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ビジネスに活用できる!司馬遼太郎さんの名作4選!!〈戦国編〉

(カバー写真は数年前に行ったときに撮影した、兵庫県・姫路城です)
NHKの大河ドラマ「麒麟が来る」が始まりましたね!!
戦国時代を扱ったものとしては、2017年に放送された「おんな城主直虎」以来ですから、三年ぶりの戦国大河となります。これは見なければ・・・。


私は、歴史モノのドラマや小説が大好きでして、特に歴史小説は中学生くらいの頃から親しんでおります。歴史から学ぶことは本当に多くて、日々の生活はおろか、実際の経営にとても活かされていると感じます。

経営やマーケティングを学びたいと思っている方は、ぜひとも歴史小説を読むことをおすすめします。

なぜ歴史小説がビジネスに活きるのかというと、それら全てはいわゆるビジネススクールで学ぶケーススタディと全く同じだからです。織田信長の地方大名から天下統一直前まで上り詰めたその人材マネジメント手法、競合相手を出し抜くための知略・戦略に長けていた豊臣秀吉の戦略手法、小さな戦力で大軍と戦った真田幸村の戦術などは、成功・失敗含めて実際にこの世で起こった貴重なケーススタディとして、学ぶ所満載です。

彼らの人生・足跡を追体験することは、ノーリスクで修羅場を経験することと同じですから、本当に多くの場面でビジネスに活きます。
ぜひたくさん、読んでいただきたいです。


さて、歴史小説を読んだらいいよ、といいますが、数ある中で何を読めばいいのか。私は歴史小説の大家「司馬遼太郎さん」の作品が非常に好きなのですが、今回は戦国時代に絞って、「ビジネスに活用できる!司馬遼太郎さんの名作4選〜戦国時代編〜」をご紹介します。完全に私の独断と偏見です!

きっと大河ドラマも10倍楽しめます!

この4作品は①〜④まで時系列に並べましたので、順番に読むと戦国時代の大枠が見えてきます。織田信長・豊臣秀吉・徳川家康というメジャーどころを扱った作品でもあるので、非常に親しみも持てると思います。

それでは早速行きましょう!


①国盗り物語(時代:戦国初期〜中期)

美濃で国主となった戦国大名・斎藤道三、そしてその次の世代の織田信長・明智光秀を扱った作品です。今回の大河ドラマと全く同じ時代背景であると言えます。

<あらすじ>
京都・妙覚寺の僧侶・松波庄九郎(後の斎藤道三)は、一念発起して還俗(一般社会に戻ること)し、様々な旅を経て美濃(いまの岐阜県)にたどり着きます。
美濃の地において、庄九郎は権謀術数の限りを尽くし、次第に頭角を表して権力者たちに近づいていきます。そしてやがて、彼は美濃の国主の座を乗っ取り、戦国大名へとのしがるのです。
その後、彼の天下への野望は、娘婿の織田信長・愛弟子の明智光秀へと受け継がれ、最終的に二人は本能寺で激突をします。

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斎藤道三や明智光秀は前半生の多くが謎に包まれており、小説の大半はフィクションとして描かれていますが非常に読みやすく、主人公たちが生き生きと描かれています。

多くの謎が残る本能寺の変についても、司馬さんなりの結論がだされており、諸説と比べながら読むのも一興です。


②新史太閤記(時代:戦国初期〜中期)

織田信長に仕え、最終的に天下人となった豊臣秀吉の半生を描いた作品です。時代的には①の国盗り物語に近いですが、織田信長が「本能寺の変」に斃れ、その後に秀吉が天下を取るまでを描いていますので、①よりは若干後ろにずれる感じです。

<あらすじ>
尾張(現在の愛知県)の貧農に生まれた木下藤吉郎(後の豊臣秀吉)は、立身出世を夢見て実家を飛び出すと、流浪の末に地元の大名・織田信長に仕えます。織田家最下層のいち兵士からスタートした藤吉郎でしたが、様々な修羅場をくぐり抜け、徐々に織田家での評価を高めていきます。

彼は後に「人たらし」とまで言われた、人間的魅力や対人コミュニケーション力をフル活用。多くの有能な部下を手に入れ、数多の功績を挙げた藤吉郎は、最終的に織田家での重要な地位にまで上り詰めます。

そういった中、突如発生した本能寺の変。これまで織田信長に忠誠を誓っていた彼は、この時初めて天下取りの野望に目覚め、明智光秀・徳川家康などの競争相手と天下を賭けて決戦に挑むことになります。

