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医療崩壊をどう定義づけるか。 #時事


*本記事は、私見に基づき、医療崩壊をどう定義づけるかを論考していくものであり、正式な見解としての医療崩壊の定義をまとめるものではありません。


という但し書きを文頭にもってきました。


というのは、あくまで私個人が医療崩壊の定義についてどう考えるかということを論じていくため、正式な医療崩壊の定義をまとめるわけではない、ということだ。


はじめに


「東京都や大阪府は医療崩壊した」という大村愛知県知事の発言が物議をかもしています。また、感染症の専門家である二木氏も「イギリスやイタリアなどでは医療崩壊が起こったのではないかといわれている」と報道番組で発言していました。


ここで、「医療崩壊」という言葉の定義が曖昧であるということにお気づきいただけるだろうか。


しかも、大村知事の発言が物議を醸したのも、「医療崩壊」という言葉の定義が不明瞭なことに起因している。つまり、「東京や大阪は医療崩壊をしたか」という論点に対して、肯定派と否定派の双方が、自分の考える「医療崩壊」の定義に則って議論を進めているため、意見が合致しないのだ。

このように、定義を巡る議論というのは、非常に根源的なものであるにも関わらず実は軽視されがちなのだ。


そこで、私自身が考える「医療崩壊」の定義を示していきたい。


医療崩壊とはどう定義付けられるか


医療とは「医術を用いて病気やけがを治療すること」だ。崩壊とは「維持してきた形やまとまりのある状態が壊れること」だ。(明鏡国語辞典より)


よって、医療崩壊とは「病院で、秩序だった治療が行えない状況になること」だと考えられる。


ここで、「秩序だって治療が行えない」ということをどのような基準をもってそういえるかを考えていく。

例えば、人工呼吸器を取り扱える10人の医療従事者のみで運営されている病院を考えてみよう。病床と人工呼吸器は残り100あると仮定し、人工呼吸器の装着には従事者2人で計30分かかるとする。この時、人工呼吸器の装着が必要な患者が、5分に一人入院してくるとする。と、500分(約9時間)で病床はいっぱいになるし、25分経つと患者が10名になり、30分経つと、一人は装着は完了するが、また一人入院患者がでてくる。というように、だれも手が離せない状態になる。これが続けば、退院の対応もできなくなるため、その病院のみでの秩序だった治療が行えなくなってしまう。もちろん、人工呼吸器をつけることを後回しにすることも考えられるが、他の色々な手続きを後回しにすることで、治療ができなくなってしまうし、病床もいっぱいにてしまう。

このような状況は、この病院で医療崩壊が起きた、といってもいいと思う。

つまり、病床数が一杯になるか従事者の手が回らず、多くの患者の治療が間に合わなくなることが医療崩壊といえる、ということです。

もちろん、地域での医療体制が同様にひっ迫した場合も地域の医療崩壊といえるだろう。


医療崩壊の基準を数値をもって定義する。


緊急事態宣言の解除をする基準が政府によって示されなかったことが批判としてでたが、同様に医療崩壊も基準を数値で示すべきではないか。


例えば、区内での病床数が一杯になったらその区は医療崩壊を起こした、と基準付けるのだ。


医療崩壊の定義付けには、やはり対象となる「区域」の設定が必要になるだろう。


東京では、大阪では、イギリスでは、というくくりとして考えれば、現状では、東京は病床数が一杯になったわけではないので、東京では医療崩壊は起きていないと考えられる。


しかし、例えば、東京で病床数が満床になり神奈川などに患者を輸送する必要が出たとき、東京では「医療崩壊」が起きたと定義づけられるのではないか。


結論


どのような区域のどのような基準をもって医療崩壊とするかは賛否両論あるだろう。


私自身は、先に述べた通り、「都道府県単位で集中治療室が一杯になる状態」ということを基準にしていいかと考えている。


今後、第二波が来たときに、医療崩壊が起きないよう、集中治療室の確保を都道府県ごとに進めていくべきだろう。コロナ感染拡大防止の目的は、医療崩壊の阻止なのだから。

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