見出し画像

為替トレーダーの俺が旅する理由

まいど、三平@FXです。

旅行中は旅行に関するDMがたくさん来るので、多くのトレーダーが旅行に関心があるのだと伝わってくる。

その質問の中に、なぜそんなに旅をするのか?旅から何を得られるのか?というものがあり、その答えについてはnoteの方で書いてみようと思った。


今回の旅はインド洋に浮かぶアンダマンニコバル諸島を訪れるのが目的だった。

画像2


画像の赤丸部分の島がそれである。

先の大戦時に日本軍が占領していた地域の中では最も遠いエリアでもある。

幸いな事に、ここに展開していた日本軍は、ガダルカナルや硫黄島の様な悲惨な展開にはならなかったが、敗戦と同時に日本軍は武装解除された。

自分が20代の時に仕事で毎週の様に会い、物の考え方を徹底的に叩き込んでくれた研究者がいて、その人はここの軍属帰りの人だった。

だからよく仕事の後の飲み屋さんではその頃の話を聞いていた。

この地域の守備隊は玉砕こそなかったが、武装解除後は英軍の捕虜になって壮絶な飢えの中で本当に大変だったそうだ。

でもなんとか日本に帰ってきて日本の大手化学メーカーの研究所長までなったと。この人の圧倒的なバイタリティやどんな難題でもどうにかこうにかしてしまう試行錯誤のすごさと老人なのに柔軟な思考。ほんとに尊敬できる先人だった。

そんな人にゆかりがある島を訪ねてみようと思ったのは、釣り仲間がインド洋に浮かぶその島に釣りに行くという話を聞いたからである。

旅の道中は別々に行動し、コアタイムの2日間は一緒に釣りをして過ごせれば言うことなし。

あと個人的に春の花粉症の時期は日本の花粉が多い地域からなるべく離れることが目的。2月中旬から4月上旬まではほぼ日本の本州にはいない。自分の旅が集中する季節でもある。

アンダマンへの道のりは、成田からバンコクへ。バンコクからインドのチェンナイに飛んでインドへ入国。そこから国内線でポートブレアに飛んでアンダマン諸島入り。そこからフェリーでニコバル島に行くという旅程。

上の画像で見たらいかに無駄な経路かと思うけど、他に良い旅程はなかった。


画像1


俺が求める旅はキツイ旅である。

目的は自分にストレスを掛けたいから。

そして、自分の感受性を磨きたいから。

俺は社会的に成功し、家族や友人にも恵まれ、周囲の人からとても羨ましがられる人生を送っている。広い家に別荘に車に船にと欲しいものはほとんど手に入れてしまった。

日頃は間違いなく富裕層と呼ばれる生活をしているんだと思う。

だけど、俺自身はそれに染まりたくないし、それを当たり前だと思う事にとても恐怖を感じている。

人生も半ばを過ぎ、自分の周りにはたくさんの人が集まっている。

仕事関係で言えば自分が関わるビジネスに何十億円、広義に取れば千億円というくらいの経済的な関係がある。(自分の年収とか会社の売上高という意味ではない)

その中で自分も生かされて、周りに役立って生きているのである。

そこには自分に期待されている役割がある。

それを自分はいつもどこかで演じている。

別にそれが辛い訳ではない。

だけど、そんな時間を過ごしていると鈍っていく自分の中の感受性とストレス耐性。

それを磨き直すのは旅でしかできない。

触れただけで切れる様な鋭い感受性、あらゆるストレスに耐える心の強さ

それは常に備えておきたい感覚

そして滝の様に落ちるポンドの動きにも動じない強いメンタル 笑

それはまた別の話だけど深遠では繋がってる。



感受性と耐ストレス性は日常の生温い生活をしているだけなら退化の一途である。確実に!



