苗木城と認知症
山城ランキング1位!苗木城
えっ?もう一度見る。やっぱり苗木城だ。岐阜県中津川市の山城、苗木城。
週末どこに行こうか探すために何気なく開いたサイトの一番上にその文字はあった。
なぜびっくりしたかというと、私は苗木城の近くで生まれ育ったからだ。
私が子どもの頃、苗木城は荒れ放題の山城。訪れる人もなくひっそりと木曽川のほとりの丘の上にあった。
苗木城には母との思い出がある。
ずっと昔、母と苗木城にふらっと出かけた時のこと。
苗木城へ向かう山道を歩きながら母が言った。
「この辺は明治維新の廃仏毀釈でお寺が壊されたからね」
「今なんて言った?」
「この辺はさぁ、廃仏毀釈で…」
母は難しい言葉をよどみなくり返す。
「お母さん。すごいじゃん!」
私は久しぶりに母をほめた。
当時、母は50歳で若年性認知症だった。
その頃の母は1日中探し物をしていた。
そして昨日の出来事はもちろん、今日朝ごはんを食べたかどうかも覚えていなかった。
私はそんな母が嫌でほとんど母と口をきいていなかった。
母には怒ってばかり。
「認知症の人に怒ってはいけない」と本には書いてある。
「ハイ、わかってます。一応看護師なので」
認知症の人の言うことを否定するのもご法度。
「ハイ、患者さんの言うことは否定しません。」
当時の私は病棟の看護師。認知症の患者さんには優しくできても母にはできなかった。
母は患者さんじゃないし…
今思えば本当にかわいそうなのだが、実の親だから怒ろうが多少傷つけようが何をしても許されるという甘えがあったのだと思う。
中津川市を離れて早20年。母は旅立ち、実家は空き家になった。
今は中津川はお墓参りに行くだけの街だ。
でも急に懐かしくなり中津川市のふるさと納税に寄付した。
飛騨牛の切り落としは思った以上に美味しかった。飛騨牛が実家近くの牧場で生産されていることも知らなかったけど。
意外と地元のことは知らないもんだ。
飛騨牛のレア牛丼は、ぜひこの牛肉で味わって欲しい一品。お試しあれ!
飛騨牛レシピ:5分でできるレア牛丼
①みりん大さじ4、しょうゆ大さじ3、酒大さじ1を煮たてて、玉ねぎを入れて柔らかくなるまで煮る。
②牛肉を入れてさっと火を通し、ごはんの上に載せる。あれば温泉卵をのせるとなお美味しい。
牛肉はこのくらいの赤い状態を火を止め、あとは余熱で火を通します。
*苗木城、今は整備されて散策しやすいお城になっています。岐阜県にお越しの際はぜひお立ち寄りください!
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