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通り過ぎる日々|将来への備え

過去に何度か「将来への備えをすることが今を積極的に生きることに繋がる」という文脈で人生を考えた記事を書いています。例えば下記iDeCoの話などがそうです。

この考え方は今も変わらないのですが、忙しく日々を過ごしている時はどうしても「これでいいんだろうか」と思ってしまうことがあります。人生は本当はもっと多様で様々なことを経験しながら生きていくものではないのかと自問自答するのです。

奥田民生も参加しているO.P.KINGという、一時的に結成されたロックンロールバンドがあります。基本的にはオリジナル曲とスタンダードなロックンロールナンバーのカバー曲で編成されたアルバムをリリースしています。

そのアルバムの最後の曲に『通り過ぎる夏』という曲があり、この「通り過ぎる」という表現が日々を忙しく過ごしている時に心に響くのです。

「夏」という季節は青春の代名詞のようなもので、夏休みを利用して様々なことをするべきはずが、のんびり過ごしてしまったり「暑い暑い」言っている間に気づいたら秋になっていたり、そんな経験は誰にでもあるのではないでしょうか。

忙しく過ごしていると「夏」だけでなく、様々なことが「通り過ぎる」感覚に襲われてしまいます。

例えば最近の僕は出張が多くいろいろな都市に行っているのですが、あくまでも仕事で行っているので現地で過ごす一日は終日オフィスにいます。その後は夜遅くにホテルに宿泊するか自宅に帰るかどちらかです。

出張先の都市には様々なお店やその土地の文化がたくさんあるにも関わらず、仕事だけをしてその土地を離れると「名古屋が目の前を通り過ぎていく」「大阪が目の前を通り過ぎていく」といった感覚になってしまいます。

しかし、だからといって仕事をサボって遊ぶわけにもいかず、通り過ぎていく街にただただ思いを馳せるだけに留まっています。

「いつか必ず仕事以外で行こう」と思ってはいるのですが、「いつか読もう」と思っている積読本のように、そういう場所は貯まっていく一方です。

ただ、実際に時間を取ることができて、それらの街にゆっくり滞在するためにはお金が必要になるのも事実です。現実は非常にシビアなのです。

そのため、ゆっくりはできなくても、せめてその土地の美味しいものを食べたり、その土地の歴史を調べてみたり、少しでも良いから通り過ぎていくその街を繋ぎとめるように楽しむこととしています。

将来に備えるのは大切なことですが、今が通り過ぎていかないよう、目の前のことに目を向けるのも大切なことだと思います。人生は難しいものです。

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