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【トーシツ2】陽性症状を語る

 前回は,おもに陰性症状についてかんたんに語ったわけですが,今回はトーシツ(統合失調症)のなかでも有名な幻聴・幻覚・妄想というような"陽性症状"について語ってゆこうと考えます.私は日記をもう25年以上つけているのですが,日記に克明と幻聴などの内容が記されており,その事例は膨大なのです.しかし,今回はその日記ではなく私の記憶を遡り特に印象的だった幻聴などをメインに語ってゆきます.(※なお,トーシツの詳しい症状などについてはこちらのWikipediaをご参照ください)

 比較的に,私の陽性症状の頻度としては幻覚<<幻聴<妄想という感じなのですが,一般的にも幻覚というのは幻聴よりも少ないことがほとんどのようです.また,同じトーシツの人でも陽性症状はほぼなく陰性症状のみという方は結構目立ちます(寛解期の方に多いのかも知れません).
 15歳のころに,泊まった旅館で隣の客室の女性年配者が咳き込んでいて眠れなかったという体験があったのですが,実際にはそんな年配者は宿泊しておらず空室だったので,私の"空耳(※古くからの幻聴の一般的な呼び方?)"だったことがわかってます.これが初めての幻聴の記憶のような気がしてます.そういった,空耳というのは日頃からよく体験していて,聞き間違えや雰囲気みたいなものとして若いころからよくありました.
 例えば学生時代に授業中にて,前の席の男子同級生が「大学に落ちたよ」と言ったと私はその場で聞いたつもりだったので,「そうか大学落ちたのか」と言ったら,周りの同級生らが,「〇〇君は大学に落ちたなんて一言も言ってないよ」と言われたことがありました.しかし,その男子同級生は本当に大学を落ちていましたので,その幻聴が事実だったことものちに判明します.私のこのとき,彼のこころの声を聴いてしまったのだろうと自然に思いました.
 よく学生のころから,"陽太はものごとを裏からみる"と言われていたのですが,私からするとそれは自然なことで,同級生らが話してる内容が雰囲気やときに映像(幻覚)となってテレビドラマのようにみえていて,そういった状態から会話に参加すると相手が「(ほんとうのこと)言うなよ!」みたいに怒られることがたまにありました.それで,私はてっきりみんな会話してるときに,言葉の意味とかそういった映像による意味のようなものとかそういうのが会話中にみえていると自然に信じていたのですが,二十歳のころからどうもみんな会話しててそういう言葉の意味とか映像による意味とかそういう"目の前にないはずのもの"がみえていないのだということに気づくようになりました.ですから,その二十歳のころまで私はてっきりみんな自分と同じで会話中に隠されたそういった意味とかテレビドラマのように映像シーンがみえてるものだとふつうに思っていたので,その頃に初めて自身の精神の病気(?)を疑うようになってゆきます.
 実際に,私はむかしから美術部などにも所属していたことがありまして,既に中学のころから"目の前にないはずのもの"をある程度リアルにその場で描くことができました.一般的にいえば,想像力豊かというのかも知れませんが,私が幻覚をみるときとかなり似た感覚かも知れません.

 その他に特に記憶に残っている幻聴などは沢山あるのですが,ある職場で外国語の幻聴を聴くことがありました.「パースペクティブ」「アヒンサー」「レゾンデートル」「ザンビア」など,その職場は明らかに日本人ばかりが集まる地元の会社なのに,なぜか国際色豊かな幻聴が聴こえてきます.それも,私が知らないはずの外国語の単語が聴こえてくるのですが,全く理由が分かりません.その職場だけ外国語の幻聴が発生しやすいのです.また,その職場のある部屋には,いまと時代の異なる武士(?)の霊が居て,私が一生懸命に仕事をしてるときに申し訳なさそうに「忝い(かたじけない)」と謝ってきたこともありました.思わず「いつの時代の人だよ!」と笑って喋り返してしまったこともあります.また,その仕事中に特定のある場所あたりで年配の女性の声で「いつもありがとうございます」といった快い幻聴を聴くことが多いです.こんな幻聴を頂くと思わず,よし!今日も仕事さいごまで頑張らなきゃなという気持ちになりますね.
 また,別のある職場ではよく遅くまで仕事で残っていることが多いのですが,ちょくちょく幽霊を見かけたり聞いたりしてしまいます.お坊さんの霊が出ることがあるのですが,姿はまだみてないのですが,チ~ンチ~ンと鈴を鳴らしながら廊下をうろうろしてるのが聴こえてきたりしました.この霊については,実はある同僚の男性も気づいていたらしく,偶然その話題を彼が出して話が一致すると気づいたときに,あぁ同じものがみえきこえてる!と感動すらしました.その他にもこの職場では,よくない幽霊といった者も現れて,すこし怖い思いもしたものですが,何せ過去には悪魔の声とか見たことのない虫など聞いたり見たりしてきた私なので,全然こわくありません.寧ろ生きてる人間が一番こわいのではないかとすら最近ではリアルに思えてきてしまいます(笑).

