見出し画像

長野県のいいところ(風景のみ)

写真は東信のどこにでもある風景です。
だいたい長野県の東のほうに住んでいたので(一か所ですよ)上田市・東御市・佐久市・立科町・御代田町・軽井沢などをうろうろしていた。それが2008から2014ごろのことだ。
なんでも改めて文字にして書いてみると感慨もひとしお、と、最近気が付いたので、どんどん照れもしないで書くのだが、長野県はどこを撮ってもいい風景で、それは山の御陰なのである。山があるから谷がある。上下への広がりがうまれる。丘もある。丘を越えてゆこうよ。丘は、すぐ先の風景も一旦隠してしまうが、すこし乗り越えるとまた景色ががらりと変わるのである。素晴らしい。飽きさせない。そして山特有の気候の変化の鋭敏さである。秋は秋らしい秋、冬の厳しい寒さ、時にはどっかり降る雪。
しかし長野県は山に囲まれているので、その山が風雨をさえぎる、もっと言えば台風の進行をも妨げる効果があるので、台風は滅多に訪れない。ここもいいところである。そんな長野県のいいところについて書きたい。場所の見た目のことだけを書く。おいしいものもちょっとあるが。そこに誰がいたとか人間のことは知らない。そしてこれはご紹介とかお披露目とかではなく、単にそこに行ったらそこはいいところだったというだけの話である。だから誰もそんなの知らないよというものも混ざっている。

浅間サンライン
これは道路である。本当はジョギングするような道ではないのであるが、私はよくジョギングしていた。東御にある温泉施設に車をとめ、まずそこから北に向かって坂を上っていく。斜度はなかなかきつい。そうすると、東西につらなる山の斜面の中腹に、これも東西に走る自動車の道路がある。これが浅間サンラインである。ざっくり言うと軽井沢から上田までこれでいける(嘘かもしれない)。なにしろ一般国道はそれなりに長野県でも信号の多さとか渋滞とか街中の流れのよくないところもあるのである。サンラインはほぼ真っ直ぐで住宅地とか通らないのでそこはそこそこ流れがいい。そして景色がいい。山の中腹をすばんと横切るだけの道なので谷を大きく見下ろすのである。途中に農業用水みたいな川だか水路もありそこには夏になると蛍がでる。みたことがある。サンラインの周辺は田んぼとか果樹園とか畑である。農業中心である。南面の日当たりのいい場所だからだ。山の南斜面はとてもいい。北斜面はいったいどんなことをしているのだろう。それは行ったことがないから知らないが、群馬県の嬬恋とかでキャベツをつくっているのだろう。そういうものだ。あと菅平とかでラグビー合宿をしているのだろう。知らないが。

軽井沢
ジョギングのついでに、列車で軽井沢に出てそこから走って小諸とかまで戻ってくるのをやっていた。軽井沢は高級外車をよくみる。別荘地も別荘地であるが、本式の金持ちが別荘を建てるエリアには行ったことがなく、私がジョギングしていたのは国道にも近いそこそこのエリアである。それでもさわやかな自然に恵まれて気温も暑すぎないところで、これで車の通行がもう少しスムーズならなおよかろう。アウトレットができて、どうにも、車の詰まるところも多くなっていた。

小諸市
蕎麦を食いにいったり、市立図書館にいったり、JRの駅に車をとめてそこから出かけたり(どこへ行くかというと長野市である)、いろいろお世話になった。古都である。地元民に言わせれば、新幹線の駅をつくるのを拒否したので発展から取り残されたというが、それは確かにそうかもしれないが、それでなにかが決定的に変わっただろうか。みたところ別に大した問題ではないような気もする。懐古園はいいところで訪問する価値がある。あと歴史の背景がある。そこそこ。

佐久市
さて新幹線の駅がきたのが佐久市で、佐久平という駅をつくった。平というのは山の中にあって平なところもあるということで、長野県民なら皆知る県の歌「信濃の国」では4つの平とうたわれるその一つである。松本伊那佐久善光寺。これに平をつけるわけである。どの平も見事ではあるが、やはり姥捨から見下ろす善光寺平にはかなわないのではなかろうか。とくに夜景は。高速の姥捨PAから見下ろせるのだがそれはもう見事なものである。
話がそれた。
佐久市は広い。南北も広いし、市役所周囲は昔からの人の住んでいたところらしいし、かといって立科町との境のほうも佐久市だし、南、つまり八ヶ岳の麓につらなる高原部も佐久市である。牧場のあるようなところだ。しかし佐久市は基本は平で米とかつくったり(浅科というところに五郎兵衛米というブランド米がある)、高原野菜だったり、かと思えばカフェとかソーセージとか鯉とか、まあいろいろある。いろいろあるのはいいものだ。
かくして新幹線駅の周辺はなにもないところから続々と街が形成され新しい住宅地ができて新住民が増えていくのである。かと思えば駒場公園という北海道かと見まごうような巨大な公園もあり、そこは農林試験場と隣接している(はずである)。まあ基本が自然が豊かというか自然しかないところから立ち上げたところで人間の営みはそこそこである。5月にバルーンフェスティバルという美しい光景がみられる。