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古今東西、大半の王者と呼ばれる人物は、生まれながらに一定の勢力を持つ地方豪族の子息でした。(織田信長や徳川家康はもちろん、チンギス・ハーンや始皇帝もそうです)
一方で、豊臣秀吉は正真正銘平民の出身で、平民どころか貧農の最下層といえる出自と言えます。そんな彼が天下を取るまでには、何度も自分の人生を賭けた危険な挑戦を行い、そしてそれらを辛くも成功させていきます。

窮地に陥ったときに人はどうやって乗り越えればいいのか、人生の大勝負とはなにか、優秀な仲間はどうやって引き入れるか、などを教えてくれる一冊です。


③関ヶ原(時代:戦国中期)

天下分け目の戦い「関ヶ原の合戦」を争った、東軍:徳川家康と西軍:石田三成を描いた作品です。2017年には岡田准一さん主演で映画化もされていますね。(映画の評判はあまり芳しくなかったですが・・)
期間としては、豊臣秀吉が病没した1598年から関ヶ原の合戦が行われた1600年までの2年間を描いた作品です。

<あらすじ>
天下統一を果たしてわずか数年。ときの天下人豊臣秀吉は、1598年に61歳の生涯を終えます。豊臣家の後を継ぐ嫡子秀頼は、この時わずか5歳。豊臣政権が引き起こした朝鮮での戦役は、日本全国の多くの大名を財政的に苦しめ、政権に対して不満が溜まっていました。

この政権に対する不満に目をつけた徳川家康は、豊臣家の家臣団を分断することにより、天下を奪取することを画策。一方、豊臣家筆頭奉行の石田三成は、家康の野望を挫くべく、政略活動にのめり込んでいきます。

両陣営の2年間に及ぶ策謀の結果、豊臣家の家中を2つに割った天下分け目の戦い「関ヶ原の合戦」が勃発するのですが・・・・。

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世間でよく知られた関ヶ原の合戦ですが、そこに至るまでには徳川家康を中心とした勢力と、石田三成を中心とした勢力の様々な政治的な駆け引きがありました。徳川家康が結果的に勝利を収めることになるのですが、本作品では石田三成が意外といいところまで行っていた、という歴史的側面を知ることもできます。

仲間を引き入れるためには何をすればいいのか。人は何でもって動くのか。マネジメントや政略などを学ぶには絶好の作品です。


④城塞(時代:戦国後期)

戦国時代最後の大戦「大坂冬の陣」「大坂夏の陣」を中心に、徳川家康と大坂城(この時代は大阪ではなく、大坂と書きます)に立て籠もった将軍の1人である真田幸村を中心に描いた作品です。作品名の「城塞」は、文字通り日本最大の城塞である「大坂城」を示しています。

これも2016年の堺雅人さん主演の大河ドラマ「真田丸」で同様のテーマを扱ってましたので、よくご存知の方も多いと思います。

<あらすじ>
関ヶ原の合戦に勝利し、事実上の天下を奪取することに成功した徳川家康。しかし豊臣秀吉の遺児、豊臣秀頼を筆頭とする豊臣家は未だ大きな勢力を保ち、開いたばかりの江戸幕府にとって大きな脅威でした。

幕府にとっての後顧の憂いを断つため、徳川家康は豊臣家に無理難題を持ちかけて戦争を引き起こし、豊臣家を滅亡させようとします。

それに対し豊臣家は、日本最大の「城塞」である「大坂城」に、戦国時代生き残りである歴戦の浪人たちを、なんと10万人も集めることに成功。稀代の戦略家である真田幸村を始め、集められた浪人たちは、大阪城に押し寄せる江戸幕府の大軍勢を相手に激戦を繰り広げます。

攻めあぐねた徳川家康は、豊臣家に政略をしかけ、その戦力を削いでいくことに腐心することとなります。

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歴史的にも人気な真田幸村が大活躍をする作品です。「寡兵を持って大軍を制す」という、なんだかみんなが好きそうな内容が盛りだくさんなのですが、注目すべきは真田幸村が取った数々の戦術。局地戦において相手側に対して優位に立つことで、大軍を何度も撃退。最後の決戦では、徳川家康の本陣をも潰走させるなど、圧倒的なかっこよさです。

一方でその名将真田幸村を擁する大坂方は、何度か逆転のチャンスが有りながらも、不統一な指揮・マネジメントにより、その芽を自ら潰していきます。
いくら優秀な選手がいても、コーチ陣がいまいちだと、チームとして勝てないというケーススタディでもあります。

リーダーシップとは何か、組織を動かすとは何か、を学ばせてくれる一冊です。



以上、司馬遼太郎さんの戦国時代名著4選でした。

また読みたくなってきた・・・。



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