若い頃の話を少し。

中学生の頃は読書の森に迷い込む勢いで、休み時間の度に学校の図書室に入り浸った。読んだ本は少年少女文集から始まり、途中からは先の大戦時の本が中心になった。日本軍の活躍、日本兵の強さ、勇ましさ、子供心に心震わせながら読み漁った。

祖国を思う誇り、家族を想う誇り、その守るものを守るために死ぬことすら恐れない勇気。俺が大人になった時にそんな気持ちを持てるのか?俺は立派な大人になれるのか?心から尊敬される父親として生きていけるのか?そしてこの国はどうなっていくのか?アメリカが原爆を落として大勢の人が死んだのにチェッカーズはSong for USAとか歌ってる。

中学生の不安、疑問。そして希望。

そう、どこにでもいる中学生だった。

父親も母親も普通の人。東京の下町で同じ様な境遇の同級生と遊びながら育ってきた。

中学3年生になって、読書の興味は戦争史から戦後史へ、そして天文学へと変わっていった。

もう頭の中は星のことでいっぱい。

この宇宙がどうやってできたのか?太陽系はどこにあるのか?地球という奇跡、そしてその星に生きる生命。

天文学の本を読み漁る中で俺はある事実を知ってしまう。

それは30億年後には太陽は爆発してしまうということ。

そして25億年後には膨張する太陽にこの地球は飲み込まれ、地球も消滅してしまう事であった。

とんでもない先の話ではあるが、何をどうやったってこの地球は無くなってしまう。これは真理だ。

俺の心の中に突然降りた絶望感と、自分が読み漁ってきた闘いの時代を熱く生きた人たちの話の整理ができなくなった。

この地球が無くなるというのに、なぜ人はこうも熱く生きていけるのか?
大切な人を守るために頑張って生きる。
家族を思って毎日を大切に生きる?

なぜ?地球無くなっちゃうのに?


先生も親も、この俺の質問には答えてくれなかった。

変なことを言い出した中坊扱い。

いいから勉強しろ。いい大学に入れ。いい会社に入らないと人生苦労するぞ?


どーでもいい!

どーせ地球無くなるし!

こうして俺は多くの人が正しいと定義する人生の道から外れることを選んだのである。



あれ?なんの話をしてたんだっけか。

そう、感受性とストレス耐性。

感受性はたくさんの読書と新しい世界を見て知る事しか磨けないと思っている。

読書というのは、他人の頭の中から生まれて書かれている文章をまず素直に読んで理解するという作業。肯定も反論も全てはその後だ。

相手の話を黙ってまず聞く。理解する。読書するってのはその訓練だと思ってる。



次にストレス耐性。それを磨くのは簡単な事だ。

今の日常で当たり前のことを当たり前でなくしてしまえばいいだけだ。全てストレスに変わるから。


画像3

旅の宿は安宿だ。

部屋はまずまず広かったが、シャワーのお湯が出ない。

汗を流すためには水を頭から被るしかない。

水は透明ではなく、バケツに溜めれば少し黒濁りした。

若い頃はバックパック旅行をたくさんしたので、そんなことはストレスともなんとも思わなかった。汗が流せる場所とタイミングを貰えただけで有り難い。そんな気持ちで旅をしていた。

が、この年齢になると初日はそうもいかない。思考の凝り固まった40代男にとってはこの冷たい水を毎日浴びるのか?という思いが出てきて強いストレスを感じる。だって冷たいんだもん。

が、人間面白いもんで3日もすれば慣れるのである。

お湯ではなくて水であることが当たり前になるんだから。お湯の暖かさを忘れてしまえば、水であることのストレスは無くなる。


こんな調子で、不衛生な環境に身体を慣らしていく。ネズミとヤモリが這い回る部屋、常時襲ってくる蚊、不衛生な食事、汚物が染み付いた古いトイレ、クサイキタナイキツイカッコイイの4K。

街に出てもそうだ。全く通じない言葉、届かないこちらの配慮、期待通りに得られることのないサービス、油断するとどんどん無くなっていくお金。

そう、日常のTwitterに渦巻く不平不満のオールスターが旅には揃っている。


でも、不平不満言ったって何にも変わらないぜ?

なんで不平不満が出るかというと自分の中の期待値が高いからなんである。

他人に期待なんかしない、サービスに期待なんかしない。

俺が欲しいのは、全てのことは自分でできるし、自分で決めるから誰にも頼らない、期待してない、という感覚だ。

この感覚こそ真の自立。

何かの件で多少誰かに期待してたとしても、その基準値をずっと下の方で持っていれば、素直に出るありがとうという言葉。

全てが有り難くなる感覚わかる?

