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三浦半島釣り魚図鑑(16) ダイナンギンポ(ぎんぽ)

うちの近くには岩場があって、そこはもっぱら釣りというよりは磯遊びに行く場所なのだけれど、その遠浅の磯だまりでよく、小さな釣竿を持った人が浅い海を歩きながら釣りをしていることがあって、何を釣っているのか尋ねて見ると、ギンポだという。時には細長い大きな魚を釣り上げていることもあって、あんな小さな竿でも大物が釣れるんだなーと思っていた。

するとある日息子の友達がその磯で、手掴みで捕まえたというギンポを「食べるならいる?」と持って来てくれた。その長さ30cmに近い大物。うちでも以前、ギンポらしき魚を釣ったことは何回かあったのだけれど、それは10cmにも満たないほどの小魚だったので、びっくりして調べてみたところ、ギンポにもやはりいろいろ種類があるらしい。

お友達が持って来てくれたのはダイナンギンポ。うちでよく釣ったことがあったのは頭にひらひらがついているイソギンポ。そして、天ぷらがおいしいことで知られているギンポ(銀宝)は、このどちらとも違い、それぞれが、科からして違う全然別の魚のようだ。

ダイナンギンポの特徴は、寸胴で細長い体に、背ビレから尾ビレ、腹ビレまでぐるりとヒレがつながっていること。そして皮膚の表面に蛇の鱗のような感じの見た目のシワがあること。全体がぬめぬめの上に、シワがあるので、なんだか気持ち悪い。

そして名前の「ダイナン」っていう響きも恐ろしげで謎。漢字で書くと大難らしい。そういえば、以前紹介したダイナンウミヘビという魚もいたっけ。

他にもダイナンアナゴという魚もいて、結局ダイナンの意味はよくわからないのだけれど、この3種を勝手にダイナン3兄弟と呼ぶことにする。

ダイナンギンポはあの、いろいろな魚を食べておられる、ぼうずコンニャクさんのサイトですら、食べた記述がされていないので、正直、あまりおいしくはないのかな、と思いながら、それでもギンポだからと天ぷらにして食べてみたところ、普通に、というかかなりおいしくいただけた。

なので、今度釣れるといいねと息子と話していたところ、ほどなく、もらったのと同じサイズのダイナンギンポを葉山で釣って帰って来た。その後も秋の間に数回釣れたダイナンギンポ。

いわゆる穴釣りという、足元に落として釣る釣り方なので、岸からでも子どもでも釣りやすいのがいい。針が岩場にひっかかることがあるのがやっかいだけれど。そうそう、特に磯遊びに使われることの多いような場所での釣りのときには、ひっかかった針がとれたら危ないのでマナーにも気をつけないと。

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