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平凡な街の鬱陶しい出来事②かまってちゃん考
ある日突然かまってちゃんは露骨に知人を無視し始めた。
(始まったか…)そう思いながらも無視を気にせず淡々と仕事をこなしていたそうだ。
(合わない奴は合わないからね。)
だが、かまってちゃんが欲しいのは他人の動揺する表情なのだ。このままでは屈折した自己顕示欲が満たされない。
だか、当然の事だが面倒臭いかまってちゃんは放置された。
当たり前である。
かといって、無視し返してはいなかった様であるが、かまってちゃんは平然と知人にされたのがつまらなかった。
そして痺れを切らして知人に話し掛けた。
おやおや、折角シカトして喜んでたのではないのか?
『ねえ、Kさん、なぜ無視するのよ?』と突然の被害者面。
知人は『あなたがじゃないんですかね?』
かまってちゃんは待ってましたと被害者面をする。『そういう事言うの良くないわよ。』
知人は心底面倒臭いと思い、『なに無視しておいて…。あの、仲直りとか話とかしてくれなくてもいいから。もう構わないでいいからさ。』とキッパリ。
知人の語り口は普段からサバサバしている。
かまってちゃんは顔を強ばらせた。そこから上手く言い返せずにいた。直後は洗面所か何処かで泣いていたようだ。
そして戻ると同僚たちに知人の悪口を言っていたそうだ。
『酷いのよ!Kさんは私を無視するのよ!』
と、散々かまってちゃんの無視に振り回された同僚たちに言っていたのだが、一体誰が慰める気になるだろう?感覚がおかしい。
かまってちゃんは知人のせいで退職するのだ、と騒ぎ出したが誰も引き留めてくれない為、どうにもならずに実際に退職する事になった。なんと云う自滅。
どうやら長く勤めた自分を惜しんでくれると踏んでいたようだ。えー、辞めちゃうんですか?と。
ところが、誰もそんな事は言わなかった。
そして遂に退職したが、その途端に全員がそれっと、ばかりにLINEをブロックしたと云う有り様だった。
後日知人が街を歩いていると、かまってちゃんがいるのを見つけた。
すると知人に気付き慌てて向きを変えて急いで去って行ったそうだ。
一度ではないようだが、後ろめたいのだろう。元々つまらない自己顕示欲がある人なので謝れる器も無く、コソコソするしかなかった。
さてさて、大きな赤ちゃんがいなくなり、ひと安心だ!
同僚たちはきっと清々しく感じただろう。
ただ仕事をしていたいのに、面倒臭い事を増やす人間が去ったのだ。
職場は平穏になった。
なんて素敵なのだろう?そう思いますよね?
でも人生は複雑だ。
折角頑張ったのに、どうして?
新たなかまってちゃんが現れるなんて!
また続きます。(;゚∇゚)
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