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三浦半島釣り魚図鑑(9) タカノハダイ(たかっぱ)

秋のはじめの頃だったか、いつも釣りをしている堤防付近に注ぎ込む小さな川の河口付近で上から魚影を見ていた時に、息子があそこにタカノハダイがいる!と興奮気味に教えてくれた。
慣れない私には、魚影だけで魚の見分けがつかないのだけれど、確かに何か茶色っぽい割と大きめな魚がゆらゆらとコンクリートの護岸に沿って泳いでいて、しばらくすると暗渠の奥の方へ消えていった。

私はタカノハダイという魚すら知らなかったので、家に帰って調べてみるとなかなか素敵な魚。その時にはまだタカノハダイを釣ったことはなかったのだけれど、その数週間後、子どもが隣町葉山の堤防でタカノハダイを釣ってきた。後日、逗子のテトラポットで小さめのタカノハダイを釣ってリリースしている人も見かけた。このあたりではよくいる魚らしい。

しかし、名前をつけた人、センスあるなぁ。
鷹の羽のような模様だからタカノハダイというらしいのだけれど、斜めの茶色の縞や尻尾にある白い水玉模様は確かに鷹の羽のように見える。とがった胸びれや、ハート型の尻尾も絵になる、かっこいい魚。でも息子はたらこくちびるがキモいと言っていた。たしかにくちびるが分厚い(笑)

さばいた息子の話では、この魚はウロコが硬いらしい。ウロコが硬いっていうのはどういうこと?と聞いてみると、とるのに力がいる、しっかりくっついているということらしい。ウロコをとると、かっこいい縞模様はあまりわからなくなってしまったけれど、塩焼きにすると、身がしっかりしていて、確かにこれは鯛だね、というようなおいしい魚だった。でも息子は塩焼きはベラの方がおいしいらしい。好みの問題かな。

タカノハダイは臭いという人もいて、釣れてもリリースされることも多い外道扱いの魚らしいが、もったいない。臭みについては、季節や個体差もあるらしいけれど、この時には全くそんなことはなかった。見た目といい、味といい、釣れたらちょっとうれしい魚だと思う。



2022年2月 追記
タカノハダイはこのあたりの漁師さんは「たかっぱ」と呼んでいる。

特に冬場は臭みも少なくておいしいとのことで、網にかかった「たかっぱ」をとっている漁師さんを見かけたけれど、もっぱら値がつかず自家消費用らしい。漁港に無造作に投げ捨てられていることもある。もったいない。

漁師さんのはからいで、子どもたちが漁港のお手伝いらしきことをさせてもらった。ありがたい。役に立つどころか、逆に手間をかけてしまっているにもかかわらず、お礼にと漁師さんからタカノハダイをいただいてきた。
子どもが釣ったものよりもずっと大きなタカノハダイは、息子の希望で刺身にすることに。

上にも書いたように、ウロコが硬いので、うろこごと皮を引いて、塩水につけてからキッチンペーパーで包んでしばらく冷蔵庫で寝かせる。これはYouTubeで学んだやり方らしい。数時間後に薄く切って食卓へ。

新鮮なタカノハダイは脂がのっていて、臭みなど全くなく、びっくりするくらいおいしかった!



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