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「逆説」と「逆接」の違い、分かりますか?

はじめに

「その意見はギャクセツ的で面白いですね」なんて言ったりしてしまう私ですが、恥ずかしながら、「逆説」と「逆接」とが違う言葉だと知りませんでした。上の意味で「ギャクセツ的」という場合は、「逆説」と「逆接」のどちらが正しいのでしょうか。みていきましょう。

「逆説」とは?

「逆説」とは、英語でいうパラドックスのことで、「一見逆のことを言っているのに実は正しいこと」のことです。

逆説の例としてよく挙げられるのは、「急がば回れ」や「負けるが勝ち」などです。

(急いでいるときは、危険な近道を行くより安全な回り道をした方が、結局は早く目的地に着ける。勝負に勝つことよりも負けることで利益が大きくなるケースもある、ということを意味する慣用句ですね)

また、一見すると正しい推論によって導かれたのに、結論に矛盾をはらんでいたり、事実とは反するのにその結論に反する論拠を提示しがたいものなども、「逆理」と呼ばれ、「逆説」と同義になります(詳しくは上記リンクにて)。

「逆接」とは?

「逆接」とは、二つの文または句の接続で、上に述べたことから予想される以外の結果が示される関係を、あえて結びつける場合をいいます。

例えば、接続助詞「ても」または接続詞「しかし」を用いて、それぞれ「雨が降っても運動会を行う」とか「雨が降る。しかし、運動会を行う」などという場合などです。

つまり、「逆接」とは、「しかし」、「にもかかわらず」、「~ても」、など、予想とは逆の結果を述べる場合の句のつなげ方のことを意味します。

ちなみに、「逆接」の対義語は「順接」で、これは「前件が後件の順当な原因・理由などになっているもの」のことを言います。

まとめ

「逆説」とは、「急がば回れ」や「負けるが勝ち」など、「一見逆のことを言っているのに実は正しいこと」のことでした。

一方、「逆接」とは、「しかし」、「にもかかわらず」、「~ても」、など、予想とは逆の結果を述べる場合の句のつなげ方のことを意味します。

「逆説」と「逆接」は、同音異義語だったんですね。

あまり頻繁に使う言葉ではないですが、言葉の違いを理解できていると、思考の幅も広がるかもしれません。

「ギャクセツ的」と言うときには、「逆説的」という漢字が思い浮かぶようになりそうです!



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