・音質がそこそこ良い(値段で判断できないよね)
・ハイレゾは必要ない(そこまで聞き分けられない)
・完全密閉ではない(耳穴に刺すのは長時間使うと痛くなる)
・ノイキャンはどっちでもいい(こだわりはない)

iPodから始まったデジタルデータ全盛期からiPhoneに3.5mmイヤホンジャックがあった時代までは白いコードのイヤホンが大人気で、僕もたくさんの白いイヤホンを買ったと思う。ツイッターで「ダイソーのイヤホンが良いらしい」と聞いて、10個くらい買ってきてiTuensのイコライザをかたっぱしから試したものだ。

iPod以前のパソコンで音楽を扱えるようになる以前は、ウォークマンと名のつくカセットウォークマン、CDウォークマン、MDウォークマン、DATウォークマンやらで、これまた色々なヘッドホンを駆使していた。ヘッドホンつけて街を闊歩するのがカッコいいとは若気の至り極まりない感じであるが、当時の年齢と時代がそれを許してくれていたと思いたい。

中学の入学祝いに買ってもらったソニーのラジカセでFMをエアチェックしたり、DENONのステレオを持っていた兄にシングルレコードを録音してもらっていた甘酸っぱい青春の一コマを経て、CDが発売され音楽のデジタル化が一気に推し進められヒスノイズがない再生環境が出現した。さらにはMD(ミニディスク)で録音環境をも実現したのだ。僕はと言えば、当時の仕事の関係もありDATまで手を出してしまっていた。(記録媒体や44.1kHz的な音質についての話は別の機会に:)

首都圏に住み始めた僕は電車が主な移動手段だった。必然的にイヤホンやヘッドホンで音楽を聴きながら通勤することになる。

MP3プレーヤーが出現するまではカセットテープがメインだったこともあり、イヤホンよりもテープのグレードを上げることが音質向上のキモだと信じていた。値段の高いカセットテープに録音したら当時持っていたラジカセでも明らかに音が良くなった気がしていたのだ。

napstarやらwinampが出てきてMP3プレーヤーが普及し始めた当初は、音質よりも「曲のデジタルデータをどれだけ所有できるか」を競いながらDRMと戦う時代だった気がする。その名残か、いまだにソニーのデジタルプレーヤーと曲データの管理方法には嫌悪感さえ沸き起こる始末だ。

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iPodの出現

基本的にCDは買う派だった。ダンボール10箱以上はあるであろうコレクションを全てリッピングして保存する時間とHDD容量が確保できなかったため、新曲をオンラインでも買うと必ずDRMの問題が立ちはだかる。そこにMacとiPodの連携の良さと手軽さが相まって、少なくとも僕の中ではその他の選択肢は必然的に消えていってしまった。それでもiPodが発売されてからしばらくはやはりDRMと戦っていた気がする。

それはさて置き、今回はイヤホンの話だ。

僕はMac信者である。新しいiPodが発売されればモチのロンで買い替える。そのたびにイヤホンも自動的に新品になる。当時はそこまでこだわりがなかった。持っていたイヤホンやヘッドホンでもクリアなデジタル音が聞けていたので十分満足していたと思う。

いつだか正確に覚えていないが、純正のイヤホンを紛失したので、イヤホンを買うことにした。とりあえず大型量販店に行き1,000円くらいでPCパーツ界隈では名の知れたメーカーのイヤホンを適当に買ってみた。「イヤホンなんでどれもそんなに変わらないでしょ?」と思っていたのだ。

そのイヤホンをiPodにつないで再生して愕然とした。低音が出てなくペシャペシャだったのだ。自分の耳が悪くなったのか?と錯覚するような衝撃だった。その製品は見事にハズレだったのだ。

その瞬間から、僕のイヤホン放浪記が始まった。

当時も1万円以上する高級イヤホンがあふれていたと思うが、オーディオ沼の恐ろしさを知る僕は、そのクラスには手が出せなかった。出してはいけないと自分でリミッターをかけたのだ。1万円以上する高級イヤホンはいい音がするだろう。しかし失敗したら痛手だ。もっといいイヤホンが欲しくなるかも知れない。そう思うと手が出せなかったのだ。

そこでとった作戦は「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」だ。

おそらくトータルの出費は、高級イヤホンを買ったほうが安くつくだろう。満足度も段違いだと思う。しかし、3,000円くらいの価格帯を上限に複数のメーカーや製品をいくつも試して、その時いいなと思ったものをメインで使ったのだ。僕は飽き性だから飽きたらまたその価格帯でしばらく放浪する。イヤホンを買うことで散財した満足感も得られる。買い物ジャンキーにはもってこいの戦略だったのだ。

そうこうしているうちに時は流れ、iPodからiPodTouch、そしてiPhoneの時代がやってきた。そしていつしかiPhoneから3.5mmオーディオジャックがない時代に。iPhone 7に機種変してからしばらくは、付属の変換アダプタを使っていたのだが、これが不便で仕方ない。充電しながら有線イヤホンが使えないのである。

