ターゲティングにもLess is moreが大切だなぁと思う件について

「Less is more」という言葉をご存知でしょうか。

これは「より少ないことはより豊かなこと」「より少ないことは良いこと」というような意味です。

前からうっすらこちらの言葉を知っていたのですが、今回弊社で取り入れているEOSというコンサルティングを受けていて本格的に登場してきた言葉です。

EOSというのは、ベンチャー企業が持続的に成長していくために、経営陣がどういったことに取り組んでいけばいいのかを体系化したシステムで、アメリカを発祥として徐々に広がっているコンサルティングです。

弊社も更に成長していくためにこのコンサルティングを受けてます。

で、Less is moreがどんなときに登場するかというと、たとえば「今週の課題や取り組むべき業務ってなんだっけ?」という状況になったとき、「課題は多すぎてはいけない。本当に重要な少数の大きな課題に焦点を当てて、集中的に取り組んでいきましょう。」ということをするわけです。

やることが多すぎると何から手を付けていいのかぼやけてしまいがちだし、優先度も間違えがちです。

だからLess is more。

これは会社の経営や仕事の進め方の話なんですが、マーケティングでも同じことが言えます。

よく、新しい商品を発売するとき、マーケティングでやることといえばターゲットを定めることなんですが、そういうときよくお客さんからこういうことを言われます。

「老若男女、幅広い人に支持されたい」

商品を開発したり作る側からすると、沢山の人に支持されたいというのはとてもわかるのですが、老若男女に支持されるのって、とてつもなく難しいです。

これって、二十歳の女子大生と、六十歳の定年近くのおじさん両方に、良いと思われる商品を作るってことですから。

一言で言っちゃえばそんなのかなり難易度高いわけで、世の中にほとんど存在ません。(たまーにあるんですが)

たとえば車の世界でも、いまはいわゆる大衆車というのが存在しません。みんなが乗る定番!みたいな車ってないですよね。

これが以前は存在しました。トヨタのカローラやホンダのシビックなどのかつて「大衆車」と呼ばれた車が、それにあたります。

↓歴代のカローラ。懐かしい人も多いのでは。

世の中の7割くらいの人が「まぁこれ買っておけばいいかな」って思われるような商品がいわゆる大衆車の定義だったように思うのですが、現在それに該当するような車は存在しません。

ですので、近年開発される車で、老若男女をターゲットとしているものなどは存在せず、明確なターゲットを決めています。

20代の独身女性、30代のファミリー、郊外に住む老夫婦、というように。

じつはこれは社会の成熟度合いとも関わっていて、戦後のモノがない時代というのは、車といってもいちいち種類を選んでいるような余裕がなく、個人の趣味趣向というのは後回しになりがちでした。

要するに車というのはちゃんと走るそこそこの性能であればよかったのです。

それが社会が成熟し、生活が豊かになるに従い、いろいろな個人の趣味や好みが強くなってきたわけですね。

ターゲットを絞るのは、開発者にとってもマーケッターにとっても勇気がいることなのですが、しっかり意識しないといけないなぁと思った次第です。


★こんな会社経営してます。
(株)トライエッジ(http://www.triedge.co.jp)
<事業内容>
データベースマーケティング支援
・顧客データ分析
・マーケティング施策立案と実務代行

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