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“なんとしてもやんねばなんね”、から10年

Episode 0|語りはじめ

聞き書き人:三陸国際芸術推進委員会 三陸芸能マッピングチーム

 2011年3月11日金曜日、東日本大震災発災。
 この日のことはだれもが記憶に残っているのではないでしょうか。
 地震の揺れのとき、自分がどこにいたか、なにをしていたか。おそらく多くの方が覚えていらっしゃるのではないかと思います。

 あれから10年。東北の町は変わったでしょうか。日本は?世界は?人の営みはどうでしょう。

 三陸には、人の営みとともにいつも”祭り”と”芸能”がありました。

 震災から1週間後、100日目、その年のお盆や秋祭りのとき、三陸人は次々と踊りや祭りを復活させました。それらを行うことが三陸の営みの日常を取り戻すことにつながるから。

 生きていくために、”なんとしてもやんねばなんね”かったのです。

3.浦浜念仏剣舞(岩手県大船渡市)百か日法要

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 三陸人たちは、リアスの海と山が育む、魚や獣を糧に生きてきました。度重なる津波ややませ、飢饉といった自然の厳しさとも共存して暮らしてきました。そして、この三陸を生き抜くため、ある画期的で特別な方法を編み出しました。
 「郷土芸能」ー海・山の向こうから神楽や虎舞、シシ踊りといった奇抜だけれど美しい格好をした芸能が、村や家にやってきて、大漁・豊作・平和を祈願しました。そればかりか、かたっぱしから人々を魅了し、みんな踊り手、歌い手に。三陸は今や芸能の楽園です。世界に誇るべき無形文化遺産です。
 三陸に行ってみたいけれど、どこに行ったらいいのか、何をしたらいいのかわからない。そんなとき、三陸芸能マップを広げてみてください。いたるところに芸能があって、出会う人みな郷土芸能人。こんな体験、三陸だけです。

(『三陸芸能マッピング』https://sanrikuarts.com/mapping/ より)
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 震災から10年目を迎えようとしている今、私たちは三陸の郷土芸能人のもとに伺って声を聴き、三陸の芸能のこれまで・今・これからをこのnote『三陸芸能聞き書き人』に記し、アーカイブしていきます。そして、郷土芸能の魅力や可能性を触れ方を、より多くの方々に提供していけたらと思います。

〈写真〉
・トップ写真:2012年9月の大槌まつりでの城山虎舞(岩手県大槌町)
・文中写真:2011年、東日本大震災から100日目の浦浜念仏剣舞(岩手県大船渡市越喜来)
 提供:(公社)全日本郷土芸能協会 小岩氏

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