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三浦半島釣り魚図鑑(8) ウミタナゴ(たなご)

かなり昔、私が逗子に住むより前に葉山の鐙摺漁港あたりでサビキで釣りをしたときに、かかったのがウミタナゴばっかりだった。
何を狙っていたということもなかったのだけれど、なんとなく、狙っていたのはこれじゃないという感じで、ウミタナゴといえば、どこにでもいる残念な魚という気がしていた。

タナゴというのは小さな淡水魚だけれど、それに似て海にいるから海タナゴ。そのせいか、淡水魚のような雰囲気で特徴があまりなく、整然と並んだウロコはきれいだけれど、見た感じも薄っぺらくてそんなにおいしそうではないし、まあ、連れて嬉しい魚でもないなぁと思っていた。

でもウミタナゴ、最近は意外と釣れることが少ない。サビキをあまりしていないからかもしれない。

たまにしか釣れないようになってみると、堤防から釣れるような魚の中では意外と大きいし、ウミタナゴも悪くないなぁと思うようになった。絵に描いても、淡い色合いの虹色がきれい。そして実際、案外おいしい魚で、うちでは塩焼きにして食べた。

いつも勉強させてもらっているぼうずこんにゃくさんのサイトによると、この魚は胎生だそうで、お腹の中でかえった卵が、5cmほどに育ってから外に出て来るのだそう。

そのせいか、小さなウミタナゴの赤ちゃんが釣れることはほぼなくて、たいてい10cm以上にはなっているサイズが釣れる。そういえば、だいぶ前に夫がさばいたお腹からたくさんの胎生魚が出てきたことがあった。あれはウミタナゴではなく、カサゴだったような気がするけれど、魚のおなかから卵や小魚が出て来ると、やっぱりちょっとかわいそう。また釣りたいし、放流できるものならしてやりたいけれど‥


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