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三浦半島釣り魚図鑑(21) ヌメリゴチ(めごち)

今までの魚のスケッチはたいてい、魚をお皿に寝かせて横から描いている。でも、今回ばかりは横から描くのはやめた。なぜって、とても平べったいので。上からと、裏返した下から見たところをスケッチしてみた。

まず、目がかわいい。平べったいので上側に二つ並んでいて、まるで、まる描いてチョン♪のドラえもんの目のような感じ。その上口がとんがったひょっとこのようで、非常にひょうきんな顔。裏側は、ヒレが体にめりこむほどに、まっ平になっていて、白い。体長10cmほどのものがよく釣れる。

この魚、ハゼやキスを釣っているときにときどき釣れて、やたらとぬるぬるしている。ヘンテコな形もあって、あまり釣れてもうれしくないような気がしていたけれど、おいしい魚として知られている「めごち」と呼んでいた。

で案の定、めごちと呼ばれる魚にもいろいろあるらしい。魚の名前は地方名や通称が多くてややこしい。この「めごち」、調べていくとどうやら、ヌメリゴチというのが近そうなのだけれど、どうだろう。

ヌメリゴチは別名「ねずっぽ」。ねずっぽと呼ばれる魚も他にもいるようなのだけれど、江戸前の天ぷらでおいしいと言われているめごちはこのスズキ目ネズッポ科のいくつかの魚のことらしい。

ヌメリゴチの他にも、通称めごちと呼ばれる魚には、ネズミゴチ、ヤリヌメリなどいるらしく、正直どれがどれなのかよくわからない。うちで今までめごちと言って釣っていた中にもいろいろ混じっていたのかも、という気がしてきた。エラの横の穴の形や、背ビレの形が異なるらしいのだけれど、背ビレは釣れた後はねっとりとくっついてしまい、形もよくわからないほど。今度はちゃんと確認しよう。

さらには、このめごち(平仮名で記す)のほかに、標準和名メゴチ(カタカナで記す)という魚がいて、こちらはカサゴ目コチ科の魚だそう。

めごち=ねずっぽが釣れると、小さいのでほかにあまりやりようがないこともあって、いつもまるごと天ぷらか唐揚げにしていた。普通の魚は内臓を出す時に包丁をまな板と水平に入れてお腹を切るのだけれど、めごちの場合には垂直に包丁を入れることになるのが面白い。正直、味がわかるほどに食べられる部分がないのだけれど、少ない身を味わえば、確かにおいしい。身がムチッとした感じが天ぷらによくあう。

ちなみに、釣具屋さんに行くとメゴチバサミなるものが売られている。ギザギザの歯がついたトングで、ぬるぬるしたメゴチなどの魚を掴むための道具。うちではもっぱら毒針のついたゴンズイなどの魚を掴むのに重宝している。

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