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ゴーグルも耳栓も必要な現代社会|ゴーグル、それをしろ

出張が増えてカプセルホテルで寝るようになってから、寝るときに耳栓を着けるようになりました。

他のカプセルのいびき対策で着け始めた耳栓が、忙しい現代社会から聴覚的に断絶することができるという、思わぬ効用を得たことが要因です。

この様に、あえてインプットをしない行為は、物や情報が過剰に蔓延る社会に生きるものとして、非常に有効な対策であることを再認識しているところです。

それにより、同じ様なことを主張していた曲を思い出すこととなりました。

JAGATARAの『ゴーグル、それをしろ』です。

JAGATARA(じゃがたら)は、過激なパフォーマンスや本質的なメッセージが光る歌詞によりカルト的な人気を誇った、伝説的な日本のファンク・ロックバンドです。彼らが主に活躍していたのは80年代で、日本の高度経済成長期に重なります。

多くの名曲がありますが、そのなかのひとつが『ゴーグル、それをしろ』です。

そうさ、みんな何かに ふりまわされているのさ
幻想という、在りもしない怪物に
そうさ、もうすでに始まっているのさ
だから、お前らの目に水が入らないように
今のうちに、今のうちに

ゴーグル(それをしろ)
ゴーグル(それをしろ)
ゴーグル(それをしろ)
ゴーグル(それをしろ)

Jagatara『ニセ預言者ども』

一見すると妙なタイトルの曲ですが、ここでボーカルの江戸アケミが歌っているのは、現実が幻想と化してしまっていることを指摘し、それを避けるために”ゴーグル、それをしろ!”と訴えているのです。

JAGATARAが活躍した80年代から約40年の月日が経過し、世の中では更なる情報が蔓延って、当時以上に幻想だらけの様相を呈してきています。

デジタルが加速して便利になった一方で、企業からのターゲティング広告や、SNS上のインプレゾンビの増殖、特殊詐欺やネットワークビジネスの勧誘など、避けなければならない情報は一層増えたように思います。

そんな幻想だらけの現代社会において、余計な情報に振り回されることなく、本当に必要なものだけにアクセスできるようになるためには、ゴーグルをする必要があるのかもしれません。

着けるべきなのは耳栓だけではなかったようです。

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