当初は2in1の変換アダプタを買ってみたりしたが、如何せん邪魔だ。これを使うのは電車の中とかポケモンgoで歩いてる時なので、充電しながらイヤホンつけてこのちょっとした四角い部分が邪魔で仕方なかった。しかもすぐに壊れて使えなくなったのだった。(お察しください:)

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ここから「イヤホン放浪記シーズン2」が幕を開ける。

とりあえず目についたワイヤータイプのワイヤレスイヤホン(なんじゃそりゃ)を買ってみる。こんなやつ↓

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ワイヤレスの便利さと不便さを思い知らされることになった。イヤホンとiPhoneを繋いでるケーブルがないだけで、電車の中での取り回しが格段に楽なのだ。引っ掛けてiPhone落下の心配しなくて良くなった。しかし、中途半端に首回りにまとわりつくケーブルが邪魔だ。このタイプは大体片側にスイッチが付いているので、バランスが悪い。スイッチが付いている方の耳からイヤホンが取れやすいのだ。

また、ワイヤレス特有のめんどくささとしてペアリングの不安定さに悩まされた。充電も面倒だ。micro USBケーブルを持ち歩くのも面倒だった。

それならばと、完全ワイヤレス型を物色。ちょうど良いタイミングでモバイルバッテリーでおなじみのcheeroからワイヤレスイヤホンが発売されるとのこと!数撃ちゃ当たる戦略よりも単価は高かったが、発売記念の割引価格で買える事とモバイルバッテリーで馴染みがある安心感から発売即ゲット!

完全ワイヤレス型の使用感として、コードがないのはやっぱり楽だ。かなり快適だ。この製品はかなり満足だった。しかし、バッテリーの重みの違和感がある。この違和感を拭うことはできなかった。その重みの分、耳が痛くなる周期が早くなり長時間の装着は厳しいと感じた。これらのトレードオフでメリットが勝てばメインになり得たかも知れない。(これは僕個人の耳穴の形と使い方に大きく依存する問題であり、この製品だけに対する感想ではないことはご理解ください:)

それからもあれやこれやと、例のダイソーイヤホン(これはピンジャック)や秋葉原で見かけた良さげなイヤホンを試し続けた。そう、まさしく散財である。イヤホンの屍を累々と積み上げ続ける日々だ。こんなやつとか↓

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そんな時、目を引く商品を見つけた。ソニーからベンチャーとして飛び出した「ambie」だ。

これまた数撃ちゃ当たる戦略から大きく予算オーバーだが、先人のレビューを読む限りでは非常に良さそうだ。何と言っても耳を塞がないのが気に入った。上にも書いたが、ソニー製品はミュージックプレーヤー以外であれば購入に躊躇はしない主義である。ambieは、ピンジャック版とワイヤレス版がありピンジャック版は安いので早速ゲット。(それでも大幅予算オーバー:)

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ambieは実に快適な新しい体験だった。周りの騒音含めて一切を遮断することなくBGMが自分だけに聞こえているのだ。何を言っているかわからないかと思うが、これはambieを使ってみないとわからないと思う。心配になるくらいの音量で音楽を流しても、オフィスの隣の席には全く音漏れしていないのだ。それでいて普通に会話ができる。話しかけられても普通に聞こえるのだ。何を言っているかわからないかと思うが、これはambieを使ってみないとわからないと思う。(大事なことなので2度言った!)

使用感、体験感は限りなく理想に近かった。一軍スタメンも夢ではなかった。だが、自分的に一つだけ超絶不可避な問題があった。ambieの構造上、イヤホン本体とイヤーピースが取り外せるようになっているのだが、これが問題だった。

耳に装着する際、ズレるのだ。装着に慣れてきてもイヤーピースが外れてしまうし回ってしまうのだ。しかも、耳から外してポケットに直接入れようものなら確実にイヤーピースがはずれて迷子になってしまう。何を言っているかわからないかと思うが、これはambieを使ってみないとわからないと思う。(大事なことなので3度目:)これさえなければワイヤレス版を買って一軍スタメン4番打者だったはずだ。全てはガサツな僕が悪いのかもしれないのだが。。。

この後、なぜかiPod 3thをヤフオクで落としてみたりiPodのパーツを楽天でゲットしてニコイチしてみたり。そうこうしているうちにwish.comと出会ったのである。まさしく衝撃の出会いだ。数ヶ月前の話だ。

wish.comの何にハマったかというと、とにかく安い(かもしれない)、とにかく怪しい made in CHINA 感満載なのである。よく吟味して注意深く物色しないと大損してしまう。さすがは生き馬の目を抜くチャイナクオリティーである。しかし、その怪しさがまた食欲をそそるのだ。配送に2週間ほどかかってしまうが、それもまた一興だ。

wish.comではイヤホン以外にも色々買っているので、それはまた別の機会に書くとして、とりあえず片耳のワイヤレスイヤホンを5種類くらい買って試してみることにした。こんなやつ↓

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使用感は軽くて悪くない。だが音質はダメだ。両耳ステレオで使えないのもNGだ。電話の着信で使えず途切れて切り替えしなきゃいけない不便さ。ま、この値段ならそんなもんかもしれないけどね。

僕は、この先何個のイヤホンを買うのだろうか?

