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SansanのDEIアクション 〜ジェンダー関連の相談窓口を開設、社内勉強会を実施〜

働き方を変えるDXサービスを提供する
Sansan株式会社のnote編集部です。

当社には、人事本部にDEI & Wellnessグループという組織があります。
このグループは2023年6月に発足し、主にダイバーシティの推進と、
健康増進の業務を担っています。

今回のnoteでは、DEI & Wellnessグループが主管のDEI関連人事施策
先月開催したジェンダーに関する社内勉強会の様子をご紹介します。


SansanのDEI関連人事施策

①事実婚や同性パートナーシップへの慶弔休暇・見舞金支給

個人の性と同様に家族の在り方も多様化しています。
これを受けて当社では、事実婚や同性パートナーシップへも入籍と同じく結婚休暇、忌引休暇、結婚祝金、出産祝金、見舞金支給の対象としています。

②LGBTQ+当事者の社内相談窓口を開設

当社には、社員のパフォーマンスを支えるため、
コーチング、キャリアコンサルティング、介護・育児や健康の相談、医師による産婦人科相談などさまざまな窓口があります。

そこに今回新たに、会社としてのアライ(※)の表明やインクルーシブな体制強化を目的に、ジェンダー関連の相談窓口を新設しました。
担当メンタルトレーナーに就任されたのは、トランスジェンダー3人組ユニット・ミュータントウェーブのメンバー・山本 朝陽(あさひ)さんです。

※DEI用語を下部にてご紹介しています。気になった方はぜひチェックしてみてください!

ミュータントウェーブの山本 朝陽さん

山本さんは物心ついたときから自身の性に違和感を抱いていたそうです。
高校時代に性別不合であると認識して友達へカミングアウトし、その後アウティングも経験。大学卒業後に男性として生きるため性別適合手術を受けました。
幼少期に感じた違和感や自己否定感との葛藤、また女子サッカー選手として三度の前十字靭帯断裂を経験し、その際に感じた仲間に対しての劣等感、やらなきゃと思う気持ちとは裏腹に頑張れない自分に対しての自己嫌悪。
これらがメンタルに興味を持つきっかけとなり、メンタルトレーナーを志したそうです。
大学卒業後はサッカー指導者の道に進み、現在は主にスポーツ選手やジュニアアスリートを対象に、心のケアや自己肯定感を高めるためのトレーニング・講演を行っています。

今回の当社との取り組みについて、「ジェンダー関連相談窓口では、性自認や性的指向に関する悩みを抱えた社員の方をはじめ、当事者の周りの方からのご相談も幅広くお待ちしています。周囲の人に言えない何かを抱えていたり、心と身体とのバランスを求めている方が、Sansanで自分らしくより大きな成果を目指せるようサポートしていきたいです。」とメッセージを寄せていただきました。

「プライド月間」にジェンダーに関する社内勉強会を実施

毎年6月はプライド月間(Pride Month)と呼ばれ、世界各地でLGBTQ+などの性的マイノリティの権利を啓発する活動やイベントが実施されます。
LGBTQ+総合研修所による2019年の調査によると、日本のLGBTQ+当事者は人口の10%程度で、これはAB型や左利きの人と同等数なのだそうです。

当社の従業員数も2,000名に迫っており、さまざまなメンバーが在籍しています。そこで今回、ジェンダーという切り口から自身や他者、そして多様性への理解を深め協働することを目的とした勉強会を実施しました。

知ることからはじめるDEIとLGBTQ+

今回の勉強会では、ゲスト講師にメンタルトレーナーの山本さんが所属されているミュータントウェーブ様をお迎えしました。
元なでしこリーグの女子サッカー選手のお三方は、現在男性として生き、
「ジェンダリスト」として各種SNSなどのメディアやイベントを通じて、
ジェンダーや多様性に関するコンテンツを発信したり、研修や教育機関で
授業を行っています。

今回の社内勉強会では、匿名参加も可能な形式でオンライン・オフラインあわせて60名超の社員が参加しました。
「知ることからはじめるDEIとLGBTQ+」と題し、DEIとジェンダーに関する基礎知識を学びました。

カミングアウトにどう対応するのが正解なのか?