東御市
温泉施設に通っていたのでそのことで馴染みがある。しかし小さいところである。小さいなりの利点もあるとは思うのだが。ともすれば北国街道の通りすがりで通過されてしまうようなところではある。
そうそう、つい最近ネットでちょっと話題になったところがある、海野宿だ。江戸時代の街道風景がちゃんと保存されていていまでもその建物を使用して土産物店とかカフェとか施設もあるのにガラガラでがらーんとしているとしてちょっとバズった。私ももちろんジョギングのついでに訪問しているが本当に建物はちゃんとしているのである。すごい。江戸のロケだってできるくらいである。その意味ではもったいない。しかし地味といえば確かに地味だ。ともあれなんでも実際の風景を見てから判断してほしい。ネットで見たくらいで知った気にならないでほしい。それは何でもそうなのだが。

上田市
都会であるが都会になりきれない。新幹線駅前は立派であるが、正直いってなんだろう、どこか「県庁になりそこねた街」の風情がある。申し訳ない。悪口にきこえると思う。その塩梅である。
しかし映画館もあるしラーメン屋とか集客をみこむようなものはここにある。
個人的にはここから私鉄にのって行く温泉町がいいところだと思う。赤い鉄橋をわたっていく別所温泉である。
あとは子宝で有名な生島足島神社がある。立派なところで、信州はだいたいにおいて寺や神社が大きいというかえばっているように思う。善光寺からしてそうである。そういう土地がらといえる。神社とかの神通力といえば消防団である。長野県は消防団も盛んだと思う。いくら若い人が嫌ってみても結局消防団なのである。地元に根付いてやっていこうとすると消防団になるのである。多分そうなのだ。私は入ったことないので知らない。

戸倉上山田温泉夏祭りと煙火大会
ここも有名温泉である。ここは私のジョギングルートとしてはぎりぎり遠くの地点である。でも走ったことある。花火大会もみた。私の記憶では花火の近さでいえば特筆すべき近さだったように記憶している。規模としても大きすぎない感じがいい。大曲の日本一でかい規模の花火大会もいったことがあるがあれは大きすぎて見動きとれなくなる感じだ。大きければいいというものではない(ただし空を埋め尽くすような花火の集中というのは大曲でしか見たことがないね・・・)

立科町
北佐久郡立科町である。別荘地があって税収がいいので周辺と合併しなかった。しかしある意味ではどんづまりの町である。いやさ、別にこれは悪口ではない。佐久市からバスに乗ってくると立科までがルートであり、そこから先はどこにいくのか、松本にいくなら鹿教湯病院経由のバスに乗り換えるし、上田に出るならそれも乗り換えだし、南の茅野方面にいくならまずは蓼科山に向かう山登りのバスなのである。そういう意味でジャンクション的な意味がある。だからここも昔からの宿場町だった。
蓼科山周辺は別荘のメッカである。本格的に開発されて年月もたっているが、今でも人気であるし、ロープウェイで上のほうまでいく方法もあるし、なかなか自然と風景を楽しむのにお手頃な場所である。しかしスキー場もあるし冬の降雪はなかなかである。スタッドレスを履いていても滑るものは滑るのであり、都会からきたやつが路肩ではみ出しているのをしょっちゅう見たものだ。

女神湖
蓼科山周辺の湖であるが小さいので氷結することもある。なにもないのがいいところで、なにもない。ただ滞在するだけでいいではないか。なにしろ自然のまっただなかだから。

白樺リゾート池之平ホテル
TVCMでおなじみのホテルである。つまり白樺湖と池之平である。山の中にこつぜんとホテル群があらわれるのである。まあそういうのが好きな人は好きであろう。なかなかの異世界だ。

蓼科山
そこそこの標高があるが、登山口も標高が高いので、そんなに大きい苦労をしなくても登れる八ヶ岳の北のはずれの山。山頂は巨大なまるっこい石に覆われているので平地が全くない。だから石の上をぴょんぴょん飛んで歩かないといけない。それが苦労である。景色は大変よいというかものすごくよい。北のはずれだから南方をみれば八ヶ岳が全部みえるし、北方面は浅間山をはじめとする東信州の山が全部見えるし、北アルプスもだいたい見える(天気がよければ)。いうことなし。南面には湿原とか池とかあって冬に歩くと黄金の枯草の風景がまたこれは異世界感であり、なんというか日本は広いなあと思わされる。私が中年から登山をはじめて最初に取り組んだのが蓼科山なので大変思い出深い。あと立科町から登ると途中で牧場がありソフトクリームを食ったり新鮮な牛乳を飲んだりする。当たり前だがうまい。本日はここまで(4057文字)。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?