眺めているだけでも楽しいwish.com。大陸の在庫状況により、掲載される商品が入れ替わるのだが、ある日、こんな商品をが表示されるようになった。そうAirePodsらしい商品だ。

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商品説明はこんな感じだ。

*This item is REFURBISHED 2nd Generation,Support wireless charging function.
They instantly turn on and connect to your iPhone, Apple Watch, iPad, or Mac computer and can be used to listen to music, answer calls, or talk to Siri on your device. Audio automatically plays as soon as you put the AirPods in your ears and pauses when you take them out. To adjust the volume, change the song, make a call, or even get directions, just double-tap to activate Siri. Plus, when you're on a call or talking to Siri, an additional accelerometer works with beamforming microphones to filter out background noise and focus on the sound of your voice. Additionally, they deliver 5 hours of listening time on a single charge, and they're made to keep up with you, thanks to a charging case that holds multiple additional charges for more than 24 hours of listening time. Just 30 minutes in the case gives you 3 hours of listening time.
Automatically on, automatically connect.
Rich, high-quality audio and voice,Seamless switching between devices Includes Charging Case.
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Features:
Weight: earbuds each 4g, Charing box 31g
Size: Charging box 49*28.7*59.55mm
Earbuds charging time: 1 hour Charging box charging time: 1.5 hours
Call time: about 4-5 hours
Music play: about 2.5-3 hours
Standby time: about 15 days (fully charged charging box and earbuds)
Working systems: IOS and Android
Hands free: Yes (with infrared induction sensor , when the earbuds out of the charging box, they will connect with your phone automatically with the bluetooth on)
(note: the first time to use it , must search bluetooth and connect )
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Products include:
2 * Wireless bluetooth earbuds
1 * Charging box
1 * Charging cable
1 * User Manual

「REFURBISHED 2nd Generation」つまり「リフレッシュ品の2世代目」らしい。ここには書かないが型番もそれっぽい。だが、どれもこれも送料込みで3,000円程度。プンプン漂ってくる大陸の芳香。この誘惑に勝てなかった。ポチってしまったのだ。わかってるよ。そんなことはわかってるんだよセバスチャン。みなまで言うな。それが大人の付き合いってもんだ。自己責任だろ。世知辛い世の中、少しくらいはハッピーな気持ちになってもいいだろ?なぁ、シャーロット。

待つこと2週間。ついにその荷物が大陸から郵送で送りつけられたのだ。正直なところ期待はしていなかった。「ま、そう言う感じでしょ」と。

開封の儀が始まる。お馴染みのグレー色したビニールを開ける。化粧箱はそれっぽいがクオリティーは察してくれ。

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箱を開ける。本体はちゃんと本物のようなシュリンクが施されている。好印象だ。シュリンクを外してiPhoneとペアリングさせてみる。ケース本体裏後の丸いボタンを押す。多少の充電はされているらしく、すぐにペアリングのポップアップがiPhoneに表示された。「AirPods」とあからさまに表示されている。まるで本物のようだった。(察してくれ。。)

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ここで、ついにその瞬間がやってきた。そう。耳からうどんを垂らしたのである。(これはスラングなので読み替えていただきたい:)

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都内に住んでいることもあり、AppleStoreには少なくとも月一くらいは行っていると思う。なぜならMac信者だからだ。メッカ巡礼は当たり前の行為だ。銀座AppleStoreの開店日には徹夜で並んだ。記念のTシャツもゲットした。iPodShuffle 発売日にも並んだ。iPad発売日も並んだ。iPhone3Gは原宿だったがそれ以降は何度も銀座店に並んでる。ちなみに初めて買ったMacintoshはClassicIIだ。フライングトースターに心奪われたのだ。その程度の信仰心しか持ち合わせていない信者である。

そんな自他共認める信者でありながら、AirPods には手を出していなかったのだ。理由は二つある。

一つは「EarPods」の形状が僕の耳には馴染まなかったので使っていなかった。AirPodsも同様の形状なので馴染まないのではないか?と思っていた。

二つ目は、単純に価格だ。戦略から大きくオーバーしている。上記の形状の心配から、ハズレた場合の損失が大きいと考えていた。

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だが、しかし!

今、目の前にあるAirPodsと思しきワイヤレスイヤホンは、予想を裏切って付け心地は悪くなかった。おそらくEarPodsはケーブルの引力で下に引っ張られてズレやすかったのかもしれない。操作系は察してもらうにしても、思いの外悪い印象ではなかったのだ。

最初にあげた条件をほぼクリアしているように思えた。このAirPodsと思しきワイヤレスイヤホン、これなら一軍もありだとさえ思えた。

やっぱりMac信者の僕は、我慢できずに正規店でリフレッシュ品ではないAirPodsを買う日が近ずいてきているのを秋の到来とともに感じている。そういう未来しか見えてこないのだ。大陸を経由して理想のイヤホンに出会ってしまったのかもしれない。

結局、僕は耳からうどんを出したいだけだったのかもしれない


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