ここで、勉強会で社員から寄せられた質問を一つだけご紹介します。

ー 社員からの質問:無意識の偏見や差別に気をつけるあまり、せっかくカミングアウトしてくれても腫れ物扱いしてしまわないか不安です。
どんな意識で接したら良いのか、またカミングアウトに対する良い対応、NG対応があれば教えてください。

ー ミュータントウェーブ様の回答:良い対応は、自然体で接することでしょうか。以前面接でお会いした人事の方にトランスジェンダーだと伝えたら「話してくれてありがとう」「実現できるかわからないけど、働きやすくするために必要なことがあれば教えてください」と言われた経験があります。特殊なことではなく、さまざまな社員から受ける相談の一つとして自然に受け止めてくれた。重要なのは仕事上のパフォーマンス、という前提で会話できました。

反対にNGな反応は、過剰に気を遣いすぎ、特別扱いすること
普通という言葉を使ってはいけないと遠慮しすぎたり、「自分はそういうの大丈夫だから!気にしないよ!」とか、勝手にフィルターができてしまうことがあります。
多くの人はカミングアウトされると「正解の対応をしなきゃ!」と背伸びして構えてしまうのでしょうね。
もしカミングアウトされて、驚いたり、知らなかったという戸惑いも、素直に伝えて良いと思います。
遠慮されているのは相手も気付くし、オープンに伝えた方が「分からない」に対してお互い歩み寄れる。
もし傷つけてしまっても、ちゃんと謝ったり、何が嫌で何が嬉しいのかとコミュニケーションを重ねたりして、相互に理解し信頼関係を深めていくのが大切ではないでしょうか。

勉強会終了後、社員からは以下のような感想が寄せられました。

ー 実際に当事者の方にお会いしオープンに話を聞けたことで、性別以前に「まずその人個人としての存在」がある、という感覚を体験できた

人によってグラデーションが異なるのは性別だけでなく個性や価値観などにも言える。LGBTQ+だから、ではなくどんな時もその人自身に向き合い、認め合う心持ちが必要だと思った

ー 他の社員にも参加して欲しい。今回は任意参加だったが、業務の一環で皆が受講してもよいのでは

ー レインボーカラーのSansanオリジナル壁紙やステッカーを作って社内外に配布し、アライを表明できるようにしたい

SansanのDEI推進活動は創業以来のバリュー「強みを活かし、結集する」を体現する営みの一つと位置付けています。
今回の勉強会のように、社員同士がダイバーシティやキャリアについて語り合う「Sansan Colorful Talk」プロジェクトをはじめ、DEI & Wellnessグループでは今後も、多様なメンバーが最大限に能力を発揮できる組織を目指し、幅広いテーマに取り組んでいきます。

【もっとSansanを知りたい方はこちらへ】
Sansan株式会社 採用情報
公式メディア「mimi」
技術ブログ「Sansan Tech Blog」
【Sansanの公式X】
Sansan公式X
Eight公式X

【DEI用語集】

DEI
Diversity(多様性)・Equity(公正性)・Inclusion(包括性)の頭文字からなる略称。組織において多様性とアイデンティティを尊重し、かつ公平な活躍機会を与えられている状態を意味する言葉です。
参考:https://www.armg.jp/journal/300-2/

アンコンシャス・バイアス(無意識バイアス)
無意識の偏見や思い込みのこと。例として「定時で帰る社員はやる気がない」「男性は家庭より仕事を優先すべき」「高齢者は頭が固い、若者は根性がない」など。過去の環境や文化、経験などが基になり意思決定に影響を与えます。誰もが持つ習性だが、無自覚に行った判断や言動で相手を傷つけたり自他の可能性を狭め、組織では多様性や挑戦、イノベーションを阻害する可能性も指摘されています。
ちなみに当社では、全てのマネジャーが必須でアンコンシャス・バイアス研修を受講し、全社員向けにeラーニングの受講や座談会形式の勉強会を毎月実施しています。 

LGBTQ+
レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、クイア/クエスチョニングの頭文字。いずれにも当てはまらない人(+)も含めた性的マイノリティの総称としても使用されます。

性の4要素とは
性のあり方(セクシュアリティ)は従来の「女性」「男性」だけでなく主に4つの要素の組み合わせで成り立つとされています。
①法律上の性(生まれた時の戸籍上の性別)、②性自認(こころの性)、
③性表現(服装やふるまい)、④性的指向(恋愛・性的関心の対象)という4要素のグラデーションは人それぞれ異なり、LGBTQ+に限らず人の数だけ多様なセクシュアリティが存在します。また性自認や性的指向は自分の意思で変えられるものではありません。

カミングアウト
自分が性的マイノリティであることを打ち明けること。カミングアウトは絶対ではなく、言える環境があっても言うか言わないかは本人が決めることであるとされています。

アウティング
本人がオープンにしていない性自認や性的指向について同意なく無断で第三者に暴露すること。善意で許可なく共有することも含まれます。パワハラ防止法ではハラスメントの一つとされています。

アライ
性的マイノリティを理解・支援する人の呼称。同盟や味方を意味するAllianceが語源。マジョリティ側から「私は寄り添う人です」という意志を表明するもので、6色のレインボー・フラッグで可視化しステッカーなどに用いられています。