それだけあれば、毎日ニコニコしていられる。

毎日ニコニコしてるだけで人生は半分くらい上手くいく。

そういうもんなのだ。

笑顔の人の周りには楽しい人が集まり、優しい人が集まってくる。

今回の旅はインドだけど、ヨーロッパでもアメリカでもそれは一緒。日本でも一緒。日常でも本当は一緒。でも日常でその感覚を持つのは難しい。だから旅に出て思い出して帰ってくる。

日本でも災害に遭った人は基準値を下げざるを得なくなる。そこで状況が変わったことにサッと基準値を下げて、感謝の心を持ちながら災害に前向きに向き合う人もいれば、不快なこと気持ちが行って、ずっと不平不満を募らせて行政の対応に怒りを抱く人もいる。

他人がどう生きようが勝手だが、俺は自分の人生において、怒っている時間とか不平不満を抱えてる時間は絶対的に少ない方がいいなって思ってる。
自分がいつか死ぬその時まで1秒だって悪い感情に支配されていたくない。

若い頃は怒髪天の怒りに心を染めたこともある。だからこそ思う。

そして感情は顔に染みつくんだよね。悪い感情が顔に刻まれることをいつも恐れてる。


人は生まれたからには幸せになるべきである。

でも幸せは誰かが与えてくれるものではない。

自分の心のありようなのだ。

あれ?また話がどこかに行ってしまった。

画像4

宿の横にある橋で毎日午後は釣りをした。

旅は誰と出会うか?

がとても重要。

顔さえ覚えたら名前なんか知らなくてもいい。


俺は釣りが得意だから、釣りがコミュニケーションの道具。

釣りって面白いんだ。

竿を出してると人が寄って来るんだよ。

2時間もいれば誰かが話しかけて来る。インド人の言葉はわからない。でも笑顔で色々と話をしていると餌をくれたり、仕掛けをくれたり。

ちなみに俺は天才的に釣りがうまいので、地元の人がびっくりするくらいどんどんと魚を釣るんだよね。周りの人は、魚欲しさと、その釣り方の見たさに集まってきて、みんなでワイワイといった状態。

魚が釣れる度に歓声が上がり、みんなが笑顔になる。子供がいれば俺は子供に魚をあげるんだよね。子供はすごい笑顔で受け取ってニコニコと家に持って帰って、またすぐに戻って来るんだよ。

次の日にまた橋に行くと、もうすっかり人気者扱い。

パンとかくれるんだよ。お腹壊したけど。


 

画像5

飯について

俺は胃腸は強いんだけどインドは結構しんどかった。

何を頼んでもカレー味なんだよね。美味しいけど、ごはんというより粉みたいな塊が主食だったりで、最初しんどい。

でもこれも3日目には美味くなってくるんだから面白い。

今はチェンナイの乗り継ぎで10時間あるのであまりに暇でこうしてブログ書いてるんだ。日本に帰ったら飯が美味いんだろうな。



画像7

仲間との釣りの方はもうパラダイス銀河状態。

よーこそ、ここへー🎶

一生こんな思いをできないだろうなってほどの釣りができた。

仲間との2日間はまた別の旅。

俺も色々な事を考えまくる自分の旅を切り替えて、仲間と楽しく過ごすことに集中したよ。仲間は最高。人生を共に生きる上で最高なのは友達だ。明るく前向きに生きていれば明るく前向きな奴が自然と揃う。そんなもん。俺も彼らにたくさん学ばせてもらってる。


画像8

途中2泊したリトルアンダマン島はポートブレアよりもっと貧しい未発達な地域だった。極貧と言っても過言ではないと思った。

でも、そんな街の人々は総じて優しくて親切だよね。目の奥に人としての優しさがしっかりとある。心に余裕があって、幸福感が高そうな人が多いとおもった。

なんでかって言ったら何事にも期待値が少ないからなんだよね。

知らない方が幸福なことはいっぱいある。日本人はたくさんの情報に囲まれている。その情報を処理できないで劣等感の中に生きる日本人はとても多い。若い人は特にね。

この島の人達は世界のことも何も知らないし、自分が達の生活レベルが地球の他の人に比べてどんな感じなのかなんて知らない。知っているかもしれないけど、遠い世界の話だと思ってると思う。

でも幸せに生きているんだよ。心のありようだ。



そして、今回の俺の旅の理由で一番大事なこと。

かつてこの地で日本人が銃を持って敵と闘っていたんだよね。

この照りつける太陽と青い空の下で先人はどんな思いでいたんだろう?