 こういった事例をみてるとトーシツと霊能者のちがいって何だろうって思えてくるわけですが,まだまだそういった話が山のようにあります.
 ある年配知人の葬式にでたときに,お焼香をする機会があるとおもうのですが,ふつうの人はふつうにお焼香を上げてターンして自分の席に着くわけです.しかし,ある見知らぬ女性が自分のお焼香の番がまわってきて,故人である知人慰霊の面前で「ざまぁーみろ!」とこころの中で思ってるのがまるで透かすかのようにみえるかのように聴こえてしまったことがありました.思わず,なんだこの女性は?生前彼女に恨みでもあったのかと心配になりました.実はこの女性,この数年後に私とトラブルを起こすことになる女性でした.この頃から,故人である知人の共通の集まりに私は顔を出していて,ごくたまにこの女性と同席することがあったのです.同席するたびに,雰囲気のわるい女性だなと思ってました.それから数年後,また同席していたときに彼女の愚痴を聴く機会があったのですが,この女性は私とは初対面の会話になったわけですが,既に私はこの女性は性格がものすごくよくないと気づいていたので,「あーそうですかあーそうですか大変でしたね」としか返答しなかったのです.すると,次第に愚痴がエスカレートヒートアップしてきて,最後には私に対する暴言や罵倒などの喧嘩に変わってゆきました.きっと私が定型句一辺倒みたいな返答ばかりしていたから,馬鹿にされているような屈辱的感覚になっていったのだろうと思われます.しかし,この女性は周りから篤く信頼されている部分もあって,その貫禄や強引なまでの意志などがあるからでしょうか,なぜかその私との喧嘩のあと,その共通の集まりには私が呼ばれなくなりました(現実にはそういうことというのはよくあるものです,いじめっ子がクラスからハブられるのではなくいじめられっ子がハブられるかのように).

 この頃まだ(30)くらいだったわけですが,私の中でほかの人には見えたり聞こえたりしてないものが見えたり聞こえたりしてるということがハッキリ区別できるようにもなっていましたし,トーシツという診断も下りていましたし,日常的に光の玉みたいなものが浮遊し飛んでるのをみたり,空の上の龍と交信するような異様な雰囲気というのも体験したこともあります.まぁ一般的にいえば明らかに頭のおかしい人になっていたのだろうなとは思われます.日常生活もままならないほど,幻聴など"(既に)4んでいるとおもわれる人"からの声や現在でも生きている人からのこころの声など毎日毎日聴いていて,今はすこし頻度は落ちてきてますがそれは私がこころの距離を採れたことも多いとは感じます.
 例えば,SNS(FacebookやTwitterなど)でなにか投稿などをするとそれに対してそれをみた人のこころの声(幻聴)が聴こえてくるわけです.「(独身の男って)さっむ~い!(嘲笑)」(ある学生時代の女性の同級生からの声)「貴様・・・!(恨み)」(ある会社の同僚とおもわれる男性からの声)「成仏してクレメンス」(ある会社の不倫してたとおもわれる同僚の声)「何でも一番にならないと気がすまないんだね」(学生時代の女性の同級生)「生まれた星を呪うんだな!」(学生時代の男性の同級生)「身の程を知れ!」(同上)など結構きついものも多かったです.そして,そのうちに自分のコメントに対してだけではなく,ほかの人のコメントに対してのそういったこころの声というものもなんとなく読めることが出てきた部分もありました.実際に,私の父に対するこころの声や姿を幻聴・幻覚で見聞きしてしまったこともあります(つまり前述のお焼香の際の件にもあるように,自分自身以外の人に対するこころの声や姿も見え聞こえてしまうこともあるということです).
 このような毎日のため,SNSから頻度や距離を置いてみたり,でもそれでも楽しみたいので,フォローする人を極力厳選して,私に対してわるい想いを比較的に持っていない人を選抜したりして,ネット上の友だちというものを断捨離することも結構ありました.

 社会的立場に貴賎というものはあるのでしょうが,職業や交友関係に貴賎というのはないとは言われてますし,ましてや人のこころというものにもそういった表の立場には関係なく貴賎はない,あるとすれば良し悪しはあるということがみえてきます.社会人としての価値やビジネスとしての価値にはどうしてもそういう貴賎が絡むとは考えますが,人間としての価値や個人としての価値にはそういうものは関係がないのでしょう.

 まだまだ,幻聴・幻覚・妄想について話足りない部分もありますが,とにかくキリがないほど具体的な事例を過去の日記に記してきてますので,今後Kindleにてトーシツにまつわる書籍を出版する際にはなるべく多くの事例を短く濃く取り上げて執筆したいと考えます!
 陽性症状があって辛いときは,とにかく薬で手っ取り早くその症状を拭うことが一次対処だとは信じます.そして,たしかに霊能者となにが違うのかという部分もあるかも知れませんが,陰性症状がきついならば霊能者としても活躍できないのですから,まず病気(?)とはいわずとも自身が"精神障がい"であることを認めた方が楽かもしれません.

 ここまで,本日もお読みいただきありがとうございました.

了,50min.

※本記事の著作権は陽太に帰属します.
yohta.yingyang(at)gmail.com

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