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【トーシツ1】陰性症状を語る

 今日はトーシツ(統合失調症)のなかでも,比較的メインの症状といえる"陰性症状"について語ってゆきたいと考えます.(※トーシツの詳しい症状などについてはこちらのWikipediaをご参照ください)

 トーシツは一般的に幻覚・幻聴・妄想などの派手な症状が有名でわかりやすいのですが,実はそういった陽性症状ではなく陰性症状の方がメインだったりするらしいです.陰性症状とは,自閉・感情平板化・意欲の減退などが有名で,私の場合ですと意欲の減退が特に強いようではあります(だからあえて色々無理して活動していることもある).
 いわば陽性症状がふつうないはずのものがこころにあるのに対して,陰性症状の方はふつうあるはずのものがこころにないという状態を指します.健全な社交性や感情,そして意欲といったものが乏しく場合によっては完全に消失してしまう人もどうも居る印象があります.また,このような陰性症状は陽性症状に比べて薬の効きがよくなく,劇的な回復というのがなかなか見込まれないのが現状のようです.私もそろそろ20年,トーシツを患っておりますが,陽性症状は寛解してきていますが陰性症状についてはあまり変化なく自己対処でカバーしてるというのが本当かも知れません.

 具体的に陰性症状が出てくるとどのようになるのでしょうか.
 例えば,思考が途絶してしまって頭が真っ白になって言葉が思いつかないとか,いわゆるやる気が出てこなくて場合によっては椅子に座ったまま何時間もネットでも見ながらボーっとしてしまうとか,よくあるのはだるくて辛くて寝逃げしてしまって,一日ずっと寝ていたとかそういうのです.いわば良質な感情が湧いてこないがゆえに,次のアクションやリアクション,そしていわゆる日常的に生活するということが困難になってきてしまい,一日を無為に過ごしてしまうなどといったことが起こりやすくなります.生活に最低限必要な食事,整容,排泄といったことすら面倒くさくなってしまうこともあります.そのため,うつ病とも似たようなところがあるのですが,うつ病との大きな違いは"4にたくなる/ならない"みたいな部分かなという気が個人的にはしています(うつ病の方が主観的には随分辛いと私は考えてる).

 陰性症状で私がこれまで困っていることといえば,陰性症状ゆえに困っていることにすら気づかないこともあるのですが,実際はやはり生活をだれかと共にしてゆく上で,良質な感情が湧いてきづらいことについてはデメリットが多い気がしてます.多くの場合,感情がある程度活き活きと動いて初めて人と仕事や交流に流れも生まれてくるものであって,そういうものが乏しかったりないとどうしても流れが滞りがちというかいわば"タイミング≒気があわない"みたいなことが起きやすいのかなという気もします(特に人と人のあいだにリズムとハーモニーが必要な団体活動などに顕著でしょうか).
 まぁこういうのを"ノリがわるい"というのでしょうが,どうしてもトーシツやそれに付随した人格障害の人というのは,そのノリ(乗り)がわるいのは否めない気がしますし,むしろそういう外向的なアップテンポな暮らしではなく,ダウナーかつカームな内向的な暮らしの方が性にはあってるのかも知れません.
 このように陰性症状が強く出ていますと,日常生活というのが――特に人と人のあいだにおいて――なかなか困難なものになりやすいものではあります.

 片づけられない人というのが一時期話題になってましたが,生活全般において活動的になれない陰性症状の影響によって,家事全般むずかしかったり,コミュニケーション上で適切な快活な感情も湧いてこず人と上手く生活ができなかったり,一人であってもたただだ黙々と無為な時間ばかりを過ごしてしまったりということが多いかも知れません.だから,意識的に活動的になれるように予定を組んだり,生活上のルーティンを設定したり,いろいろな改善を試みてきましたが,私の陰性症状そのものについてはきっと今後も寛解してゆくのはむずかしいのではないかと予想はしております.

 今日は音楽の日と称して,週に1回のギターと歌の練習をする日だったのですが,やはり年々やる気のようなものが減退していっていると同時に,マンネリ化してる部分もあり,本当に今後もこの活動を続けられるのかなという気持ちもあります.しかし,私には音楽活動を一生つづけたいという強い意志があることから,仮に陰性症状などでこの活動が滞りがちになろうとも,必ず工夫しながら継続したいとは考えています.何より,陽性症状様のインスピレーションから作詞作曲させてもらっている部分もありますから,一概にトーシツの全てがわるいわけでもありません.
 過去の有名な文化人には比較的にトーシツやソーウツ(双極性障害)などの精神障がいの方が散見されます.私もそういう流れの上で,日々陰性症状を支配しながら,上手に暮らしてゆきたいとだけは強く感じます.

 今日はここまでお読みいただきまして,ありがとうございました.

了,25min.

※本記事の著作権は陽太に帰属します.
yohta.yingyang(at)gmail.com

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