ジャングルに身を潜めながら何を考えていたんだろう。

青い空は遠くの故郷に繋がっているのだろうけど、それは途方もなく遠い。

俺が世話になった先生はどんな思いでここにいたんだろう。

自分も海辺の樹下でしゃがみ込んでみた。

そんな事を考えていると少し涙が出るよ。

海に向かって手を合わせて祈るんだ。

そして感謝の念を心いっぱい唱えるんだ。


日本人でも、戦争のことを忘れちまった人が大半なんだろうけど、俺は中学生の時から貴方達の活躍を知ってて、今では立派な大人になってこうして今この地に立ってる。

銃弾や病気でこの地で倒れて死んだ人達にも伝えたいんだ。
77年経っても忘れてない日本人もいるってことをさ。



でも、振り返って今の俺たち日本人。

あの頃の必死に闘った先人が描いた日本の未来って、今の俺たちは実現できてるのかな?

多分がっかりするだろうね。

こんな子孫のために俺たちは闘ったのか?血を流したのか!?

今の日本はそう思われても仕方がないかもしれない。

不安や不満を誰かのせいにして、やらない言い訳ばかり上手くて何一つチャレンジしない連中ばかり。



でも、俺だけでも。

その先人達の誇りに応える様に強く生きたいといつも思ってる。

貴方達が命を賭けて守り抜いた日本という国の未来。

どーにかできないかと微力ながら思ってる。


でも、俺は今の日本人にそんなに期待はしてないよ。

他人がこれについてどう思ってようと、どうでもいいこと。

ただ、たくさん本を読んでその歴史を知ってる俺だけでも、そのことを忘れずに応えようともがいている。

どーせ地球無くなっちゃうんだけどね。




夜、街に行けば商店街があってWi-Fiが手に入ると聞いて、バイクを借りて向かった。

画像6

画像9

しばらく走って、商店街に到着。

メニーメニーショップって言ってたけど3軒しか開いてねーし!

画像10

しかし、ここで奇跡のWi-Fiを入手。1時間100ルピー。

ここでポンドルが指値到達した確認と、オジドルを決済できた。

画像12

画像11

南の島で最高の勝利に安堵する。




為替はメンタルが大事というのは事実。

早すぎる利益確定、遅すぎる損切り、耐えられない含み損。

でも、この日記の中だけの俺の本音を書こうか?

お金ってそんなに必要か?

もちろんあるだけあった方がいいのは間違い無い。

でも、お金に期待していない人って、お金を失う恐怖にも強いんだよ。

俺はお金への執着をこの地球の滅亡という絶望感と引き換えに失った。

だからお金を失うリスクに対する感覚が他の人に比べると鈍いと思ってる。地球無くなるのにお金貯めたって仕方ないじゃん。

でも、だからリスクを取って商売してきて成功したし、稼いだお金を自分以外の人に惜しまずに出せたからますます成功した。商売についても今思えば、の話。

投資も一緒で、お金に執着しないから勝てるのかなと思うときも多い。

お金を稼ぐのが投資だけど、お金がそもそもそんなに必要なのか?

そんな事を思ってみるのもいいかもしれないね。




画像14

最後は海を泳ぐ羽目になるトラブルにも遭ってパスポートと財布の中身がビショビショ。

ほんと生きてて良かったよ。

人の事は信用しても、人のやる事は信用してはダメだね。


画像13

という事を振り返りつつ書いたチェンナイでの乗り継ぎ時間。

スマホで書いたので誤字脱字、まとまってない文章はご容赦ください。


みんなで幸せになって、いい日本を紡いでいきたいね。

そして良い投資をしていきましょう。



この記事が参加している募集

一度は行きたいあの場所

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?