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岡村靖幸の新時代 過小評価されてる最高な邦楽アルバム10選 2/10

さて『#過小評価されてると思う私的に最高な邦楽アルバム10選』の第二回目は2016年にリリースした岡村靖幸の7thアルバム『幸福』である。前作『Me-imi』より11年半ぶりの発売である。岡村靖幸のアルバムは『家庭教師』が名盤ランキングに挙がる。しかし私は岡村靖幸の新時代の始まり象徴すると言っても良い『幸福』も負けず劣らず邦楽史に残る名盤であると思っている。

収録曲
1.できるだけ純情でいたい
2.新時代思想
3.ラブメッセージ
4.揺れるお年頃
5.愛はおしゃれじゃに
6.ヘアー
7.ビバナミダ
8.彼氏になって優しくなって
9.ぶーしゃかLOOP

本作の開幕を告げるナンバー『できるだけ純情でいたい』は雷雨のSEと共に始まる。ミディアムテンポの楽曲である。

まだ 迷路から抜けられず 思わず目を閉じたい

上記の歌詞に代表される様に全体的に怪しい雰囲気が漂っている。

『新時代思想』は言葉のテンポが良い。これはラップであろうか、そこのところはわからないが聴いてて小気味良い。

次の『ラブメッセージ』はポップ全開のナンバーである。この楽曲は園子温監督の映画『みんな!エスパーだよ!』の主題歌に抜擢されている。メロディが良いのは勿論の事、歌詞も詩的で素晴らしい。

駅から10分 電車から降り ソワソワするさ 電信柱の 剥がれかけた紙の様な気分さ

『揺れるお年頃』は『新時代思想』同様小気味良いサウンドとリズムを取る様な歌詞である。

『愛はおしゃれじゃない』こちらはBase Ball Bearのリーダー小出祐介とのコラボ作である。こちらは今回のアルバムの中で最も岡村色が強い(特に歌詞の面で)楽曲であると思う。

カーテン開く様にスカートを脱がしたい 好きな食べ物と特技は「君」と書きたい

『ヘアー』はロックである。サウンド、歌詞、岡村の声、全て含めて格好良い。

テレビアニメ『スペース☆ダンディ』の主題歌『ビバナミダ』は以前、関ジャムで蔦谷 好位置が紹介していた通りサウンドの転調が凄い。驚きがある。私はサビ後の歌詞が好きだ。

いくら便利なれど 文明はリスキーなもの だから電車を飛び降り 愛にいこう ミニ履く子 いつも気になるよ だから電話もかけずに 会いにいこう

『彼氏になって優しくなって』は疾走感がある。語感も良い。こちらは公式サイトにMVが公開されている。

本アルバム最後は実験的な楽曲である。『ぶーしゃかLOOP』こちらもバージョンは違えどMVが。

歌詞は『家庭教師』の「多分23歳」と『ア・チ・チ・チ』の「それ1、2、6って フリーランスのノンぺん ぺん草」が引用されている。この楽曲は若い世代(私と同じ世代つまり10~20代)の間で大流行した。

収録曲は以上である。ポップス全開でありながら従来の岡村靖幸的要素が多分に含んだアルバムである。サウンドも良い、歌詞も良い、歌も良い。岡村を初めて聞く人にも岡村靖幸という音楽家はどの様な人であるかが分かりまたこのアルバムからファンになって行く人も多いだろう。従来のファンが聴いても満足の行く仕上りであろう。私が友人におすすめアルバムを問われたら迷わずこのアルバムを差し出すだろう。

岡村靖幸の新時代を告げるアルバム、それが『幸福』である。

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